救い
どんな本にも音楽にも人にも救われなかった時、
自分で救いを、つくるしかなかった。
泣きながら原稿用紙に文字を書き綴った。かなしみも、くるしみも、全部物語にすることで昇華しようとした。物語の中で、私は何度も恋をしてキスをして結婚してそのすべてを失って、泣いて喚いて狂って自殺した。そしてまた懲りずに、幸せに手を伸ばした。
救いは自分でつくることが出来る。そう気づいた時に感じたのは、
希望だったのか、絶望だったのか。
もう分からない。
でも本当は、ずっと救われたかった。
誰か助けて。
言えない言えない言えない、夜中にいきなりLINEも出来ないし香水のせいにも出来ない。苦しい苦しい苦しい、誰も私を見つけられない。
拒絶されるくらいなら、一人で抱えていた方が良かった。
笑って笑って笑って笑って、誰からも愛されるように、ひたすら笑って笑って笑って笑って、思いつく限り楽しい話を。
でも本当は、本当の私を誰かに見つけてほしかった。暗い部屋で一人泣いている私を。何も言わなくていいから、黙って抱きしめてほしかった。
そんなことを思ってしまえばまた苦しくなることなんて、
とっくの昔から、分かっていたのにね。
一人で生きていくことを選択出来るほど、
私は強くなりきれていない。強くなりたいのかも分からない。
I'm fine, thank you, and you?
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眠れない夜のための詩を、そっとつくります。