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[世界を変えた書物]展。イノベーションは無からは生まれない

10月21日から金沢21世紀美術館で開催されている #世界を変えた書物展 に行ってきました。

勤め先の #金沢工業大学 が所蔵する、科学史上の大発見や発明に関する稀覯本2,000点から140点を展示する人気の書物展。
空間デザインは建築学部宮下研究室の学生が担当しています。

エントランスから知の壁を抜けると、

知の森が広がります。

以下、独断と偏見にはなりますが、何冊かピックアップしてみます。

コペルニクス『天球回転論』1543年初版

約480年前の初版。
グーテンベルクの活版印刷の発明により、それまで手書きで書写されていた本を、たとえ数百冊であっても流通させることができるようになったことで、知識と知識が結びつき、新たな知識が生み出されるといった知の連鎖、いいかえればイノベーションが起きました。

つまり現代のインターネットに匹敵する革命だったわけです。

こうした知の連鎖(系譜)を学生が立体的にしたオブジェも会場の中央に置かれています。

ガリレオ・ガリレイ『星界の報告』1610年初版
ニュートン『プリンキピア』1687年初版

ニュートンの運動三法則と万有引力の法則を記した記念碑的著作が2冊。

なんとラテン語でロンドンを意味するLODINIの下が3-line(英国外)と2-line(英国内)のものが揃っています。


ヴォルタ『異種の導体の単なる接触により起こる電気』1791年初版


こちらはヴォルタが今日でいう電池の発明を記した本。脱炭素もバッテリーがなければなりたちません。


マリー・キュリー『放射性物質の研究』1903年初版

映画も話題になっているマリー・キュリーの博士論文。

美しい表紙もぜひご覧ください。

レントゲンによるX線の発見は医学に革命を起こしました。

ロバチェフスキーによる『幾何学の原理』。平行線を公準としたユークリッド幾何学とは異なる非ユークリッド幾何学をはじめで論じた論文ですが、現存が確認されているものは世界で数点という超稀覯本です。

ダーウィン『種の起源』1859年初版

誰もが知る進化論の初版があったり、

ワトソン&クリック『核酸の分子的構造』1953年初版

クリック氏のサイン入り。
今日のバイテクノロジーはDNAの螺旋を記したこの論文から始まったと言っても過言ではありません。

NASA『アポロ11号任務記録』1969年初版

That’s one small step for a man, one giant leap for mankindという有名な言葉はこのスクリプトで初めて世に出ました。

今回特筆すべきなのは学生により構成されたこの特別展。
レオナルド・ダ・ヴィンチの手稿からダ・ヴィンチの考えの系譜を紐解いた労作です。

あらゆる自然の行動は自然によって見いだされうるかぎり簡潔な形で生じる

壁には手稿から抜き出されたページがパネルとして張り出されています。

こちらは永久機関に関するアイデア。



鏡の廊下を過ぎると、 

学生がレオナルド・ダ・ヴィンチの頭の中を考察した力作が掲示されていました。

モナリザも、この思考の流れの一端で理解していくと面白いですね。

今回の金沢展を監修された山本貴光氏(金沢工業大学客員教授)、橋本麻里氏(金沢工業大学客員教授)による15分間のミニレクチャー(収録)は大変ためになりました。
おすすめです。

また両氏による公式ガイドブックもオリジナルグッズとともに販売されていました。

ただ会場では現金でしか買えないようなので、月末ということもあり金欠の私はその場でアマゾンで買ってしまいました。

ごめんなさい。
【公式ガイドブック】
『世界を変えた書物: 人類の知性を辿る旅』


[世界を変えた書物]展 金沢展について
https://www.kanazawa-it.ac.jp/shomotu/
 




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