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独自の正義には、数字で対抗する

朝から気圧の低さに負けっぱなしで、生産性の低い一日に追い打ちをかけるように、これはあかんというできごとに遭遇しました。

若者をターゲットに、IT業界における課題をアンケートで集めている方がいました。結果としては、よくある内容ではありましたが、逆にそのように感じている方が多いというのは、様々な裏付けにもなります。さすがにその内容を丸パクしてくるわけにはいかないのですが「企業IT動向調査2019 - JUAS」の結果とほぼ同じなので、こちらを参考に。まぁ、動向調査をすれば、似たような課題が出てきます。

そこに突然現る、正義の味方。われわれにとっての正義ではなく、本人の思う何かの正義のために、自分以外のすべてを傷つける人です。状態としては、チェッカーズのアレです。触れるものみな傷つけるタイプ。あまりにもひどいので、ニュアンスだけ伝わるように正義の味方の台詞をまとめてみます。

「そのアンケートの内容は、本当に体験したことを記述しているのか」
「あまりにもステレオタイプな回答ばかりなので、信用ならない」
「わたしの周りには、そのような課題はない。信用ならない」

この方は、このアンケートの結果をすべて正しくないと糾弾してきたのです。その理由は「自分の経験上、そんなことはなかったから」です。自分の正義とはちがう結果だったからです。このアンケートを取ってきた人自体を悪役と捉えたのでしょう。

IT業界だけで見たら、まぁもちろんこれよりも少ないでしょうが、日本全国には100万人程度のIT業界で従事する人がいます(ここ数年のITエンジニアの人口推移 - IT人材の最新動向と将来推計に関する調査結果)。ほんの一人が巡り会えるような業界人とはどの程度でしょう。1% もおらんでしょう。この数字を知らなかったとしても、日本には、1億2千万人以上の人間が住んでいて、東京だけでもその 1/10 の人間がいます。労働者人口が半分だったとしても600万人以上は余裕でいるわけです。自分がどの程度の人間と接することができるかは、ある程度、容易に想像できます。

「井の中の蛙大海を知らず」とは、ホントによくできた言葉で、活動範囲の狭い人ほど、外の世界の広さはわかりません。自分の周りとはちがうようなケースというのは、まったくもって恵まれているか、相当に不遇かのいずれかです。アンケートとして収集してくれば、ある程度はステレオタイプの回答によってくるでしょう。だって、そもそも多いんですもの。

少数でのアンケートになんか役に立つのかどうかについては、そのエリアや特定地域において、特殊性があるかどうかなどの判別につくので、全くの意味なしでもないです。これくらいのことはある程度想像できれば、無闇矢鱈に結果に噛み付くようなこともないんでしょうが、どうにもこうにもマウントしたがる人はいるようで。

なので、ある程度柔軟な発想から切り離された、独自の正義感を持つ人ほど「FACTFULNESS」をオススメするとともに、「思考のトラップ 脳があなたをダマす48のやり方」を強く推奨します。頭はバイアスだらけであるということを理解するだけでも、自分をリセットできます。

数字と事実というものが、一体どれほど重要なのかを理解し、事実を元に建設的な議論ができる世の中にすすんでいくことを望んでいます。

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しょっさん
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