迷った挙句の本の虫。
そう、なにか、素敵なことを書こう。
というのも、久しぶりの休みを、よくわからない不安に包まれて過ごして、迎えた今日の仕事。あのウィルスと思しき報告がアルバイトくんから入ってきた。とうとう来たのかと思うと同時に、猛烈な不安が襲ってきた。
昨日の不安は種だったんだなと、気づく。コロナウィルスという脅威が近づけば、日常など吹き飛んでしまう。いつも通りなどあり得ない、何もかもが劇的に変わってしまう。変化に弱い私では、追いつけないどころか、立ちすくんで何もできなくなってしまうくらいに。
案の定、今日の仕事は仕事にならず、終始不安に揺さぶられたまま。指示もこなせず、対策も打てず、この先を考えることもできず。ただ店を回すことしかできなかった。たぶん、本当は、それすらも怪しかったけれど。
このままだと、どうしようもなくなってしまう。それは仕事のことだけではなくて。たぶん、私は現在進行形で壊れていっている。
そんな時だからこそ。後ろを向かない何かを、書ければいいと思った。
そして既に20分くらい経っている。ここで筆が止まってしまうのが私らしいのかもしれない。素敵なこと。無理してひねり出すようなものではないなと、今さら思っている。なので、どうでもいいことを書こう。
本が好きだ。それはもう、生きている理由のほとんどがそれでしかない、というより、それがあるからかろうじて生きていられている。そのくらいには好きだ。ただ、どうにも時間が取れなくて、そして、気に入ったものばかり何度も読んでしまうので、あまり冊数は読めていないのだけど。
ただ、書店に勤めていると、毎日新しい本との出会いがある。やっぱり主なものは新刊で、それが詰まった箱を開けていると、つい、見入ってしまう。そして新刊だけでなく、昔に出版された本でも、私が初めて見るものなら、それは、私にとって新刊のようなもので。こんな本があったのかと、誰かの注文品や、新聞広告や書評で気づく。
私の困ったところは我慢のきかないところで。欲しいと思った本は、すぐに買ってしまう。なにせ、またあとで、と思っていると、気が付けばどこにもなくて、そのうちに思い出せなくなってしまう。あんなに素敵な本だったのに、惜しいことをしたと、今まで何度も後悔してきた。そんな思いを積み重ねたせいか、気になった本は、片っ端から買ってしまう。1か月の本代を数えてみたりするのだけど、目玉飛び出るかと思うくらいの金額だったりした。独り者じゃなければ、とてもできそうにない。いや、それでも、やりすぎなのだろう。なにせ、生活が困りそうな感もある。
そうまでして買った本たちは、正直なところ、読み切れるわけもなく。本棚2つが埋まって、ひとつ増えて、また埋まって、押し入れに入れてみて、今度は床に並べてみて、しまいには、山がそこら中に出来上がる始末。せめてどこに何があるかくらいは、把握したいのだけど、ここまでになると、どうにも億劫で。私が住んでいるのか、本が住んでいるのか。どちらが主か解りはしない。
ここ最近では、雑誌も買うようになった。雑誌は普通の本よりも、一期一会の性質がずっと強くて、買い逃してしまえば、もうそれまでになってしまうことが多い。そのせいか、つい、手が伸びてしまう。「BRUTUS」や「Pen」のような趣味雑誌が多いかもしれない。「Discover Japan」と「自遊人」はつくりが好きで、特に、ホテルや宿泊施設の特集が組まれているとすぐにでも買ってしまう。女性向けではあるけれど「&Premium」はとても素敵な生活雑誌で、増刊号やムックも、とても私好みで。読みたい本は、本当にいくらでもあった。
たぶん、本屋に居続ける限り、金銭的な意味では、楽にならないだろうなと、思っている。御覧の通りの浪費癖、我ながらどうかと思う。
あとはこの素敵な本たちを、どうしようか、いつ読もうか。それを思うと、心が浮き立つけれど、まとまった時間が取れないうちは、きっとこのままになってしまうんだろうなと、自分の行動パターンを知る。できることなら「買ったら読む」習慣を身につけて、出会えたものたちと愛おしい時間を紡いでいけたらなと、そんな風に思っている。
文筆乱れてお目汚し。失礼致しました。
本城 雫
いつも見ていてくださって、ありがとうございます。 役に立つようなものは何もありませんが、自分の言葉が、響いてくれたらいいなと、これからも書いていきます。 生きていけるかな。