探求を深めていくために(マイプロ編)

昨日の続きです。
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探求に向かう子どもを育てるためには?という問いについて。|ころあい小学部|note

「自分だけでは見えなかった世界に目を向ける」
「自分だけではできないことを実現する」
共に生きることを学ぶために、探求の目的をそのように定義してみました。

これを、オランダのイエナプランスクールの校長だったクリス・ヤンセンさんが開発された「ヤンセンの自転車」と紐づけてもう少し整理してみようと思います。

ステップ① 刺激する
ステップ② 問いを集める
ステップ③ 計画する
ステップ④ 探求する
ステップ⑤ 発表する
ステップ⑥ 記録し保管する
ステップ⓻ 学習目標(指導要領)と照らす

イエナプラン実践ガイドブック P70

ころあい自然楽校には、自分で自由なテーマについて探求を進めるマイプロジェクトと、みんなで1つのテーマについて探求を進めるファミリープロジェクトがあります。

マイプロジェクトでは、パン作り、編み物、阪神タイガース、絵画など、自分のやりたいことについて探求をしています。
当たり前のことですが、自分が本当にやりたいことへの子どもの情熱はすごく、自分でどんどんやりたいことを見つけて、やってみる時間になっています。ただこの時間について、ころあいでする意味はなんだろう、家での遊びとは何が違うんだろうと考えていました。

これまでに行ってきた中での実感として、
●他者のわくわくを間近で体感することで、自分の興味の幅も広がっていく。
●一人ではできないことも、友だちと一緒ならできる人もいる。
●友達に認めてもらうことで、もっとやりたいという気持ちが高まる。
などの良さがあるなーと思っていました。
これはどちらも、上にあげた2つの探求の目的と重なっていると思います。
ただこれでは、学校の中(子どもと教員だけ)で完結してしまっています。

ヤンセンの自転車に照らし合わせて考えてみましょう。

①刺激する
マイプロの場合、これは教員が用意しなくてもいいかもしれません。
子どもが日常の中で気になっていることを使えばいいと思います。
月曜日の近況サークルでの対話が、ヒントになるかもしれません。
それがない場合には、その子がどんなことに興味があるのかよく観察し、興味の持ちそうなものと、さりげなく出合わせてあげるのもいいかもしれません。また、のちにも書きますが、ファミプロの中で出会うことも、この刺激となり得るでしょう。

②問いを集める
ここが、これまでに私が一番難しく感じていたことです。
時間が経ってもふわふわのパンを作りたい!
子どもたちに問いはあるけれど、ひたすらレシピを調べて作るなど、いいんだけれども、なんだかもう一歩!というモヤモヤがあったのです。

「自分だけでは見えなかった世界に目を向ける」
「自分だけではできないことを実現する」ということを目的としたとき、

次のことが重要なのかもと思いました。
それは探求の目的をはっきりすること。
誰のために、どんなことをしたいのか。
矢印が自分に向いている場合は、より自分のニーズを探るために、いろいろな先行研究(例えば、すでにあるお店のいろいろなパンを食べるなど)を調べてみて、自分が目指したいものを具体的にするといいかもしれません。
アイデアなのですが、子どもたちのサポーターグループを作って、子どもたちからその人たちに、自分の願いや手伝ってほしいこと、助けてほしいことを発信できるプラットフォームを作るとおもしろくなりそうな気がします。
そうやって学校を中心としたコミュニティーを使って、美味しいパン屋さんを知っている人を探す、美味しいパンを作れる人を探す、そんなこともできるでしょう。近くのパン屋さんや、パン教室を開いている人、とにかくパンに詳しい人につながれるだけ繋がって、できるだけ話をきけるといいなと思います。
また矢印が他者に向いている場合は(みんながパンを作りたいなど)
他者のニーズを調べる事も必要になるでしょう。

本当にやりたいことが、できる限り具体的な形で見えたら、そのための問いも生まれやすくなる気がします。

この時に、違いに着目して問いを見つけるといい気がします。

自分の作ったパンと目指したいパンの違いは。
使う小麦の品種によって違いはあるのか。
天然酵母とドライイーストでの違いは。
焼くときの温度と時間による仕上がりの違いは。

どこに焦点を絞って、何を調べるのか。
大きな問い(ふわふわのパンをつくるには)のための小さな問いを、立てていくといいのかなと思います。

ここまでをまとめると、問いを集めるための教員の働きかけとして、
誰のために、どんなことをしたいのかの目的をはっきりさせる。
そのために、使える人や施設と繋がれるような手助けをする。
目的が定まったら、その目的の達成のために、具体的な小さな問いを出していく手助けをする。
ことが考えられるかなと思いました。

③計画する
④探求する
ここまでできたら、自然と計画が立っていくような気がしています。
いろんな人の力を借りるようにコーディネートする役割が必要になるかもしれません。

⑤発表する
誰かのために探求していた人は、なるべくその人達に向けて発表ができたらいいなと思います。
自分のために探求をしていた人も、得た知識を人に教えてあげることが大切かと思いました。
個人情報の取り扱いには留意が必要だけど、これも学校の中だけでなく、イベントやネットなどを使って、学校の外の人たちにも発信していける仕組みがあると良い気がします。

⑥記録し、保管する。
これまでここが結構適当になって、やったらやりっぱなしになってしまっていました。
探求の過程の計画や、お世話になった人の名前、出典元、探求の結果や発表の様子、発表を聞いた人たちの感想など、ちゃんとファイルに残していきたいです。
そして次に自分やほかの人が探求をするときに、その上に探求が積みあがっていくといいなと思います。

⓻指導要領に照らす
これはこれまで通りに、指導要領の内容をリスト化した学習のマップに、その都度丸を入れていきたいと思っています。

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