ダレカガウゴカシテクレル
数ヶ月ぶりにゆっくり休めた日だった。といっても、会議の日程等の連絡を数十件や備品の購入もあったから、完全な休みとはいえないだろう。しかし、結婚してから、妻も子どももいなくて、のんびりできた日は、初めてのような気がする。
10年以上前にブックマークしていたものを眺めてみると、そこには、私の住む地域の廃校になった小・中学校の記事をまとめたホームページのタイトルを見つけた。以前見た時は、小・中学校によっては廃校の校舎、もしくは、跡地の写真が見れたはずだった。しかし、すべてリンク切れになっていた。どうしてなのか、寂しい気持ちになった。
晩ごはんを食べた後、溜まっている書類の整理をしようかと思ったが、なんかやる気がしなかった。いや、いつもはやりはじめるとエンジンがかかるので、やりはじめたら、やるだろうと思いながらも、手を出さなかった。
不思議なもので忙しい時の方が、時間をさいて、「アレをしよう」「コレを終わらせないといけないな」という気持ちになっていた気がする。
今日は、本当に緩みきっていた。こういう日があってもいい気もする。しかし、一方で、できることは早く終わらせないといけないという気もする。
こんなことを考えていると、結局は、私がなにかをするわけだけど、誰かが私を動かしているような気になってきた。誰かが私に動かざるをえない状況を作っている、とでも言えばいいのだろうか。
「誰かから仕事などの依頼を終わらさなくては」。「3日後が役員会だから、議事の準備をせねば」。「子どもが呼んでいるけど、妻は忙しくて無理そうだから、ワシが変わりに抱っこしなくては」。
なんか、こういうようなものに動かされていたんだな、という気がした。そう、「ダレカガウゴカシテクレル」ということだ。
「ダレカガウゴカシテクレル」。この言葉を眺めて思いついた言葉が「ナニカガナニカヲウゴカシテイル」。そう、帆船は風が動かしてくれる。風がなければ、波だのみなのかな。
まぁ、自分のしたいこともたくさんあるんだけど、「ダレカガウゴカシテクレル」っていうのも悪くはない気がしてきた。ワシのことを呼んでくれる子どもと明日は再開だ。どんな反応をするか楽しみにしている。