■東証の低PBR改善要請の勘違い
低PBR、そして低ROEになったのは、市場規模が小さくなったからでも、利益額が減ったからでも、日本企業株が魅力がなくなったからでもない。
これは、リーマンショックが再度発生した場合でも倒産しないための生き残り策であり、毎年企業が余剰資金を作り、内部留保(純資産)を増やしてきたから。
そして、近年はその恩恵(節税不可)で税収も上がっている。
(もちろん花火を打ち上げ盛大に風呂敷を広げる税金を払わない目立ちたがり屋さんもいるが)
これを改善要求すると言う事は、リスクを増やす事、そして税収が減る事にもなる。
日本企業は、2008年の秋に発生したリーマンショックから何とか立ち直った後、2010年度には250兆円だった内部留保(現金の話ではない。純資産)を毎年増やし続け、2020年度には、たったの10年で500兆円までになった。
当時、労働者達も「二度と御免だ」との意識が強く、誰も文句は言わなかった。最近では「喉元過ぎれば熱さを忘れる」で文句を言う人が増えた状態。
純資産が2倍になり、市場規模やシェア、そして利益額はそのままなのだから、PBRは半分になるし、ROEも半分になるのは当たり前の話だ。
企業体質が強化されたのであって、日本企業が悪くなった訳ではない。
嘘だと思うなら、長期ホルダーならば、自己所有株の10年前の財務状況と今を比べてみれば分かる。大抵の企業は当てはまるハズだ。
言われた事、書かれた事を自分の脳で考えずに鵜呑みにする日本人…
ただし、この理解が浸透したならば、株価は上がるのが心理学的経済の奇妙なところ。
(そして、仮に再度、世界経済危機が発生した際、世界で日本が一番復活が早く、競争力も高くなる)
で、じゃあ東証の要望(株価を上げろ!or 純資産額を下げろ!)にはどう応えるのか?と言う話になる。
・純資産を減らす事はしたくない。
・市場規模が大きくなる事は望めない。
・競合他社からシェアを奪う事も難しい。
となると、まずは配当性向を上げるしか方法はないが、どこも同じ事を右に倣えになるので、その次には差別化として絶対額や配当方針を他社より優位に示す事になる。
「アホちゃいまんねんパーでんねん」
補足:
なぜ日本企業ダケが特異な行動を取るのかは、Seretonin Transporter Gene, DRD4 Geneに起因。
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