大阪・甘党喫茶ハマヤさん
ここは大阪市西成区。直球のホルモン焼き……ではなく、変化球の甘味処をご紹介します。甘党のみなさまのハートに、どストライク間違いなしです。
(1821文字)
甘党喫茶ハマヤさん
「甘党喫茶」……なんて甘美な響き。いまや絶滅危惧種かもしれぬ甘味処が西成区にもあるのです。
もより駅は……
●南海電車・萩ノ茶屋駅…徒歩0分
(駅名の由来は「萩の茶屋」があったことから)
なんと、南海電車の高架下。改札口を出たら正面にあります。映画のセットのようなたたずまいでしょ。あなたは、ハマヤさんを素通りできますか?
創業・昭和26年
労働者のまち・西成区。肉体労働の後には、銭湯・ホルモン・アルコール、そして甘味です。砂糖の甘さが欲しくなるのは、頭脳労働の現在もおなじ。
むかしの飲食店は、うどん屋さんのような雰囲気ですね。洋風のお店ができる前の外装・内装は、どこもこんな感じです。
ハマヤさんは、1951年の創業。仲よさそうな2代目ご夫婦が営業されています。
ホールは、やさしい女将さん。厨房は、大将が担当されています。
この呼び名がピッタリですね。
ぜんざい350円
◆お餅・白玉、ぜんざい…各350円。
◆ダブルぜんざい…480円
◆コーヒーぜんざい…380円
お値段にビックリ!なんども何度も見直しました。
ちなみに、いちばん高いメニューは、冬季・土鍋おじや500円。
そのつぎは、冬季・味噌雑煮480円と通年・おじや480円です。
冷やしぜんざいは30円プラスの380円。暑さもあり、冷やし白玉ぜんざいを注文しました。
陶器からキンキンに冷えてます。なめらかな、ぜんざい。おしるこのような。ひらたい白玉にも焼きめ。
いただきます。
砂糖のひみつ
ひとくちめに衝撃が。
この甘さ、ガツンとクセのある砂糖だ。鉄の釘のような引っかかる甘さ。
ふたくち。
まるい浮き輪のような、銀色のわたあめ機械。百貨店の屋上にあったセルフの。あの砂糖。
みくち。
ザラメ! 最初に、わたあめ機械の真ん中に落ちてくる四角い粒の砂糖、ザラメ糖だ!
むかしの、わたあめ菓子のクセのある甘さ。ぜんざいの甘味に使っているとは。
昨今は、上質な甘さや、カロリーカットの甘味料が好まれているというのに。
これは個人の感想です。ノスタルジックな鉄釘のような甘さは、好き嫌いがあるかもしれません。
ザラメ糖は、キザラ糖ともいうらしい。
塩気なら「つけ焼き」
どんな食品も「漬け・浸かる」と、味が濃厚になり、おいしく感じるものです。お餅も例外ではなく。
店内に、醤油のこうばしい香り。
お餅を焼く、醤油のつけ焼き。
じゅわぁ……。
香りもお届けできないのが残念です。お餅を、ていねいに、丁寧に醤油をからめながら焼いている。じんわり、しみこんだ醤油。火であぶられ、もだえたカラダは成熟したお餅。
お餅をチンして醤油をかけただけのふにゃふにゃさに慣れたじぶんが情けない。
ハマヤさんのつけ焼きは、焼きめもフォルムも一期一会の絶品です。砂糖より塩の気分の日にどうぞ。
まとめ・喫茶メニューと和菓子
コーヒーをはじめ、クリームコーヒーやクリームソーダなど喫茶メニューもありますので、ご安心を。
ところてんや、わらび餅。おはぎやきんつばなど、持ち帰りの和菓子もあります。
◆オマケの法善寺◆
おとなりにも注目。「一品料理 法善寺」さん。思わずクスクス。
大阪ミナミ(中央区)に「法善寺横丁」と、ぜんざい店「夫婦善哉」さんがあります。こちらが元祖です。
高架下に並んだ、西成バージョンも是非、ご覧になってください。
道行く人たちも個性的。クセのある鉄釘のようなザラメ糖のような……。
新鮮なガツンとくる甘さ。
むかしから変わらない。
いつも こころに うるおいを
水分補給も わすれずに
さいごまでお読みくださり
ありがとうございます。