
『する』決意、『しない』決意
私は訪問在宅医として日々総合診療に携わる傍ら、習慣としていることがいくつかあります。
○毎日の投資ノート記載(各種経済指標および保有銘柄の株価の記録)
○毎週土曜日の空手の稽古
○毎月の雑誌『新聞ダイジェスト』読破
○毎月第一日曜の地域の清掃活動参加
○三ヶ月に一回の『四季報』全銘柄チェック
スケジュールの都合で毎回参加とはいえませんが、これらに加えて
消防団の活動はできる限り参加するようにしています。
今年からは地域自治会の役員にも加わらせていただくことになりました。
疲れた時はできる限り睡眠をとって休むようにしていますが、疲れているわけでもなければ、なるべくただダラダラして過ごすことがないようにしています。
空いた時間は医学書などを読んで過ごしています。
ここも、『だらだらしないように意識している』というよりも、やりたいことを優先順位をつけて行っていると、必然的に『だらだらすることがない』といったところです。
逆に、昔と違って一切行わなくなったのが
『ジュースを飲む』ことです。
ブログの更新も一時期は毎日更新にこだわっていましたが、最近はそのこだわりを捨てました。
私自身まだまだではあるものの、『これをしよう!』と決意して、それをある程度習慣化できるようになったのはここ数年でのことです。
アメリカ留学以前は三日坊主はもちろん、ダラダラして過ごすことなど日常茶飯事でした。
習慣化する上で大切なポイントはいくつかありますが、大きいのは
○機会損失(あることを『する』ことは、他のことを『しない』こと)
○『する』理由(楽しさ、成功体験、外部からの圧力など)
の2つだと考えます。
意識する、しないに関わらず、『あることをする』と決めて実行すれば、それ以外のことはできません。
ダラダラして過ごせば勉強や仕事、読書に時間を使うことはできませんし、勉強に時間を使うと決めれば、それ以外のことはできません。
また、『あることをする理由』というものがいくつも挙げられるのと同様、あるいはそれ以上に『あることをしない理由』をいくつも挙げることは容易です。
『しんどい』、『だるい』、『めんどくさい』、『無理』
やらない理由はいくつでも挙げることができます。
ということは、あることを習慣化しようと思えば、『やらない理由』を上回る『やる理由』が必要になってきます。中には理由もなく、『やると決めたらやれる人』も存在するのかもしれませんが、少なくとも私はそのタイプではありません。
では『やる理由』にはどういったものがあるでしょうか。
○単純にそれを行うことが楽しい
○それを行うことで自分の成長を実感できる。
○やらなければ、親や先生、上司に怒られる。
こちらもいくつも挙げられますが、親や先生、上司が理由の場合、その存在がなくなれば行う理由はなくなりますし、何よりも自主的な理由よりもモチベーションが下がりがちになるのは自然なことでしょう。『やることはやるけどイヤイヤ』といった感じでしょう。
人生100年時代といわれる中、リスキリングなども話題となっていますが、行う理由を外部ではなく自分自身に置くことで、より熱意をもって取り組むことが可能となります。
『興味』や『好奇心』はモチベーションとして最高のものといってよいでしょう。『面白い』、『好き』と思えるようになれば習慣化するのはたやすいことでしょう。
では『面白い』、『好き』と思えない場合はどうか。
その場合は、『自分には出来る』、『人生において役に立つ』と思えることが大きな推進力となります。
私自身、アメリカ留学前は暗記科目が苦手で、理科・社会が苦痛でしかありませんでした。
しかしながら、心理学を専攻にする中で、脳の働きに興味を持つようになり、最終的に生物学を専攻に加えることになりました。
それが医学への興味につながり、現在に至ります。
『やる』理由のコインの裏側にあたるのが『やらない』理由でしょう。
私はある時を境に、ジュースを口にすることをやめました。
きっかけは、患者さんの食生活を指導するために様々な本をよむようになったことです。
ある本の中で、『ジュース1本の中には角砂糖10個以上の糖分が含まれる』といったニュアンスの記載がなされていました。
では『ジュースをやめるだけで摂取糖分は大きく変わるのか?』
とりあえず毎日ペットボトル500mL 1本は飲んでいたコ○ラをやめ、喉がかわいたらジュースではなくお茶かお水を飲むようにしました。
二ヶ月程はあまり変化がみられませんでしたが、その後、周囲の人からも痩せたと指摘されるようになりました。この際、ジュースをやめただけで食事の摂取量や間食の量・内容などは一切変えていませんでした。
半年程経過したときには、体重は5kg減少していました。
その後正月太り(職場では外来診察時は間食を口にする暇などありませんでしたが、自宅ではついスナック菓子や甘いものに手がのびてしまいます)で2kg程もどってしまったものの、その後も3kgの減少分は維持できています。
糖分の過剰摂取は生活習慣病につながりますし、ジュース代を節約するだけでもチリも積もれば山となります。
1日1本150円でも、365日となると54750円となります。10年たてば約55万円です。
私はお酒が飲めないので、それまで浴びるようにといってもいいほどコ○ラを飲んでいました。アメリカ留学時は毎日1.5L以上飲んでいたと思います。しかもコーラのみならず、砂糖入りのアイスティーやオレンジジュースなども飲んでいました。
ジュースをやめただけで5kgの体重減少を実感した今となっては、ジュースを少し口にするだけでもかなりの抵抗を感じるようになっています。
一時は毎日のブログ更新も日課として己に課していました。しかしながら、時間は要するものの、フォロワー数も『すき』の数も増えるものでもなく、コストベネフィットを考えると毎日更新にこだわる必要はないと考え、日課から外しました。
『習慣化するためにはどうすればいいのか?』
そのポイントは『何故習慣化するのが難しいのか?』にあります。
習慣化が難しいのは、習慣化する理由が乏しい(メリットが乏しい)からに他なりません。
あることを習慣化したいのであれば、そのメリットを最大限認識すべきでしょう。
習慣化できないのは、結局『そこまで習慣化することに意味を見いだせていないから』に他なりません。
そこまでメリットを見いだせない行為であれば、それを習慣化するのではなく他の行為を習慣化すべきということなのかもしれません。