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ベビーカーでのお散歩から見えてきたウォーカブルなまちとは?

子供が生まれて今日でちょうど222日。そのうち100日以上子供と一緒にお散歩をしている私が、「ウォーカブルなまち(歩きやすいまち)」について考察してみたいと思います。(産褥期+αを除くとほぼ毎日レベル)

というのも、友達で都市環境デザイナーでもある三谷繭子ちゃんが、「まちなかウォーカブルのヒント」というマガジンを、始めたということで、図々しくも「記事書いてみたい!」と連絡し、繭子ちゃんが「嬉しいです〜ぜひ☆」と神のような返事をくれたことに端を発します。

このマガジンは興味をもってもらえた仲間と一緒に執筆・運営していけたらと思っています。一緒に記事を書いてくれる方も随時募集しています

↑だってこう書いてあったもんね。


そんなわけで。
雨の日以外ほとんど毎日0歳児の子供とベビーカーでお散歩していますので、ベビーカーでのお散歩から見えてきたウォーカブルについて、自身の体験から見えてきたポイントを挙げてみようと思います。

私のお散歩エリアは、杉並区の住宅街。いわゆる「閑静な住宅街」であります。住宅街歩いてなんか面白いことあるの?歩きやすいって?歩きたくなるってなに?

さてさて・・・。まずは定番からいきますよ。

車が通らない道があること・通っても数が少ないこと

ベビーカーでのお散歩は、安全性が一番。なるべく車やバイクが通らない道が安心です。(超定番)
子供が生まれる前に選んでいた道が、今思うと車両の往来が多かったことに気づきました。路上駐車が多いと見通しが悪くて怖いので、それもまたポイントだったり。
この辺りは路地が多いので、宅急便の人たちも大きなトラックじゃなくて、小さな車だったりリヤカーみたいなので頑張ってくれてます。(いつもありがとうございます)

道は細ければ細いほど良い。(災害時に車両が通れない問題はあるのでそこは注意)
ここは車止めもあってなかなか良いです。

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ここはちょっとした抜け道みたいになっているところ。ここを通ると”通(ツウ)”っぽい気分になれるというのもポイント。

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バリアフリーっぽくなっていること

またまた定番ですが、段差の解消ですね。ベビーカーは段差に弱いのです。こういうちょっとした心遣いがあると断然歩きやすい。

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これも優しさがたまらない。この黒いゴムみたいなのが無かったら、段差の乗り越えが微妙に難しいのです。

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方向感覚を失う複雑な道であること

歩きたくなるってやっぱり「ワクワクする」ってことじゃないかな。
じゃあ、何がワクワクするのかと言うと、この先何か楽しいことがありそうと思える、面白いものがあるかも?と想像力が掻き立てられるってことだと思うんです。見通しの良いスッキリとしたまっすぐな道も確かに歩きやすいかもしれませんが、全部見えてるってつまんないじゃん。
さらに、「あれ?ここどこだ?」とプチ迷子になるのも、子供と二人きりで変わり映えのしない日常にちょっとしたスパイスを与えてくれます。
子供に「どっち行こうか〜?」と話しかけながら歩くとコミュニケーションのきっかけになって良いです。(うちはまだ0歳なので会話できるわけじゃないんですけどね。何もないと黙々と歩いてしまうので、こういった小ネタがちょうどいい声かけになります。)

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目的地となる場所があること

毎日散歩していると、今日の散歩はどこに行こうかな?と毎日思っているわけで。
歩くときのきっかけになるのは、行き先である「目的地」。歩くことそのものが目的という場合もありますが、目的地があったほうが歩きやすいと思います。
比較的簡単に目的地となり得る場所としては、公園・児童館・図書館・お買い物するお店などです。目的になるスポットが半径徒歩10分圏内に点在しているというのは、歩きたくなるまちってことになるんだろうな。

これは近所の大きな公園なんですが、右の大きな木の上にオオタカの巣があって子育てしているみたいで。みなさんその姿を一目見たいと集まってきてます。(カメラの本格的度合いがすごい)
「鳥も子育てしてるんだな〜私もだよ〜」と思いながらほっこり見ております。

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こちらの図書館は改装したばかり。子供スペースが充実&清潔で最高。授乳室やおむつ替えスペースもあるので、授乳のタイミングが来そうな時間帯にお散歩するときには重宝します。ハード的な設備の充実もそれなりに大事ですね。

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ま、でも、目的地はちゃんとしたところじゃなくても、何でも良くて。キリンが草を食べてるように見える公園でもいいんです。キリンが食べてる草がちょっと育ってきたな、なんて思えれば。(この話は次のポイントにつながります)

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移りゆくものがあること

なんども言いますが、”毎日”お散歩するんです。
毎日歩いていると、いろんな道を通っていてもやはり飽きてくるものです。何かしらの変化が欲しい。そこで、わかりやすいのが季節です。季節を感じるものの代表が植物などの緑。
ということで、緑が豊かなまちは歩きたくなるまちだなぁとしみじみ感じました。

川辺の梅が咲き始めたり、(梅じゃなかったらすいませんw)

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黄色い花がポツンと咲いていたりすることで、春の訪れを感じたり。

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秋には、子供の目線になって見上げてみると、真っ赤な紅葉だったり、

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逆に地面を見下ろすと、色とりどりの落ち葉。クレヨンで塗ったみたいにカラフルでかっこいい。

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これって、同じものを見ようとしても次の日にはちょっと変わってしまうから、二度と見られない景色なんですよね。限定感というと安易な感じがしますが、緑のある景色には「今だけ」「ここだけ」というプレミアムが付いてます。
それが今しかない子供の成長と掛け合わされると、まじでプレミアムです。一瞬一瞬に価値がある。これがエモいっていうやつですかね。


人の温もりが感じられること

綺麗で整備されたまちも悪くないですが、私にはなんだか冷たくて居心地が悪い。それって自分が関与する余地がないというか、余白がないからつまらないと思ってしまう。
この公園はボランティアの方達がいつも綺麗にしてくれているのですが、楽しんでやってるんだろうなぁというのが伝わってきます。
それって子供にも伝わるんじゃないかな。楽しんでいる大人がいる、楽しんでいる大人の姿を見せることって最高の教育なんじゃないかな。

わざわざ近道を教えてくれたり(親切!手書き!!)

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「綺麗だからさ、花壇を見てってよ!」と言わんばかりの「通行自由です」という表現。めっちゃ通って欲しいんじゃんw

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そこに人がいなくたって、人の体温が伝わってくるってすごく大切だと思います。温もりをシャワーのように浴びながら歩くのって、心地いいですよね。ほっこり。
親がほっこりしてたら、その気持ちは子供にもきっと伝わります。


住んでいる人たちのサービス精神が垣間見れること

先ほどの「人の温もりが感じられること」に近いですが、住宅街のお散歩は、人の家を見ながら歩くことが多いんですよね。そこでやっぱり欠かせないのが、住んでいる人の外へ向けたサービス精神です。

それが何かと言うと、例えば、塀に鉢植えを置けるようになっていて、季節のお花が歩いている人たちの目を和ごましてくれる。(サービス精神満点です)

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こちらのお宅も柵にお花があるんですが、住んでいる中で気持ちが変わったんですよね、きっと。元々はただの外と内を隔てる柵だったものが、この手作りのビニール製プランター?をS字フックで吊るすことによって、外との関わりを作るものになっている。気持ちが外に向いてきたんだろうなと。

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こちらは鉢植えを外に出してます。殺風景になりがちな道が華やかになっているんですが、ここのすごいところは、こちらのお宅だけじゃなくて、周りのお宅もやってるんです。こういうサービス精神って伝染していくんですね。クリスマスのイルミネーションをやるお宅が1軒あると周りも真似するあの現象です。
(道路に私物を置いているってこと?と思ったりもしますが、そこは目を瞑りましょう。もしかしたら私道なのかも。)

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このお宅は、本当に楽しんでいますよね。きっとここには小さな小人さんがいるんですね。小人さん用のブランコや洗濯物が干してあります。たまに変わるので、ついここを通って歩きたくなるんですよね。
子供とここを通るといつも小人さんの話をしています。

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真面目なものだと、こちらには、私設の掲示板があります。

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こうやって、住んでいる人の外に向けたサービス精神が感じられると、迎え入れてくれるというか、楽しんで歩いていいんだなと思わせてくれます。
まだ勇気がないので実現していないですが、これらのお宅の住民さんともし顔を合わせることがあったら、話しかけてみたいなと思ってます。(きっといい人に違いない)


最後に

ベビーカーでのお散歩から見えてきたウォーカブルなまち、ということでまとめてみましたが、いかがだったでしょうか。
喋れない0歳児とベビーカーで毎日散歩する、というのは、実はなかなかの苦行かもしれません。(気持ちよく寝てくれればいいけど泣くときもあるし)
でも、捉え方を変えるとまちがよく見えてくるし、だんだん楽しくなってきます。
「ウォーカブルなまち(歩きたくなるまち)」にはハード的な必要要件ももちろんあるけど、ソフト的な要件も多いと思います。
さらに言うと、「自分でまちを歩くことを面白がれる」人が多くなると、歩きたくなるまち、良いまちになるんじゃないかな〜。
自分のまちがもし「歩きやすいまち」じゃないと思ったら逆にチャンス。
難易度の高い”通な”まちの歩き方に挑戦してみるのも良いと思います。

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岡 志津
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