ファンと一緒にブランドを育てるSNSマーケティング実践法②(全文無料公開)
全文無料公開の2回目です!
前回のnoteを読んでくださった多くの方から、
『書籍送って欲しい!』という声を頂いたので、
改めて反響の大きさや瞬発力を感じてます!
それでは、第2回目をどうぞ!
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1章『販売・サービス現場における 顧客とのコミュニケーションのあり方』
売り手と買い手の間には コミュニケーションギャップが発生している
◆アパレルショップでの「声かけ」を絶滅させたい
私は、買い物中に店員さんに声をかけられることが苦手です。
アパレルショップでは、商品をなんとなく眺めているだけで
「どうぞご試着してみてください」
「他のサイズもお出しできます」
なんて話しかけられます。
ハンガーに手をかけただけで商品を見てすらいないのに、そんなふうに言われます。
服を見ているにしても、
単なる暇つぶしでプラプラ見ている人と、
鏡の前で服を自分に合わせて見ている人の購買意欲は
まったく異なるはずです。
そういったことを見極めて、相手に応じて声のかけ方を変えている店員さんもいるでしょうが、多くの店員さんはそんなことお構いなしに、ただマニュアルどおりに声をかけてきます。
私はこれを苦痛と感じ、この習慣を絶滅させたいとさえ感じているのです。
少し前に、あるアパレルブランドが、「声かけ不要バッグ」を導入したことが話題になりました。
「店員に声をかけられたくなければ、お店が用意したビニールバッグを持ち歩いてください」というものです。
ユーザーからは歓迎する声も多かったようですが、私から言わせると、少々ズレてるような感があります。
確かに、お客様の立場に立ったつもりで実施したサービスなのかもしれません。
しかし、よく考えてみれば、声をかけられたくない人は、なんとなく服を見たいだけだったり、下見をして比較検討をしたかったりすることが多く、購買意欲は低いはずです。
それにもかかわらず、なぜ「購入する商品を入れる」ことを前提としたショッピングバッグを持たなければならないのでしょうか。
お客様の中には、「自分ではなかなか選べないから、声をかけてくれたほうがうれしい」という人ももちろんいます。ですから、声をかけてほしい人だけがバッグを持てばいいのではないでしょうか。
こういったことからも、「アパレルショップ側が考える声のかけ方」と「消費者が望んでいる声のかけられ方」との間に、おそらく大きなギャップがあるのだと考えられます。
【店員さんからの声掛けの場合】
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【友人、知人からの声掛けの場合】
◆決まり切ったセールストークはいらない!
これは、家電量販店にも同じことが言えます。
フロアには常に店員さんがウロウロしていて、特定の製品の前で立ち止まろうものなら、画一的で流暢なトークに威圧されてしまうことが多々あります。
家電量販店に来るお客様には、家電について
「何がわからないかすらわからないから質問しづらい」
という人もいますし、欲しい機能がすでに定まっている人や、特定のメーカーに決めている人、価格や機能の比較をしたい人、指名買いをしたい人など、事情はさまざまなはずです。
それにもかかわらず、心の距離も遠い状態の初対面の店員さんが、何の前触れもなく、いきなり詰め寄ってきて、判で押したようなセールストークをしてきます。
こうした対応は、「サービス」といえるものではありませんし、お客様の視点にも立っていないのではないでしょうか。
ただ「売りたい」、「買ってください」というのが見え見えのセールストークをぶつけられることは、お客さんにとって、わずらわしい以外のなにものでもありません。
当の販売員さんたちも、それが最善だと思ってやっているわけではないようです。私は、アパレル会社に営業に行くこともありますし、元販売員だったという方とお話ししたりする機会も多くあります。
そういった方々の前で、私は「店に入ったときの、あの店員さんの声がけ、嫌いなんですよ」という話を率直にします。
すると、皆さん「実は私も声をかけられる側になると苦手なんです」とか、元販売員さんは「申し訳ないと思いつつも、やっぱり声をかけているんですよね」とおっしゃいます。上司や先輩から「お客様が来店したら声をかけなさい」と言われている手前、周りの目もあって仕方なく声がけをしている、という販売員さんも多いようです。
店側は人件費を投じて販売員を配置しているのに、その実態は、ただ売りたいがためだけのトークをしているだけに思えます。
販売員自身も疑問を抱いているし、ためらいもある。声をかけられた我々もうっとうしい。ハッキリ言って、これはすごくムダなことだし、お互いに幸せとはいえないと思うのです。
◆心のうちを察してくれたらいいのに。
「店員さんの『声がけ』をやめさせるべき」と言っている私ですが、もちろん「店員さんに一切関わってほしくない」と言っているわけではありません。
私も店員さんを頼りたいときがあります。私が店員さんを必要としているときは、本当に困っているときや迷っているとき。そんなときこそ、私たちお客の心の中を読んで、行動していくれる店員さんがいてくれたらいいのに……と思います。(わがまま…笑)
表情や仕草からこちらの気持ちを察し、しかるべきタイミングで声をかけてくる店員さんは、「センスがいいな」と感じます。
例えば、レストラン。
注文しようと手を挙げても、誰も気付いてくれない。
「すみません」と大きな声で呼んでも誰も来てくれなくて、彼女を目の前にしてちょっと恥ずかしい気持ちになる……なんてことを経験したことがある人もたくさんいらっしゃるでしょう。
その点、こちらが手を挙げそうなタイミングで目を合わせ、
「すぐ行きますよ」
という合図の微笑みを見せてくれる店員さんがいたら、私はすごく好感を持ちます。
店舗以外でも同じことがいえます。
例えば、カスタマーサポートに電話をしたとき。自分がした質問に答えるだけではなくて、質問の意図を汲んで、その上で回答してくれる人は、すごく心地がいい。
例えば、
自分が「Aですか?」と聞いたら「Bです」とただ答えるだけじゃなくて、「Bです。なぜならこういう理由があるからです」と説明してくれる人。
コミュニケーションがすごく楽だな、と感じます。
先ほどお話しした、アパレルショップや家電量販店も同じです。お客様をしっかり観察していれば、ただ何となく見ているだけなのか、比較検討をしているのかなど、その人が何を求めているかがわかるはずです。
ですから、誰に対しても同じ声がけや接客をしていても通じないのです。
声をかけるにしても「この人は何を思っていて、どういう行動を起こす人なのか」を見極めることが大切なのではないでしょうか。それを意識して店員さんが目を配っているだけでも、対応はずいぶん違ってくるのではないかと思います。
◆コミュニケーション上手は「一歩先」を読んでいる
これまで、ショップ店員さんを例にとってお話ししてきましたが、「心地よく感じるコミュニケーション」とは、ビジネスシーン、例えば営業やマネジメントの現場においても、同じことが言えると思います。
私の心の中を読みながら、私が言っていないことまで汲み取ってコミュニケーションを取ってくれると、すごくやりやすいと感じます。
例えば、取引先の方が打合せのために当社に来られるとき。私が先方の担当者に「何人でいらっしゃいますか?」とたずねたとしましょう。
そこで
「2名です」
…と答える人と、
「2名で伺いますので、大きな会議室じゃなくて大丈夫ですよ」
…と言ってくれる人がいたとすると、後者の方に「仕事のできる人だな」という印象を持ちます。
相手は、訪問人数を聞いているということから、私の次の行動が「ミーティングルームを予約する」ことであると予測し、先回りをして気を配ってくれているからです。
ちょっとした会話でも、こちらが口にしていないことまで汲み取ってもらえると、「なんてコミュニケーションが楽な人なんだろう」と思いますし、非常に気持ちいいものがあります。
こうしたことから、心地よいコミュニケーションをとる力とは
「先を読む力」
と言えるのではないかと私は考えています。
また、相手との距離感にも気を付けなければなりません。
そんなに親しくない人とのコミュニケーションでは、こちらも「なぜこういうことを言うのか」という背景・意図を伝えることが重要だと思います。
よくあるシチュエーションを例にとってみましょう。
さほど親しくもない人から、いきなり
「今週末、予定は空いていますか?」
…と聞かれたとき。
ほとんどの人は、
「なぜ、この人に私の予定を教えなければならないんだろう」
…と不快に思うのではないでしょうか。
「なにかに誘われるのか?興味がないことだったら困るな」
…と、予定が何もなかったとしても「空いている」と即答するのはためらわれるでしょう。
では、言い方を変えて、
「今週末空いていますか?こういうイベントがあって、AさんとBさんを誘ったんだけど、予定があるみたいなんです。もしよかったら一緒にいかがかと思いまして」
…と誘われたらどうでしょう。
同じお誘いの言葉でも、受け手の印象は格段に変わりますし、答えやすくもなります。
関係が深まっていない相手とのコミュニケーションこそ、その背景に何があるのかを伝えたほうが、相手も反応しやすいというわけです。
企業と消費者の間におけるコミュニケーションもこうあるべきだと、私は思います。
誰に対しても同じ言葉をかけるお仕着せのセールストーク、一方的なコミュニケ―ションではなく、受け手の気持ちや背景を考えること。
わずらわしさを感じさせるような接客をすると、受け手は不快に思い、ブランドからはファンが離れる。
結果、誰も幸せになりません。
こうしたコミュニケーションの“歪み”を整えていきたいという想いで、私は株式会社BOKURAを設立したのです。
SNSの普及で変わり始める プロモーションスタイル
◆「誰がどんな意図で勧めているか」が選択の決め手
私が、店頭やコールセンターでの画一的な接客をやめて、相手の気持ちを考えたコミュニケーションが重要だと考える背景の一つに、SNSの普及があります。
SNSには、育ってきたバックグラウンドや現在置かれている環境が似ている、あるいは価値観や志向が似ている人が集っています。
その中で商品やサービスの情報のやりとりがなされているわけです。
つまり、「自分を理解してくれている」仲間から手軽に、スピーディに情報を得られるようになりました。
これには、企業側が「自分都合」で発信する一方的なアピール文句は太刀打ちできないでしょう。
私自身も、買いたいものがあるとき、実際に店頭で手に取る前に、友人や知人に「どこのどんな製品がいいか」を聞いてみることがあります。いわゆる“クチコミ”です。
例えば、しばらく前に、約10年使った洗濯乾燥機が壊れたため、買い換えたことがあります。そのとき、家電量販店やネットショップを訪れる前に、まずはFacebookにこんなふうに投稿しました。
「今使っているドラム式洗濯乾燥機の調子が悪いので、買い換えを検討している。予算は*万円。次もドラム式がいいんだけど、誰かアドバイスをくれない?」
すると、いろいろな人がコメントをくれました。
「うちも調子悪いんだよね、買い換えようかな」
といった感想レベルのコメントもある中で、いくつか具体的なアドバイスも寄せられました。
「うちはA社のを使っているよ。ふんわり乾燥するし、しわになりにくい。ただ、たくさん入れると乾きづらい」
「A社からは、各メーカーのいいとこどりをした製品が出ているそうです」
「家電量販店の店員さんからB社の製品はバランスがいいって聞いて、うちはそれを買ったよ」
「個人的にはC社が気に入ってる。ただ、乾燥のときの温度が高温になり過ぎるとタオルが傷むらしいけど」
中には、自分が使っている製品の電気代についてもダイレクトメッセージで教えてくれる人もいました。
皆が勧めるメーカーがバラバラだったので迷いましたが、私が最終的に参考にしたのは、友人のF君からの「C社がいいよ」という意見でした。
F君には子どもが2人いて、私と家族構成が似ているから、製品に求めるイメージが近い。だから、最も参考になったのです。
そして、実際に家電量販店に行って、メーカー派遣の販売員さんではなく、量販店の販売員さんに相談しました。すると、家族構成をはじめ、いろいろとヒアリングしてくれた上で、「それでしたらC社がいいと思います。なぜなら……」と説明してくれたのです。
それはF君の意見とも一致し、店員さんもこちらのニーズを汲み取った上で勧めているとわかったので、私は最終的にC社のドラム式洗濯乾燥機を購入しました。
こんなふうに、私は、最初に「誰が言っているのか」ということを重要視して購入しましたが、実際にすごく満足しています。
もし、これが失敗だったとしても、私はF君を責めることはないでしょう。この人の意見を選んだ自分が間違っていたと考えるのではないかな、と思います。
◆信頼性の高い情報が得られるのは、
ソーシャルからではなくパーソナルから
こうしたことからも、ネットやSNSにおける情報においては、
「何が書いてあるか」ということよりも、「誰が言っているのか」が重要ではないかと考えています。
今は情報が溢れている時代なので、正直、自分一人では最適な情報を選びきれないと思います。
一昔前は、検索して見つけた情報でだいたい事足りました。
しかし、
今は検索して出てくる情報が膨大すぎて、しかも信憑性が疑わしいものも多い。
検索結果への信頼性は低くなっていると思います。
急速に成長を遂げたグルメサイトが信頼を失いつつある一番の要因は、
「よくわからない人がコメントをしている」
…という点にあるのではないでしょうか。
食への感度や味覚は人それぞれ違いますから、自分が知らない人のコメントは信用できないという人が多いはずです。
だから、私が会食に使うお店を探す際には、社員に聞くことにしています。社員なら、会食相手のお客様のこともわかっているし、私の好みも知っている。それらをふまえて、「この店ならどうかな」と考えてから、教えてくれるでしょう。
単純に「どこの製品がいい」とか「この店がいい」ということ自体よりも、「誰が勧めているか」「誰の意見か」といったことを重要視したほうが、目的の製品やお店にたどり着ける可能性は高いわけです。
つまり、これからの時代は「誰が言っている情報なのか」ということが信頼性の基準になりつつあるのです。
こう考えると、これからは個人の発信力や影響力がどんどん大きくなってくると言えるでしょう。
そのうち、SNSではなくてPNS(パーソナルネットワークサービス)というワードが一般化するかもしれません。
ですから、私自身も個人の力を上げていかなければならないと思っています。
私が運営しているBOKURAという会社、これから立ち上げるかもしれないメディアなどにおいても、プラットフォームそのものよりも、
「運営している人が誰なのか」ということのほうが、はるかに重要になってくるのではないかと考えます。
まずは「この人、この会社が言っていることなら間違いない」という信頼を得て、その上で相手の立場に立ち、気持ちに寄り添うコミュニケーションをとっていきたいと考えています。
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第1章は以上です!
※次のnoteはこちら
次章は、宍戸自身の職歴から感じた色々な想いについて語っている章をお届けします!
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