動物の息を引き取る
動物が「息を引き取る」と言うのは
動物の息が絶える。
呼吸しなくなる。
旅立つと言う意味だけど
仏教では「息を引き取る」と言うのは「息を引き継ぐ」と言う意味もあって
旅立つ時に宙に吐いた呼気を看取る家族が吸って
息を引き継いで呼吸をしていくと言う気持ちを伝える表現として使われるんだって。
旅立ちは終わりではなく、魂をつないでいく。
命を引き取ってつないでいく。
これは、仏教的な日本独特の言い方なんだって。
そう考えたら、動物の最期はぼくら飼主が、看取って息を引き継いで、いきたいと思うよね。
それができないこと、叶わない時もあるけど
なるべく、ぼくじゃーなくて、飼い主さんに
共に暮らす動物の最後のを吸って引き継いでいってもらいたい。
ぼくが看取った子たちの最後の呼吸は
ぼくが受け取って、他の子の診察に活かさせて、もらってつないでる。
それでも動物としては、飼い主さんにつないでほしかったんじゃないかと思うのさ。
飼い主さんが息を引き取っていくためには、看取りの獣医療が必要になるし
終末期には治す獣医療から看取りの獣医療に
切り替えていくタイミングを獣医が判断していく必要があるとぼくは思ってる。
看取ると言うのは、動物の命を引き継いで、つないでいく意味もあり
なるべく飼い主さんといつも一緒にいる自宅で落ち着いて、安心して
家族に見守られながら、旅立って逝けるようにしていきたい。
それが獣医として、最期に動物にしてあげられることかなって思う。
最期の最後までチューブをつけて延命治療をすることだけが
獣医療じゃーないとぼくは思ってる。