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動物の終末期の判断
犬の14歳の子の健康診断したら、腎臓が悪くなっていて
詳しくエコー検査、尿検査、血圧検査をしてみると慢性腎臓病のステージ3で
蛋白尿が出てて、貧血がはじまっていた。
飼い主さんに慢性腎臓病の説明をして
腎臓病用の食事療法と貧血、蛋白尿の治療をはじめたんだけど、その後からパタっと来院されなくなって
自分の対応が悪くて、他の動物病院に行かれたんだなって思ってたら、1年半ぶりに来院されて
16歳になっていたんだけど、がりがりになってて、体を支えるのがやっとで、目やにもいっぱい出て
認知機能も低下して、遠吠えをしていて、あまりにも変わっていて、びっくりした。
飼い主さんに
「今までどうしてたんですか?」
「他の病院で診てもらっていたんですか?」
って聞いたら
「もう歳だから死ぬかと思って、何もしないで、好きなようにしてたんだけど
まだ、生きていて立てなくなって、遠吠えするから連れてきました」って言われた。
「あの時は14歳でまだ若かったし、歳だからって言う年齢じゃーなかったし
まだ終末期じゃーなかったんだけどなー
あの時から治療をしてあげてれば・・・」
って心の中で思いながら診察して
痩せて筋肉が落ちてしまって、立つことはかなり難しくなってしまったのは、もうどうにもならないので、認知機能の低下による遠吠えの治療だけ開始した。
確かに、犬、14歳、慢性腎臓病、ステージ3、蛋白尿、貧血で検索すると
あまりいいことは書いてなくて、状態的にはよくないようなことが書いてあるけど
それは、一般論でその子に当てはまるかどうかは違うのさ。
元気なステージ3もあればぐったりしたステージ3もあって、それにもよって違うし、その子の状態によっても違う。
健康診断して治らない病気が見つかって
先が見えなくなるのは、わからなくもないけど
せめて自己判断せず、相談してくれてたらなーって思う。
飼い主さんが終末期かどうか、判断するのは難しいなって改めて思ったね。