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偏愛と性癖
自分の愛するものを晒す行為ほど、恥ずかしいものはない。
「偏愛」と「性癖」が同意であるんじゃないか、と思ってしまうほど。
どうして、
どんな具合に、
どう美しくて、
どう愛でるのか
こんなことを他人に話してしまうなんて、浅劣で噴飯に堪えない。
「音楽は何を聴くの?」「好きな人のタイプは?」「苦手な食べ物は?」「趣味は?」正直に答えたことは一度もないと思う。
他人の好きな食べ物なんかどうだっていい。
そんなことよりも、好きでもない人と寝たとか、ファミリーサイズのお菓子を一人でたいらげたとか、希死念慮、元恋人と行ったライブで泣いたとか、急アルで病院に運ばれたとか、純度の低い、静謐ながらも深い「誰かの夜」に触れていたい。
眠れないその場所に私も漂っていたい。
墓場まで持って行く愚劣極まる幾夜を知る方が、その人のことを理解できると思ってしまうから。