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【兵庫県】淡路島・成ヶ島 淡路橋立(2024/05/17)

淡路島の地図を眺めていて、目に止まった成ヶ島(なるがしま)。
その形状の美しさに惹かれ、これは行ってみたいとネット検索してみたところ、渡し船がありました。
毎度ながら、どんなところなのか下調べをせず直感に任せて出発です。


由良 生石(おいし)を散策

成ヶ島への船は2ヶ所から出航しているらしい。地図を開いて、「よし、こっちにしよう」と選んだのは成ヶ島の南端が目の前に迫る由良 生石(おいし)。

『道の駅 福良』から国道28号線で淡路島の真ん中を横断するように洲本方面へ。洲本港周辺のリゾート地ぶりに目を瞠りつつ、海沿いの県道76号線『南淡路水仙ライン』でドライブ気分。
道路は広いとは言えないまでも快適だったのですが、生石鼻への分岐から(あと数百メートルというあたり)かなり狭くなった。これで合ってるのか? この先に港なんてあるのか?
観光バスも通れるくらいの道なんだろうと勝手に想像していたので、急に狭くなってヒヤヒヤした。

エトワール生石

GoogleMAPで、あらかじめチェックしていた洲本市由良交流センター『エトワール生石』。「交流センター」って書いてあるから公共の施設なんだろうと想像してたけど、公共は公共でも研修宿泊施設だった。ひっそりとしていて、利用客の出入りもなし。

ここから成ヶ島への渡し船が出てるとネットに書いてあったので、てっきり何かしらの施設があると思っていたけど他に建物はなし。

公衆トイレ

近くに綺麗な公衆トイレがあるけど、駐車場がない(身障者用が1台分だけ)。釣り客などは空き地に停めてました。
地元の方に尋ねると、長時間じゃなければエトワールの駐車場に停めていても大丈夫と言ってもらって、ちょっと安心。

あちこちに「サーフィン禁止」の看板が

散策がてら、ちょっと周辺(生石鼻)を歩いてみました。
海の向こうに成ヶ島が見えます。

大量のひじき!

大量のひじきを積んだトラックが!
堤防で干してました。たった2人で。気が遠くなる。

生石鼻の眼前に成ヶ島

成ヶ島の東側(写真の右側)は大阪湾と紀伊水道の境目、友ヶ島水道(紀淡海峡)。多くの船が行き交ってます。
そのさらに向こうは和歌山県、友ヶ島。

びっしり!

巨大なウチワサボテン、それも赤い花がびっしりついていました!
高さ2mはゆうに超えてました。

お不動様

その隣には、波切不動明王が鎮座しておられました。

弘法大師空海が唐からの帰路、嵐に遭った際に、自らが赤栴檀(しゃくせんだん)の霊木で彫りあげた不動明王に祈願したところ、全身から光を放って荒波を切り鎮めたことから「“波切”不動明王」と尊称されるようになりました。(【高野山真言宗別格本山浪切不動尊別当】南院 に安置されています)

海上安全を願うため、ここに建立されたのでしょうね。

パノラマ撮影

あとになって気がついたのですが…近くに生石公園(展望台や由良要塞 砲台跡とか生石台場跡とかがある)があったんです。自分のGoogleMAPにポイント登録してあったんです。
駐車場が狭いしキャンピングカーでは行けないような道だけど、歩いて行けそうな距離です。

生石公園・生石展望台 | 観光スポット | 【公式】兵庫県観光サイト

さらに、もう1つ。『古事記』『日本書紀』の中に書かれてある、天日槍(アメノヒボコ)の「出石の刀子」ゆかりの生石神社も登録してました。

淡路島 由良湊神社|出石神社

登録しておきながら、まったく忘却の彼方というか… この日もスマホで見てたよね? なんで気づかないの?


新島水産でランチ

ちょうどお昼時になり、お腹も空きました。いつも朝昼兼用で10時くらいに食べるのですが、今日はまだ何も食べてません。
近くに何かないかな〜とGoogleMAPを見てみたら、『新島水産』という鮮魚と御食事処があった。駐車場にキャンピングカーも停められそうだったけど、1kmくらいだから歩いて行くことに。

新島水産

右側の芝生広場のような場所は『COCCA BASE(コッチャベース)』と名付けられたキャンプやバーベキューが楽しめるスペースです。何と1日1組限定の貸切り! 贅沢〜。

生け簀

生け簀に魚や貝類があったけど、たった一人分を捌いてもらうには料金がもったいない。かと言って自分で捌く自信はないし、アラや貝殻の処分も難しいし、…断念。

どれも美味しそう〜

御食事処でランチにします。ここはやっぱり生しらす丼でしょう!

「生しらす丼(1,000円)」と「生しらす丼セット(味噌汁付き1,300円)」どっちにするか迷う。やはりセットかな。

生しらす丼♡

生しらすが! てんこ盛り〜〜〜〜
半透明でキラキラしてます。新鮮です。ふりかけてあるのは白ごまです。
ご飯の上に、海苔とネギもたっぷり。

卵黄を乗せて♡

そして黄身〜〜〜
専用の醤油を垂らして、いただきます!
シャクシャクした歯ごたえ、白身の爽やかな旨味がたまりません。

お味噌汁も魚のアラで出汁がとってあるようで、甘みがあって美味しかったです。満足〜。


成ヶ島渡船(由良支所北桟橋)から乗船

クルマに戻って、渡し船に電話。「出航15分前にお電話ください」って書いてあったのですが、見たところ他に人影もなく、本当に船が来てくれるのかなという不安が的中。「由良港まで戻ってきてほしい」と言われました。
そうだよね、一人のために来てもらうのは心苦しかったし、まぁ仕方ない。

しかし戻ったはいいけれど、どこに停めるのか分からなくて通り過ぎてしまった! 新河口漁港でUターン。

↓こちらの動画は、新河口漁港から由良大橋を渡って渡船場に向かうところです。

動画の最後、停車した横断歩道の右側に『成ヶ島渡船場』の窓口があります。先程の電話を受けた方が立っていてくれました。
「電話くれた人?」
「そうです! どこに停めたらいいですか?」
「この先、右側に支所があって左に駐車場があるから、そこに停めて」
後続車が来なくてよかった。

というか慌ててたから駐車場の写真を撮り忘れてしまった。
「時間に間に合うかな?」という心配は無用だった。わたし一人のために出航。

成ヶ島渡船場

「わざわざ戻って来てもらって、ごめんなぁ。波が高くてよう行けんで」と、しきりに申し訳無さそうに謝られて、こちらも恐縮。

生石からだと往復500円ですが、こちらは300円。どっちにしろ安い!
200円の差で、これはなぁ。戻ってきてって言うわなぁ。
由良からだと、ほぼ真正面! 泳いで行けそうなくらい。

「帰りは何時でもいいから、桟橋に着いたら電話してな」
ゆるい!(笑)

毘沙門天様

桟橋からすぐ、毘沙門天様が祀られてました。なぜ毘沙門天様がここに祀られているのかは分からなかった。

立派なトイレや東屋があり、草刈りもされて、とてもキレイに整備されています。
以前は国民宿舎があったそうです! 現在はキャンプ(宿泊)やBBQなどの飲食も禁止。上空にはたくさんの鳶が飛び交っていて、いかにも食べ物を狙って来そうです。

成ヶ島案内図

成ヶ島は、洲本市由良町由良の東側の紀淡海峡に、南北約2.5kmにわたって砂州が伸びる細長い島。瀬戸内海国立公園の一部。淡路橋立とも呼ばれています。

成ヶ島 - Wikipedia より

海岸線の長さは約6.4km。瀬戸内海国立公園の第2種特別地域に指定されています。

遊歩道

桟橋から時計回りに遊歩道を歩きます。
海の向こうには、先ほど渡った由良大橋が。

手を取り合うような根っこ

この遊歩道がいつ整備されたか分かりませんが、その上を二本の木の根っこが網の目のように覆い絡まりあってた!

木陰は涼しい

写真:左上=イソヒヨドリ。
右上は、ぽっかりと地面が凹んでます。池だったのか?

森の中にガサガサっと走るものがいました。たぶんイノシシ。泳いで来るんだろうな。

成山山上広場

成山(なるやま)山上広場は城址公園みたい。

成山からの風景概要

瀬戸内海の「瀬戸」という言葉は、「狭い門」という意味の「狭門(せと)」が変化したものであるとの説があります。陸地と陸地の間に海が挟まれた海峡という意味です。
(略)
ここ成ヶ島と、目の前に浮かぶ友ヶ島、その向こうに横たわる加太(かだ)の間にも、3つの瀬戸が形成されています。成ヶ島と友の島の間にある由良瀬戸では、早いときで時速6.5kmの潮流が観測されます。
(略)由良瀬戸は深さ197m、加太瀬戸は65m、中ノ瀬戸は118mです。このことから海面が低かった大昔、加太と友ヶ島は陸続きであったと考えられます。

『成山からの風景概要』説明板より
砲台跡

明治29年(1896年)に開設された由良要塞の砲台跡。成山の標高は52mです。

成山と周辺の歴史概要

慶長18年(1613)、姫路城主 池田輝政の三男、池田忠雄はなる山に由良城を築き、淡路国支配を行いました。
その後、淡路は元和元年(1615)に阿波藩領(蜂須賀家)となりますが、寛永8〜12年(1631〜35)に城郭を洲本へ移城(「由良引け」)するまで、由良の地は淡路の中心として維持されました。
幕末になると由良には異国船警備のために高崎台場や六本木台場が築かれ、再び軍事施設が置かれました。
さらに、紀淡海峡を望む由良の重要性は近代化を進める明治政府にも引き継がれ、成山や生石山、高崎に砲台が築かれ、海峡を封鎖する「由良要塞」が構築されました。(略)

『成山と周辺の歴史概要』説明板より
淡路橋立

展望台から見下ろす成ヶ島は天の橋立のよう。

成ヶ島の地形概要

成ヶ島は、紀淡海峡に面した淡路島本当の東沖合約1kmに位置し、南北に約2.5kmの細長い形状をしています。
北端の成山(標高49.2m)と南端の高崎(17.9m)との間は、標高2〜3mの陸繋砂州(りくけいさす/トンボロ)で結ばれています。(略)
成ヶ島は過去に淡路島本島と陸続きになっていましたが、のちの時代になり人工的に北の新川口を成山と淡路島本島の間に開くことで天然の良港として洲本市由良地区が栄えました。

『成ヶ島の地形概要』説明板より
飛んでいきたい

蒼い空、碧い海、緑の砂州と白浜が画になります。

潮干狩りスポット…ではない

ブイで囲まれたところは海水浴場のようです。
かつてはアサリなど潮干狩りが楽しめたそうですが、現在は保護のため禁止されています。

成ヶ島の南端

曲がりくねった砂州のうねりが美しい。

石垣の跡?

行きとは別ルートで成山を降ります。石垣の跡のようなものが点在し、ここがかつて城であった名残が垣間見えます。

黄色と緑っていいよね

桟橋近くの広場まで降りてきました。
可愛らしい黄色い花のじゅうたんが広がり、立派な東屋もあります。

成ヶ島の四季・草花

ハマボウ、ハマサジ、ハママツナなど国の絶滅危惧Ⅱ類にも指定されているような貴重な植物が生育していますが、主だった希少種の花は見当たらなかった。

ホオジロ

ピーチチピーチチチと可愛らしい鳴き声で縄張りを主張するホオジロ。
誰が言い出したのか、その鳴き声は「一筆啓上仕り候(いっぴつけいじょうつかまつりそうろう)」と奏される。

砂州を歩く

灯台を目指して、砂州を歩きます。

写真:右=茂みの中から、にょきっと顔をのぞかせていたこちらの花。
リュウゼツランかなぁ?と思ってたけど、後でGoogleレンズで検索してみたら「キミガヨラン」だった(リュウゼツラン科)。
「君が代蘭」なんて、いかにも和風な名前だけど外来種。

松が生き生きしてる

砂州の遊歩道は正に〝白砂青松〟。

15:14

ふと空を見上げたら月が出ていたので写真を撮ろうとカメラを構えたら、白い二本の筋が。
「何だ? あんな雲あったっけ?」
とファインダーからいったん目を外して見たら「飛行機だ!」
ほんの数秒でベストポジションに現れた。すごいタイミング!
ひとり静かにテンションあがった(笑)

ブイで囲まれた海岸

先ほど成山から見下ろした、由良湾側の成ヶ島海水浴場。

ハクセンシオマネキなどの希少動物も生息しているとパンフレットにも書いてあったけど、ここではなさそう。

大きな流木

砂州の反対側、友ヶ島水道を見渡す砂浜にはアカウミガメが産卵に上陸するらしい。

塩沼湿地

由良湾側の、塩沼湿地(えんしょうしっち)。

ゴミの漂着がすごい

スマホで時間を確認したら、もうそろそろ折り返さないといけない。
今、どのあたりなのか? 地図を広げて見ていたら、くびれたあたりに「これより先、歩道は整備されていません。立ち入りをご遠慮ください」と赤い文字で書かれていた。
毎度のことだけど、どこ見てんだろ。

名残惜しい

灯台まで行けないと分かったので、心残りはあるもののここで引き返します。
立入禁止区域手前まで行きたかったけど、思った以上に遠かった。写真を撮りながらゆっくりペースで歩くから時間がかかってしまった…。

デジカメでズーム

引き返した広場あたりから、デジカメでズームして確認。
軽トラがチラッと見えるから、あそこまで行ったのは間違いない。

もっともくびれてるところ

あそこが「切戸」かな?
あの手前(写真の左側)から立入禁止らしい。

高崎灯台

生石で会ったオジサマは「灯台までクルマで行ける」って言ってた。地元の、それも漁師さんだったのかも。
それか、嘘つかれたか(笑)

淡路橋立の石碑

約2時間、満喫しました。
この間、観光客はたぶんわたし一人だったと思う。草刈り整備してた方以外、誰とも会わなかった。
帰りの船も一人。貸し切りチャーター便みたいな感じで贅沢だったなぁ。

↓成ヶ島の歴史をまとめました↓
慶長16年(1610)|池田忠雄が洲本城を廃し、由良成山城を修築(水軍城)。
寛永12年(1635)|蜂須賀忠英が由良成山城を廃し、再び洲本城へ移す。
寛永から明和年間にかけて、北側の新川口と南側の今川口が切り開かれ、旧湾口が閉じられて現在のような沿岸州(バリアー島)になった。
明治29年(1896)|由良要塞が開設され成山第一砲台、成山第二砲台、高碕砲台が設置された。
大正13年(1924)|要塞の整理により廃止。
昭和23年(1948)|名称が「成山」から「成ヶ島」に改名。
昭和61年(1986)|国民宿舎「成山荘」閉鎖。


GoogleMAPと関連リンク集

成ヶ島渡船発着場 由良支所北桟橋(GoogleMAP)
成ヶ島渡船発着場 生石桟橋(GoogleMAP)

成ヶ島渡船|洲本市
紀淡海峡と由良・成ヶ島 | 淡路島観光ガイド
由良の門・成ヶ島の要塞 歴史さんぽ
【公式】新島水産


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