フラットな組織の意思決定の難しさ
このまえルール展に行ってきました。
この企画展の最後にあった展示がとても印象的で。
ひとりの髪形を、9人の美容師で話し合い、全員でカットしていく、というムービーでした。
「ここをこう切ったらこんな印象になるんじゃないだろうか・・・」
「でもそしたらこれが損なわれてしまう・・・」
「こっち側はだれが切ろうか・・・」
「ここが重要なポイントだね・・・」
もうやめてくれ。
まるで自分の会議風景を見ているようで、胸が痛くなりました。
強力な意思決定者がいるわけでもなく、ひとりでもできてしまうことを複数人で話し合う・・・。時間的なコストも、精神的な負荷もかかる場面です。
私の所属している組織は、できたばかりのフラットな組織です。役職に差がないメンバーが集まる組織のため、明確な意思決定者がおらず、議論が紛糾してしまうことがあります。フラットな組織で課題に感じていること、そしてそれを解決するには?という目線で思考します。
フラットな組織における課題
誰の意見をどこまでとりいれるか?という点が最大の課題だと思っています。
明確な意思決定者が存在しないため、「この人が納得すればよい」という基準が存在しません。そのため、この意見は重要か?の判断が困難になります。
また、この分野の視点でこの人とこの人、この分野ではこの人・・・と会議の参加メンバーが膨らみます。会議人数が増えることは、多角的な視点で見れるという意味ではメリットです。しかし、共通認識が曖昧な場合は、どの意見を正解にしていいか分からず、議論が紛糾します。
フラットな組織の課題解決策
「個人的にこう思う」という意見を切り捨てることが解決策だと考えています。
感覚的な直感は大事です。しかし、それはあくまで言語化できる明確な根拠に基づいているべきです。そして、そのためには、議論参加者の各々がある分野のプロフェッショナルであり、それを自他ともに認めている、という状況が必要です。プロフェッショナルとは、ある分野に対して十分なインプットがあり、さらに実績も積んでいる、ということです。「この分野ではこんなデータがあるから、それに基づくとこういえる」と客観的に意見を述べることで初めて、採用すべき意見と判断することができます。
また、議論が逸れたときに立ち返るべき会議や成果物の「課題や目的」を明文化しておくことも重要だと考えています。例えば、プロダクトを開発するときは、明確なターゲットとそのターゲットにどんな体験をしてほしいかという目的が存在します。もしそれらが明確になっていたならば、誰かが意見を述べたとき、「それはターゲット目線の意見ではなく、感覚的な一個人の意見にしか過ぎない」ときっぱりと跳ねのけられるからです。そして、その立ち返るべきものは、口頭ではなく、テキストにしてあるべきです。テキストにすることによって、認識のずれが小さくなります(みんながそれを読んでくれてさえいれば)。
こんな感じでしょうか。フラットな組織で議論を重ねられるよう、考えを根拠に基づいて言語化できるように努力したいと思います。
ではでは~~。