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この本が読めるのはここだけ!?


#このお店が好きなわけ

 私が最も好きな店を一つ上げろと言われると、まず頭に浮かぶのが『丸善 丸の内本店』です。
 
 家から遠いので行きつけというほど通ってはいませんが、これまで訪れた本屋のうちで最もテンションが上がるのはここです。

 好きな理由はなんといっても『圧倒的なまでの取り扱い書籍の豊富さと、興味がなくても思わず手にとってしまうほどの山積みになったおすすめ本』にあります。

 ここで「え!?こんないい本が出てたの!?」と思った後に、地元や職場近くの書店によってみたら、いつもチェックしている棚にひっそりとたたずんでいたというエピソードは1度や2度の話ではありません。

 他の書店だと置かれていても1冊や2冊程度の書籍が、100冊にも200冊にも山積みされており、否が応でも視界に入ってきます。

 自分の目がいかに頼りにならないかということに気づくと同時に、宣伝効果というものの重要性に気付かされる一瞬でもあったりします。

 本屋も売上が大切なので、大概の本屋で山積みにされているのは、どちらかというと「読んでもらいたい本」というより「売れる本」というのが一般的です。

 ここでももちろんそういう本も目にしますが、他の書店に比べると「読んでもらいたい本」がアピールされている印象を私は感じます。

 本屋の雰囲気だけなら、蔦屋書店や神保町の書店などの方が魅力的です。しかしながら、いつ足を運んでも、どれを読もうか決心がつかなくなる程、次々に魅力的な本が見つかるのはここを除いてありません。
 これを買おうと決めていたのに、気づいたら全然予定になかった書籍を何冊も購入し、当初予定していた書籍は忘却の彼方なんてこともザラです。

 ここのコンセプトは"Book Museum"とのことです。

 いつか地元に、ここを超える大型書店を建設したいものですが、どうやったらそんなことが可能になるのでしょうか。

 行政を巻き込めば可能になるのでしょうか。大手ゼネコンを巻き込められれば可能になるのでしょうか。
 もし一人で出資するとすれば一体どれほどの資産が必要になるのでしょうか。
 
 作れるとすれば、本のミュージアムを超える、『本のテーマパーク』としたいところです。
 本があって本を読むだけの場所ではなく、学び、遊んで、食べて、寝る。

 本を読んで気づき、それを生活に活かす。迷えば本に返り、そこに答えがなければ遊びや生活を通じて答えを探す。
 そこは本ができる場所でもあるべきだし、本が日常生活に完全に溶け込んだ世界であるはずです。

 RPGでは魔法の書を購入しただけで魔法が使えるようになりますが、現実は本を購入しても、読まなければ何の変化も生まれません。
 もっといえば、ただ読むだけでも効果は乏しく、読んで自分なりに考えてこそ変化が生まれるのではないでしょうか。

 どんどん書籍や新聞を読む人が減り、書店も減少傾向にあると言われます。
 しかしながら、書籍や新聞を読む人を増やすことは可能だし、読書で得られる知識や経験は、ネットの断片的な情報の『コスパ』『タイパ』と同じ次元で比較されるものだとは思いません。

 どんなに無謀であっても、夢を持つのは個人の自由なので、『無理』と決めつけずに追い求めてみようと思います。

 

 

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