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Salesforce に入社して9年。FY25の振り返り 🫡 [無料で全文読めます]

早いもので、Salesforce へ入社して9年だそうです。なんかもう何十年と働いている感じがします。廻りからも言われますけど、いうほど重鎮じゃないです。態度がでかいだけです。ホント申し訳ない。

そういえば、あと 1年で Koa club だなってメールも届いていました。感慨深いですね。

毎年恒例ではありますが、ちょっと振り返ったりしてみます。

Certified Principal, Technical Architect として

FY25から認定された Technical Architect として活動することになりました。社内的な認定なので、いわゆるSalesforce外部資格としての最高峰である CTA とは別物です。Pre-Sales だけの特別な社内認定です。

とは言え、なにか仕事の内容が変わると言うことはありません。こつこつとお客様の商談対応を進めました。

そんな中FY25での大きな活動は、社内 Enablement を立ち上げて実施したことでしょうか。目的は Archtecting 可能な人材の育成です。わたし一人では立ち行かない世界ですし、後身の育成も重要なお年ごろです。

そんなこんなで社内で日本人向けに Pilot を実施したり、韓国メンバーに向けて実施したりしました。年末に韓国へ行っていたのはそういった理由なんですね。

また、その中から生まれたコンテンツもあって、一部は公開しています。この辺ね。

大きな商談も数年かけて決まったし、やたら労力のかかったこの Enablement も Specialist メンバー総出で作り上げたし、わい今年がんばった。みんなもがんばってくれてホントにありがとう。

Salesforce エンジニア 9年目として

もはや Salesforce の仕事してるのかどうか分からなくなってきました。特定のプロダクトを持たなくなってからと言うものネットワークとデータ、AWS の話が主です。何屋だっけ。

とは言えですね。ITエンジニアとして思うことが膨れ上がりました。

やっぱり基礎は重要だなと言うこと。

ITの基礎と言えば、わたしの時代は Computer Science や Software Engeneering が主体でしたが、今ではさまざまな基礎学習コンテンツが生まれています。

これは、しょっさんの考える ITアーキテクトとしての学術的ケイパビリティの一部をまとめたものです。わたしは、ITエンジニアには絶対に基礎理論が必要だと考える老人の一人です。

ITアーキテクトに必要な学術的ケイパビリティ

なんで?って言われたら「話が通じないから」です。

基礎的な話も理解せずに AI でコード書いたら動いたよーって言われても。それ自体は動くかもしれないし、コードをより洗練していくことは可能かもしれません。コードの修正も発生したエラーから導き出すことのできる将来はやって来るでしょう。だいぶ来ましたよね。

それでも基礎理論は必須だと考えます。いえ、きちんとAIを利用するために基礎理論こそが全てです。

実際にシステムを動かすためには、プログラムだけではどうにもなりません。クラウドだろうがなんだろうが、そのコードを動かすためのハードウェアとネットワーク、ミドルウェアにデータベースがあります。セキュリティだって考慮することが大前提です。

ITアーキテクチャの設計思想に合わせて、インフラから末端のコードまで一人でできることは限られますが、知ることは可能です。そして、現時点では AI で全てを「安全に」生み出すことは不可能です。何故なら複雑な難易度全てを実現できる能力や、そもそもの重要な知見は外に出ていないから。

ちょっとした Webサービスならどうぞ好き勝手してくださいなんですが金融業やヘルスケアと言った国を動かす根幹だったり、人の生命を左右するITシステムにおいて、全体が把握できていないことは国の破綻と人の生殺与奪をAIに握られるシャレにならない世界へと突入させます。

うまく動いている間はいいのですが、ハードウェアは必ず壊れるし、ネットワークは到達しないことが普通です。むしろ、ここまで Internet を信用して扱う世界は危険極まりないです。言ってみればボランティアネットワークですよ。ベストエフォートなのに、そこに全信頼を寄せているユーザは大量にいますよね。わたしもそのうちの一人になっていますけど。

ハードウェアなんてものは、期待した通りには障害が発生しません。想定していない謎の動作を引き起こします。そんな時、分かっていないコードで対処できるのか。AI ですら想定外のことだらけでしょうし、ハルシネーションも必ず起こるものです。

人だってまちがいは起こしますが、人間のもつ経験と体験は実は強いです。全体を把握できることのできる能力と過去の経験から、予測できない障害の真因に辿るつける人がいます。たどり着く時間と、復旧するための時間が生死を分けるかもしれません。実はこのあたりは、経験を重ね、全てを把握することのできる達人でしか成しえない境地だと考えています。ここに至るに必要なことは「基礎」です。

わたしは、もうとんと覚えることの苦手な老人代表です。でも第一線で若者をリードできる能力があります。最新のテクノロジーだってさわりを知れば理解できます。だって基礎を知っているから。

応用したり、長い年月を生き抜いていくためには、基礎こそが要です。今でも最新のテクノロジーで遊んで自分の家で実現してみたり、実際の業務でも利用してみたり。これらは全部コンピュータの動作原理を知っているからできることです。ネットワークも然り。

(ほぼ)全ての ITサービスはネットワークを介して提供されています。少なくともネットワークくらいは分かっていなければ商売できないです。お願いだから、エンジニア同士、言葉が通じるようになって欲しいと願っています。

何度も言うけど、ホントお願いだから、フレームワークの使い方じゃなくて動作原理を知って欲しい。老人からの願いです。

10年目の抱負

後進の育成です。

もうホントそれ。私を同じ仕事ができる人を創り上げます。AI に惑わされない仕組み作りと学習のお手伝い。

もうそろそろ隠居ですね。

そういえば、注文していた ATH-R70x 届きました。嬉しい。

Audio-Technica 久しぶり。かっしホン以来。

まだタイムセール中だね。

折角だから干し芋載せておきます。


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