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昨日の自分を越えていく
2023年の目標はずばり
『Ony OneでNo.1の総合診療医を目指す!』
です。
医師になり10年以上が経過しましたが、2年の初期研修→一般外科→乳腺外科を経て、今年から訪問在宅診療の領域で働くようになりました。
2022年は職場を変え、専門科を変えと、人生における大きな転換点を迎えたんだと思います。
ちょっと『他人事』あるいは『現実感が伴わない』ような書き方をしたのは、今の職や生活に対する違和感がそれほどないからです。
職場、しかも専門科を変えるのは通常、それほどハードルの低いものではないでしょう。実際に、カルテやモバイル、処方箋の出し方一つをとっても今でも完全に慣れ切ったとはいえない状況にはあります。
特に40代後半に突入した私にとって、通常であればもっと様々な精神的変化があってしかるべきなのかもしれません。
ところが、
大学受験に失敗して数年浪人
バイト経験もほとんどないまま、高卒で社会に
勢いだけでアメリカ留学し、心理学と生物学の二つを専攻
学士編入制度を利用して、地方国立大学医学部に編入・卒業(しかもアメリカ留学時代には勉強しかしなかったという理由で、周囲への迷惑を無視して(皆様、ご迷惑をおかけして誠に申し訳ございませんでした)空手部とフットサル部を兼部)
それなりに忙しかった初期研修医時代
一般外科→乳腺外科への変更
などを経て、環境ががらっと変わること自体への抵抗感や違和感をあまり感じなくなっているようです。
訪問在宅診療では、内科的診療が中心になるのと同時に、悪性疾患等の末期で緩和ケアが占める割合も少なくありません。
緩和ケアに関しては乳腺外科医時代に、個人的に真剣に取り組んできた経験がプラスになっているようです。これは緩和ケアのみならず、本業はもちろん、他の人の気持ちを考慮する際にも活きていると感じます。
この数年も、本業を適当にこなしてきたわけではありませんが、住宅ローンを背負うことになったのをきっかけに、経済、金融、投資、政治などの勉強もするようになりました。
トータルでみれば、本業に関する読書よりも、医学以外でのものが圧倒的に多かったのは間違いありません。
2023年は、勉強や読書を医学中心にしようと思います。
総合病院の外科医であれば、内科はもちろん、眼科や皮膚科など他科の症状は『紹介状を書くので、〇〇科を受診してください』
と言えば、それで事足りました。
病院までこられているので、ついでに別の科によってもらえばいいだけの場合も多く、それほどハードルの高いものではありませんでした。
ところが、訪問在宅診療の場合、患者さんの多くは高齢であったり、認知症があったり、様々な病気のために通院そのものが困難な方々ばかりです。
専門科受診どころか入院加療や精査が必要な場合ですら、ご本人やご家族が「通院が大変なので、在宅でできる限りの範囲でお願いします」と希望されるケースすら存在します。
そんな時に、私一人がカバーできる分野・技術が多ければ多いほど、担当患者さんやその御家族にとってのメリットは大きくなります。
最近は読書をする人の数が減っていると言われています。
本を読む速度は遅いものの、私の場合は読書も好きですし、アメリカの留学経験から、成書を最初から最後まで読み通すことへの抵抗感も平均よりは小さいと考えます。
2023年からしばらくは、医学書中心の生活を続けたいと思います。
ここ数年は、医学書以外の読書が中心という話を上記で少ししましたが、本業以外の知識や経験が本業に活きる場合も数多く存在すると考えます。
特に株式投資に関する書籍はかなり読みました。今も投資成績自体は最悪ですが(本日は少し持ち直していますが、それでも成績は過去最低の範囲内です)、投資で培った
他人に惑わされることなく、自分自身で情報を収集し、自分で判断する
ここだと思うタイミングでは、躊躇することなく決断・実行に移す
失敗した場合は、苦痛からその失敗を忘れようとするのではなく、どこをどう変えていればよりよい結果に結び付いたかを常に検討する(後悔ではなく反省を)
姿勢が、本業だけでなく日常生活にも活きていると感じます。
今回色々考えて、職場および専門科を変えることを決断しました。その際も、他人への相談以上に、自分の気持ちや決断が最重要事項でした。
全てを独断で決定してしまうと、家族の心配は並みならぬものであるはずなので、十分周知徹底はしてきましたが、基本的な判断や決断に関しては全て一人で行いました。
独断と偏見だけだと視野が狭くなり、判断を誤る可能性もあるので、周りの意見などに耳を貸すのは非常に重要です。
ただ、『他人は結局他人』というのが私の基本的な考え方です。
自分にとって大切な家族や友人は必ずしも『他人』には含まれませんが、それでも最終的な判断はやはり自分で行うしかありません。
「みんなそう言っている、やっている」
大切な人に○○して欲しいといわれた
他人の意見に耳を貸すのは重要ですが同時に、それを言い訳にしないこともまた大切です。
みんな言っている・やっているから正しいとは限りません。
また、通常の人がやっていないことをやろうとする場合、多くの人は「そんなの無理」、「できるわけない」と言います。
これは株式投資だけでなく、アメリカ留学・医学部学士編入の際にも何度も様々な人から言われてきたことです。
「アメリカに留学しようと思う」→「それが何になるの?お金もかかるしやめたほうがいいよ」
「医学部学士編入に挑戦してみようと思う」→「そんなの無理でしょ。お前にやれるんなら、みんなやってるよ」
今回、職場を変え、専門科を変えると仮に誰かに相談していたら
「今更無理でしょ。やめといた方がいいよ」と言われていたであろうことが目にうかびます。
周りの意見にも耳を傾けながら、最終的には自分自身で判断する。
少しずつでも、コツコツと幅広い医療知識と経験を身に付ける。
そうすることで、すでにオンリーワンである私(知識自体は古くなってしまいましたが、アメリカで打ち込んだ心理学も役に立ってくることでしょう。こちらも知識をアップデートしていこうと思います。多浪や社会人経験も、今の私を形成する上でプラスになっている側面が多いと感じます。仮に受験や就職で失敗のないストレートな人生を送っていたら、私は医者になることもなければ、薄っぺらな面白みのない人間になっていた気がしてなりません)が、担当患者さんにとってよりよい存在になれるよう研鑽していきたいと思います。