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世界とつながるための物語を(文フリ前夜に追記)
11/23(火・祝)に開催される、文学フリマ東京に参加します。明日です。
今夜の東京は雨。傘を持っていなくて、コートのフードをかぶって帰ってきました。雨は朝までには上がる予報です。楽しい一日になるといいなと思います。
ブース番号アー24、「本多篤史」という個人サークルで参加します。OGPが変ですが、下記がサークル紹介です。
今回の文フリに合わせて書いた新作小説「完全」は、どちらかというと、純文学テイストの小説です。
私の地元、長崎県の西彼杵半島を舞台にした、登場人物が二人しか出てこない物語。
今回もいろんなことを考えて書きました。
ずっと考えているのは、「どうして自分は物語を書きたいんだろう」ということです。別に書かなくたって生きていけるし、誰に迷惑をかけるわけでも、多くの人が楽しみにしているわけでも、お金が稼げるわけでもない。それなのに、毎年なんだかんだで物語を書いています。
これまでは、自分のルーツや体験をなんとか昇華するために書くことが多かったように思います。あの時こうしていたら、もっとこうできていたら、こんな生き方を選んでいたら。ある意味「たられば」を昇華するために書いていました。
でも結婚して、子供ができて、年も取ってきて、変わってきました。影響力は小さくても、拙くても、誰かの考えの焼き直しだったとしても、今、ここに生きる自分が、自分なりに世の中とどう関わっていこうとしているか。そういうことを書きたいと思うようになってきました。
今回のテーマはマイノリティです。
周囲の友人からは変わっていると言われることもありますが、僕は自分をとても普通で幸福だと思っています。なぜなら、"普通であれ”という抑圧を僕は一度も感じたことが無いから。けれど、世の中にはそうでない人がたくさんいる。街を歩くだけで、誰かと他愛ない話をするだけで、抑圧を感じる人がいる。そして僕のように、そういう人がいることを知った途端、狼狽えて何をしていいかわからなくなってしまう人がいる。
自分の知らなかった人々のことをどう受け止めて、どう生きていこうとしているかを、あくまでも自分と同じく、普通の範疇にいる人であろう人の目線で書きました。
あまり語りすぎると作品が陳腐に思えてしまうので、この辺にしておきます。短く端的な言葉よりも物語の方が、僕の考え方をよく映しています。
簡単に結論が出るテーマでもないし、今この瞬間も刻々と変化していく世の中なので、同じことを何度も書くことになるでしょう。その時は今回の作品よりも、もっと誰かの心に深く留まって、勇気や優しさを感じてもらえるようなものになるといいなと思います。
文学フリマは流通センターにて開催されます。お時間のある方はぜひお越しください。お話ししましょう!