犬の甲状腺機能低下症は
飼い主さんにとっては、甲状腺機能低下症の50%が誤診って
衝撃な論文かもしれないけど現場からすると「そうだろうなー」って感じ。
「甲状腺機能低下症って言われて薬飲んでます」
って言う人は多いよねー。
当院でも他の病院からこられた方で「健康診断したら、T4が低かったから甲状腺機能低下症って言われて、薬飲んでます」ってことがやたら多い。
甲状腺機能低下症ってこんなに多かったっけ?
と思ってしまう。
甲状腺機能低下症って、偽物の甲状腺機能低下症がやたら多くて、偽物を除外する必要がある。
これがなかなか難しい。
T4測ったら低いから甲状腺機能低下症ってわけじゃーない。
だから誤診が50%あっても「そうだよねー」ってことになる。
甲状腺ホルモンのT4の値って影響を受けやすくて
甲状腺が正常なのに他の原因によって、甲状腺ホルモンが低く出ちゃうことがあるんよ。
それをEuthyroid Sick syndromeって言うんだけど
炎症とか、感染、腫瘍、循環器疾患、貧血、糖尿病、クッシング症候群、腎臓病、抗てんかん薬、ステロイドなどによって
甲状腺ホルモンの値が低く出ちゃうのさ。
それらをちゃんと見極めておかないと誤診しちゃう。
なので、健康診断して、T4の値が低く出たら追加検査して、Euthyroid Sick syndromeを除外して
T4が下がる原因が甲状腺以外になければ、甲状腺機能低下症になる。
Euthyroid Sick syndromeは、多いから健康診断して
T4が下がってる値だけ見て「甲状腺機能低下症ですね。薬飲みましょう」って言われたら
「他に検査しなくても大丈夫ですか?」って聞いてみよう!
それで「大丈夫ですよ」って言われたらここだけの話、病院を変えた方がいいかもよ。笑