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ロンドンで何だかよく遭遇するようになった英語表現の話

ロンドンに来るまであまりイギリス英語・アメリカ英語を意識して勉強したことがありませんでした。これまで日本の英語教育しか受けたことがない自分は、基本的にアメリカ英語を基準に英語を勉強してきました。しかしロンドンで普通に生活しているとやはりこれは何だと思う表現・単語に出会うことが多々あり、実はアメリカ英語ではあまり使わないというようなものを見つけるのがとても面白いです。

日本の友達や過去の同僚とかとやりとりをしていると「イギリス英語になった?」と聞かれることが時々あります。自分は留学中の日本人としては比較的英語を喋る生活をしているとは思いますが、それでもおそらく1年程度の滞在でイギリス英語のアクセントになることはないでしょう。自分のアクセントはあくまでもアメリカ英語をベースとした日本人英語学習者のアクセントで、特にイギリス英語のアクセントを真似する努力はしていません。しかしイギリス英語でよく使われる表現に関しては、特に意識せずに使うようになっている気がします。例えば、標準語ベースで基礎を学んだ日本語学習者が関西に1年間住んでも多分ゴリゴリの関西弁にはならないとは思いますが、飴のことを「あめちゃん」と言うようにはなるかもしれません。そんな感じですかね。知らんけど。

ということで自分がイギリスに来て学んだ表現をまとめてみようと思います。
イギリス英語を紹介するのが目的ではなく、それってイギリス英語じゃないよ、とかイギリスでなくても使うよってものも混ざっていると思いますが、自分の備忘録的なものなのでご容赦くださいませ。

*カバー写真はパディントン駅の駅構内にあるパディントンベアの絵が描かれたベンチです。このベンチと、近くにあるパディントンベアの銅像と一緒に写真を撮るのが定番です。


日常会話

All right / Alright

日本人にとって会話の最初に "How are you?" って言い合うのって慣れないですよね…。この御機嫌よう?という表現ですが、イギリス英語には "All right?" というものもあります。最初「大丈夫?」って心配されてるのかと思いましたが、単純に "How are you?" 以上の意味はなさそうです。"How are you?" に対する返事は、"I'm fine thank you, and you?"と日本の英語教育では学ぶわけですが、"All right?" と話しかけられたら、"All right" と返して良いです。すげー楽ちん。ちなみにスペルはAll rightでもAlrightでもどっちでも別に良いみたいです。

Cheers

カジュアルな響きの「ありがとう」です。例えばお店で買い物をして支払った後に店員さんから結構な頻度で "Cheers!" って言われます。ただしThank youを使わないわけではもちろんなく、ローカルの友達と喋っていても頻用しているわけではないと思います。もちろん乾杯〜としても使われますが、そこはその場の文脈でわかるはずです。

Mate

How are you文化の英語表現の中には、"What's up, bro?" みたいな表現があり、特に男性どうしの親しい間柄でよく使われるわけですが、このbroのところがよくmateになります。友達にブローって言われるたびに、いつからお前のブローになったんだよって0.5秒くらい頭の中でつっこんでしまいます。その一方でmateなら、ちょっと上品な感じがして、響きも好きです。日本語脳的にはあまりに慣れないので自分から使うことはありませんが…。

Cuppa

さすが紅茶文化の国、cuppa = a cup of teaのことです。河童ではありません。

Brilliant / Brill

すごい!めっちゃ良いね!みたいな時に使い、結構頻用されています。なんとなく女性的な響きがあるのかと思っていましたが、男女問わず結構使われています。イギリス人とのテキストベースのチャットではBrill!!!みたいに省略もされてます。

Fair enough

確かにね、なるほど、わかる〜、みたいな感じでしょうか。何か説明や理由を聞かれて、頑張って答えて、その後にご理解いただいた時とか腑に落ちた時に言われることが多いです。ネットで検索するとイギリス英語の表現と紹介されていることが多いですが、ドラマとか映画とか観ててもアメリカ英語話者でも結構使ってる印象があります。便利な表現なのでサラッと使いこなしたいと思っていますが、サラッと言おうとすると地味に発音が難しいです。

Fancy

形容詞のイメージですが、動詞・名詞としても使われます。形容詞だと高級な・洗練された・すてきなって感じでしょうか。自分の通っているパリピジムのことを私はよく友達にfancyでwell-equipedと伝えています。動詞だと「〜したい」という意味で使われます。"Do you fancy a cuppa?"と聞かれたらお茶を飲みたいかどうか聞かれています。名詞としては「気に入っているもの」みたいな感じでしょうか。私は形容詞としてしかまだ使いこなせていません。
最近終わってしまいましたが、個人的に大好きだったpodcastのタイトル、UK vs US: Fancy an English Battleのfancyは動詞で、アメリカ英語とイギリス英語でバトってみない?みたいな雰囲気ですかね。

Posh

辞書では「上流階級の」と書かれています。ガチの階級社会が残っているイギリスらしい表現です。日本語だと「ハイソな」が一番近い気がしていて、なんかハイソな物・人・場所などに使われます。ビクトリアベッカムはスパイスガールズ時代、ポッシュ・スパイスと呼ばれていました。英語の発音・アクセントにもPoshなアクセントというのがあるそうで、ボリスジョンソン前首相なんかが有名です。

Londoner

文字通りロンドンの人のことですが、生まれも育ちもロンドンの人のことを指しているっぽいです。江戸っ子的な。ニューヨーカーとかはよく聞きますが、ロンドナーってあまり使ったことがなかったです。生まれも育ちも東京の人って何ていうんですかね。

インフラとか場所とか

Loo / toilet

日本語でトイレのことをお手洗いというように英語でもbathroomという表現がありますよね。イギリス英語ではbathroomは全然使われなくて、ちょっとトイレ行ってくるわ〜って時にtoiletって男女問わず直接的に言います。そしてイギリスに来るまで見たことも聞いたこともなかったlooという単語ですがこれもトイレのことで、ものすごく使われます。Pubとかでもトイレこっちだよの意味で「←loo」みたいな表示をよく見かけます。

Lift

エレベーターのことで、イギリス英語ではliftとしか言いません。日本の筋肉界ではLYFTというアパレルブランドがあるように、なんか重いものを持ち上げるリフトもしくはパワーリフター的なイメージしかありませんでしたが、最近は慣れてきました。

Tube / Underground / Overground

地下鉄のことはmetroではなくtubeと言います。街中を歩いていて見かける地下鉄への入口の表示にはundergroundと書かれています。そして地上を走る近郊路線でOvergroundというのもあります。

地下鉄のBank Station駅への入口(左下)。シンプルなロゴですが私はロンドンっぽくて好きです。
シンプルでモダンなロゴですが、じつは1920年頃から使われているそうです(ソース)。

Uni

ユニと発音し、大学のことです。普段の会話でもものすごく使います。ちなみにイギリスの義務教育は日本やアメリカとはちょっと違います。

英国の義務教育は、5~16歳の11年間(Y1~Y11)です。初等教育はプライマリースクールと呼ばれ,5~7歳対象の前期課程と7~11歳対象の後期課程に分かれることが多く,両者は1つの学校として併設されることが一般的です。
中等教育はセカンダリースクールと呼ばれ,11~16歳までが対象です。

外務省HP

アメリカだとCollegeは単科大学、Universityは総合大学というイメージだと思いますが、イギリスではCollegeというとセカンダリースクール修了後にUniversityに行く前の高校、専門学校のような側面を持っているようで、イギリス人に言わせると両者は全く別物だそうです。そんな中、私の通うImperial College LondonはUniなんですが、歴史的に複数のCollegeが集約されて、その後ロンドン大学から独立して出来たためにその名を残しているようです。ややこしい。

Bin

ゴミを捨てる(動詞)、ゴミ箱(名詞)として使われます。同様にゴミ袋のことはbin bagだし、ゴミの日はbin day、ゴミ収集車のことはbin lorryと言います。動詞としてだと、「それ捨てちゃった」っていう時に "I binned it." なんて言います。

食べ物

Aubergine

ナスのことですが、ナスって英語で何て習ったっけって思いませんか?アメリカ英語ではeggplantといいますが、そもそもあまり馴染みがなかったので、イギリスのスーパーでaubergineは割とすんなり受け入れました。その後、ふとeggplantじゃなかったけ?と思って調べて初めて米英で違うことを知りました。

Pak choi

これ別にイギリス英語とかでも何でもなくて、ただのチンゲン菜の英語です。明らかに見た目は違うのに、私は最初パクチーだと思っていました。関連してほうれん草はこちらでは葉のところだけがサラダ用に売られていて、茎つきのものを見たことがありません。ほうれん草のおひたしが食べたいのに葉だけだと物足りません。

courgette

どうみてもお前ズッキーニだろって見た目の野菜がcourgetteという表示で売られていて、これもイギリス英語であることを知りました。アメリカ英語だとzucchiniです。

Rocket

日本語だとルッコラ。アメリカ英語ではarugulaだそうで、ルッコラってどこから来たんだよって思いましたがイタリア語なんですね。

Spring onion

ネギのことで、アメリカ英語ではscallion。こちらのスーパーで見かけるspring onionは日本の「小さいサイズ」のネギです。長ネギサイズのものは見かけません。日本に行ったことのあるイギリス人がspring oninonがめちゃデカくて思わず写真撮ったって見せてくれたんですけど、これは長ネギだよって教えました。

Chips

イギリスの代表料理フィッシュ&チップスのチップスですが、イギリスではいわゆるフライドポテトのことをchipsと言います。いわゆるポテチのことはcrispsと言います。

終わりに

語学学習に終わりはありませんが、生きた英語に日々触れながら勉強できるのは楽しいですね。本記事はこれからも見つけた英語表現を適宜追記していこうと思います。


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