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“パシられ遊び”とありがとう

「いっちょー」と叫び、なんでも一緒にやりたがっていたこうめ。
最近は、“パシられ遊び”にハマっている。トトとカカの、パシリ。
これが、こうめの急成長を生み出すなんて。

トトが食器の洗い物をしていると、

こうめ「あわあわ!いっちょー!」

と、真横に走ってきて、
手の動きを真似て遊んでいた。

全ての皿を洗い終わろうとしていたある日、
テーブルの上に、牛乳の飲みかけが入ったコップと、カカのアイスの殻に入ったスプーンが目にとまる。
手は文字通り、あわあわ状態。
真横にはこうめ。

トト(心の声)
「こうめが持ってきてくれるようになったら
すごい楽なんだけどなー」

そう考えながら、まぁ無理だろうと、
諦めかけたその時、

トト(心の声)
「あれ?勝手に諦めようとしてるけど、
もしかしたらできるんじゃない?」

トト
「ねーねーこうめ、
トトのお手手アワアワだから、
あそこにあるスプーンとコップ
持ってきてくれないかな?」

こうめ
「あわあわ!」

トト
「うん、トトあわあわだね!
あそこにあるコップとスプーン見える?
トトあれもあわあわしたいなー こうめ、
コップとスプーン持ってきてくれる?」

こうめ
「いいよっ」

トト
「??」

会話になってる。ただ、持ってきてくれるかどうかはまだ分からない。
手伝いたい衝動と、
牛乳をぶちまける不安を押し殺し、
見守ることにした。

まず手に取ったのは、アイスの殻。
スプーンが転がり床にダイブ。
その音を気にもとめず、
殻に残ったアイスの汁をガン見している。

ペロ。
「あまーーい」。

まぁ舐めるよね。そりゃ舐めますよね。
でも、それでも放置してみる。
すると、落ちたスプーンを拾ったこうめ。
そのままトトのところにダッシュし、

こうめ
「プッチューン!」(スプーン)

と手渡してくれた。100点満点!!

トト
「スプーン持ってきてくれたの!
ありがとう!トト助かる!ありがとう!
もう一個、牛乳の入ったコップも
持って来れるかな?」

ありがとうと言われ、ご満悦のこうめ。
一目散にテーブルに戻り、
手を伸ばしたのはコップ!

トト「コップ分かったねー
こぼさないようゆっくりゆっくり」

コップを持って走りかけたこうめはその言葉にピタッと止まり、ゆっくり、そーっと歩いてくる。

こうめ
「じゅうにゅー!」(牛乳)

パシリを完璧に成し遂げたこうめ。パシリになればありがとうと言ってもらえるのが嬉しかったのか、それからは、何かお手伝いない?
という目でいつも見上げてくるようになった。

オムツを取り替えた後、
「これ捨ててきてくれる?」
「いいよっ」
「ありがとーー!!」

着替えの前も、
「お洋服持ってきてくれる?」
「いいよっ」
「ありがとう!」

しまいには、
「マッサージしてくれる?」
「いいよっ」

服の弾力にようやく勝てたくらいの
かすかな力で、精一杯腰を揉んでくれるこうめ。心の底から、こうめに「ありがとう」と
伝える機会が増えてくる度に、彼女の成長も加速しているように感じる。

さぁ、これからも積極的にパシッて行こう。

こうめ、いつもありがとう。

#エッセイ #育児 #子育て #パパの子育て #子どもの成長 #ありがとう #note #大人になったものだ

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