天上のバレエ・地上のダンス(70)合格シーズン
大人バレエの生徒は、家族のイベントでレッスンをお休みする時期があります。1か月休んでいたママさんが復帰しました。
(948文字)
合格しました!
息子さんの受験。1か月ぶりに登場の生徒さん。美容クラスでは、いちばん若いママさんだ。
直接、お子さんと関係がなくても「合格」の二文字はうれしいものです。
笑顔の……若ママさん合格なのに、げっそり痩せた。練習着になるとハッキリと。
し烈な受験戦争を、息子さんと突破できて、なにより。保護者の心労やいかに、体重でわかる。
「早く、わかるようになったねぇ」
合否がネットで、すぐにわかる時代になりました。
「封書じゃないの?」
……昭和世代の私たちは、目をまるくする。クスクス……苦笑い。
なんでも速くなった。スピードについていけないことだらけ。
ことしのレッスン、諸事情で全員集合が遅い。それでも生徒や家族、友人知人がみんな無事でした……。
わたしが入会してから、いちばん生徒数がすくない日になった。
レッスンでは、先生の目が届きすぎてヘトヘトに。
「たくさん食べて体力もどしてね」
先生は、若ママさんだけは「食べて」
残りの生徒には、お腹が……背中が……贅肉を指摘するのでありました。
なんとかなる
「通学2時間弱、もっと近い大学をアドバイスしたけど、本人がこの学校しか行かへん、って」
レッスンのあとの更衣室での若ママさんのことば。
「じぶんの意思があっていい、たのもしい、すごい!」
みんなで絶賛する。
おばちゃんたちは、バレエのレッスンは疲れたけど、前向きな話で元気が回復する。さっきまでカラダが重たかったのに。
じぶんにはない。それだけ向上心や、ひたむきさが。
「わたし、息子のお弁当は朝の4時起きやったな」
「毎朝6時には、弁当できてたわ」
みんな、武勇伝が出るわでるわ……。
いつも頑張ってた、あのころ……。
「合格してからが大変やった」
「なんとかなった」
なんとかなった。なんとかなる。
みんな人生、たいあたり。
「バレエは体当たりしたらケガしますよ」
「いたたた、、」だれかの脚がつった。
けいれん、つる~、ふくらはぎ。
先生の鶴の一声で、つる。
バレエは、ツルッと不合格。
いつも こころに うるおいを
水分補給も わすれずに
さいごまでお読みくださり
ありがとうございます。