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和田ながら/したための関係記事

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和田ながらやしたためがかかわっているnoteの記事をまとめました。
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記事一覧

🏊‍♀️CRAWL🏊‍♀️レクチャーシリーズ|レポート「決める係、会うことの自由形」(講師:和田ながら)【前編】

「演出家」とは「決める係」なのかもしれない、という思いから付けられた「決める係、会うことの自由形」というレクチャータイトル。「決める」をキーワードにして「企画者」とはどのようなものかを探る。 和田ながらさんのこれまでの活動 和田さんの演出家活動の特徴のひとつは、舞台芸術以外の分野を専門にしているアーティストらと、共同作業をして演劇作品を作るというプロジェクトに多く取り組んできたこと。専門にしている分野で、作品を作る方法論は違ってくる。その感覚を探り合いながら制作することは

🏊‍♀️CRAWL🏊‍♀️レクチャーシリーズ|レポート「決める係、会うことの自由形」(講師:和田ながら)【後編】

前編はこちらから! 「決める」≒「演出家」≒「企画者」 演出家=決める係、として話してきました。しかし、「決める」という機能はどこかに必要ですが、それが演出家でなければならない、ということではない。演劇にとって俳優は欠かすことのできない存在ですが、演出家は居なくても演劇はできると思います。だから「決める係」を他の職能、例えば俳優が担ってもいいのです。演出家がいなければ別の人がやる。あるいは個人が担うのではなく、コレクティブが決める行為を行う可能性もあり得る。演劇のスタンダ

公開相談会 Part2 第六回(ゲスト:June Tan氏)レポート - 西尾佳織(鳥公園主宰)

 公開相談会Part2の最終回「海外の事例に学ぶ 作品発表をゴールに置かない活動のあり方と団体の運営」は、ゲストにマレーシアのアーツコレクティブFive Arts CenterからJune Tanさんをお招きした。JuneさんはFive Artsではプロデューサーを務めているが、元々は生物学出身で、映像分野の脚本家、アクティビストとしても活動している。  私は2018年にからゆきさんのリサーチでマレーシアへ行った際に、クアラルンプールにあるFive Artsのアトリエで発表さ

『abさんご』和田ながらチーム・ワークインプログレス観劇レポート|三浦雨林

 こんにちは、鳥公園アソシエイトアーティストの三浦雨林です。  今回は、黒田夏子作『abさんご』の和田ながらチーム・ワークインプログレスの観劇レポートです。公演概要はこちらからご覧ください。  【鳥公園の『abさんご』2022/研究 「近代的な個の輪郭をほどく演技体――『abさんご』を経由して、劇作論をしたためる――」】についてはこちらをご覧ください。 上演地  「『abさんご』の上演をするぞ!」となった時、どこで上演するのかが目下の問題になると思う。果たして劇場で上演

『abさんご』和田ながらチーム・ワークインプログレス観劇レポート|蜂巣もも

 Social Kitchenは10年ほど前に、一度だけ訪れたことがある。その記憶を思い出しながら、烏丸今出川から小道に入ると、寺や古い民家が並ぶ閑静な雰囲気に包まれた。  Social Kitchenの2階スペースは所々配管や鉄の梁が見える素朴で粗削りな内装で、窓からは木が揺れているのが見える。時代を遡らせ、俗世から隔離されているような感覚だった。時間が古いのか、新しいのかよく分からない。その日天候は崩れがちで、上演中も一時圧倒されるようなどしゃぶりも起こった。それぞれが『

『abさんご』三浦雨林チーム・ワークインプログレス観劇レポート|和田ながら

5月11日(水)、三浦雨林チームのワークインプログレスを森下スタジオに観に行った。 鳥公園の『abさんご』2022/三浦雨林チーム・ワークインプログレス https://bird-park.com/works/ab-sango2022/?pid=miura 『abさんご』はこのチームにとって「テキストブック」なのだな、という印象が残った。それは、中学校一年生のときの英語の授業が思い出されたからだった。 たとえば、スクリーンにテキストが映し出され、俳優ふたりと三浦が

【上田】滞在レポート by 和田ながら _ 生きることとアートの呼吸〜Breathe New Life

長野に行ってみたかった  京都で演出家として活動している和田ながらと言います。近年は、上演活動と並行して、地図にまつわるリサーチプロジェクト「わたしたちのフリーハンドなアトラス」の主宰、ひろく関西を対象にリサーチを行うKYOTO EXPERIMENT「Kansai Studies」への参加など、作品としてのアウトプットを必ずしも第一義とはしないリサーチプロジェクトへの関わりも増えてきました。また、木屋町三条の多角的アートスペース・UrBANGUILDでブッキングスタッフとし

【アーカイブレポート】なれそめアカデミー#03 演出・制作のお仕事〜和田ながらさん〜

7月5日。 演出家の和田ながらさんをお迎えして、なれそめアカデミー#03 が開催されました! 今回も参加していた学生視点で開催レポートを書いていきます。 ファシリテーターには、京都を中心に舞台制作を行う渡邉裕史(ソノノチ)。学生の聞き手は新たに、同志社大学に通う山田航大さんを迎えました。 【なれそめアカデミーについて】 オンライントークイベント「なれそめアカデミー」では、主に京都や関西を中心に、舞台芸術やアートの創作現場・環境を下支えする仕事をしている方をゲストに招き

『私の知らない、あなたの声』観劇レポート|三浦雨林

こんにちわ。鳥公園アソシエイトアーティストの三浦雨林です。今回は和田ながら演出『私の知らない、あなたの声』京都版・静岡版の観劇レポートです。上演を見ていない方は、こちら(『私の知らない、あなたの声』戯曲)で台本も販売しておりますのでぜひ。 THEATRE E9 KYOTO 版 (上:観劇日に三浦が撮ったTHEATRE E9 KYOTOの裏の川と月)  この作品はTHEATRE E9 KYOTOでの上演後、ストレンジシード静岡2021での上演と、かなり場所の持っている力が

『私の知らない、あなたの声』観劇レポート|蜂巣もも

 THEATRE E9 KYOTO、ストレンジシード静岡の二箇所で和田ながらさん演出の『私の知らない、あなたの声』を拝見した。和田さんは学生時代から知り合いであり、今までに作品を何度か見てきたものの、西尾戯曲を演出したものを見ることが叶わなかったためとても重要な時間だった。  重要な中には、いくつかの戸惑いともやもやしたものが生まれた。  私がこの一年、うつ病とどう付き合うか悩み、過ごしてきたことが『私の知らない、あなたの声』の演出方針と大きく立場を違えたのかもしれないと考え

【インタビュー】本当に大事なことはあなたの目の前でがおこらない:出演・松田早穂

Continue関連企画 case.2|和田ながら “本当に大事なことはあなたの目の前ではおこらない” https://askyoto.or.jp/e9/ticket/20200721 では終演後に、演出家と俳優へそれぞれに質問を出し合うインタビューを行いました。 俳優:松田早穂(dracom)  出演回:7月14日(火) 19:00 Q1. 大熊ねこさんからの質問 【共通】本番を迎えるまでの準備の段階で、『どうしてもしないでいられなかったこと』を一つだけ教えていただけま

【インタビュー】本当に大事なことはあなたの目の前ではおこらない:出演・飯坂美鶴妃

Continue関連企画 case.2|和田ながら “本当に大事なことはあなたの目の前ではおこらない” https://askyoto.or.jp/e9/ticket/20200721 では終演後に、演出家と俳優へそれぞれに質問を出し合うインタビューを行いました。 俳優:飯坂美鶴妃  出演回:7月14日(火) 14:00 Q1. 大熊ねこさんからの質問 【共通】本番を迎えるまでの準備の段階で、『どうしてもしないでいられなかったこと』を一つだけ教えていただけませんか。 空

【インタビュー】本当に大事なことはあなたの目の前ではおこらない:出演・紙本明子

Continue関連企画 case.2|和田ながら “本当に大事なことはあなたの目の前ではおこらない” https://askyoto.or.jp/e9/ticket/20200721 では終演後に、演出家と俳優へそれぞれに質問を出し合うインタビューを行いました。 俳優:紙本明子(劇団衛星/ユニット美人)  出演回:7月13日(日) 19:00 Q1.大熊ねこさんからの質問 【共通】本番を迎えるまでの準備の段階で、『どうしてもしないでいられなかったこと』を一つだけ教えてい

【インタビュー】本当に大事なことはあなたの目の前ではおこらない:俳優・岸本昌也

Continue関連企画 case.2|和田ながら “本当に大事なことはあなたの目の前ではおこらない” https://askyoto.or.jp/e9/ticket/20200721 では終演後に、演出家と俳優へそれぞれに質問を出し合うインタビューを行いました。 俳優:岸本昌也  出演回:7月13日(月) 14:00 Q1. 【共通】本番を迎えるまでの準備の段階で、『どうしてもしないでいられなかったこと』を一つだけ教えていただけませんか。 「私にとっての本当に大事なこ