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認知症の義母と刃物。危機をスマホで回避した日

そして包丁の刃の音が聞こえる

同居中の認知症の義母から襲撃を受けるようになったアラフォーDINKSの私。

先日、こちらの記事に書いた方法でドアをロックできたから、すっかり安心だと思っていた。

夫が「このままだと母ちゃんが刃物を持ち出してあなたを襲うかもしれない。包丁を隠しておけ」と言って出社した日もすっかり聞き流し、在宅勤務でオンラインミーティングに入っていた。

会議が終わり、部屋の外、居間から聞こえてきたのは包丁の刃が擦れる音。普通聞こえるはずのない、刃物の音がシャッシャッと鳴り響いている。

義母は料理はしない。では何を‥?

この扉を開けるのがこわい。
でも何をしているのか見たい。

「包丁は隠しておけ」
夫の声がぐるぐる頭の中を駆け巡る。

緊張で血圧が上がる感覚。しかし意外と回る頭。
子どもがコロナ罹患し、自宅待機中の義妹に素早くLINEした。

義妹との連携プレイで危機回避


お義母さんにスリーコールかけて出たら切って!

義妹
ん?何があったの?


お義母さんが包丁を、、

義妹
包丁?!何?大丈夫?!


わからないから囮になってほしい

というやり取りののち、遠くの義母の部屋からコール音。

同時にドンガラガッシャンという音とバタバタと部屋に入る義母の足音。でかした義妹!

なぜかいつも電話はとにかく取りたい義母。
しかしスマホの操作が難しく取れない義母。

その間に現場に駆けつけると、 やはり包丁がおもむろにテーブルの上に置いてある。

お義母さん、なぜ‥

すっかり電話に気を取られている義母を尻目にひとまず包丁を棚の中に隠す。

改めて様子をうかがうと、襲撃されるときの獣の目ではなかった。

ほっとひと息つく私。

「ここにあった包丁、危ないですね^^ 何に使おうとしていたんですか?」

「ペットボトルの蓋が開かん。おかしい(怒)」

えっ、、包丁でフタをこじ開けようとしてたの?
それはそれでやっぱりホラー。
いやスプラッタか。

日夜問わず義母から襲撃されることで精神をすり減らしていたその時の私にとっては笑い話にならないくらい怖かったが、それにしても‥まさか夫から包丁を隠せと言われたその日に見事な伏線回収があるとは。

事実は小説より奇なり

もはやこれはコントかと。泣き笑いです。 包丁‥襲われる心配はもちろんだけど、本人も怪我をする恐れがあるのか!とショックでした。

自分の甘さや無知さに肩を落としつつ、我が家の包丁や刃物をすべて仕舞い込んだのでした。

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