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[読書感想文]赤と青のエスキース
赤と青のエスキース
青山美智子(著)
赤と青のエスキース
タイトルに惹かれて購入しました。
表紙買いだったので、恋愛小説だったと、
読み始めて知りました。
読後の感想は、「そういうことか」でした。
タイトル、表紙、裏表紙、登場人物、ストーリー、
全て血のつながった臓器のようだと思いました。
全てがタイトルにつながる伏線でした。
美しい構成でした。
ミステリー小説を読み終えた気分でした。
ここから
個人的すぎる
感想を書いていきます。
具体的なネタバレはありませんが、
何かがズレますのでご容赦下さい。
私は恋愛小説は普段読みません。
だから、恋愛小説だと思わなかったのかもしれません。
赤と青のエスキースの内容に興味があったのです。
赤と青は混ぜると紫になります。
配合を間違うと残念な色になります。
その二色を使ってエスキース?
その二色で❓
しかもエスキース?
勇気ありますね。
そんなことを考えていました。
読んでいくと、
赤と青が対比したり
調和したり
心配通りに濁ったり
溶け合ったり
二色が不透明100%の時や
二色とも透明度の高い時
どちらかの透明度が高くて
どちらかが不透明度100%の時
燻んだり、輝いたりを繰り返して
織りなす一枚のエスキースの
明度と彩度の幅が広く、
そのどれもが美しく、
一話ずつ色が違って、
一話目が原色。
二話目が純色。
三話、四話、五話と
段々に彩度や明度が変化して、
エピローグで一枚の絵が完成する。
素晴らしいエスキースでした。
原色や純色だけで絵は描けません。
混色をするのが一般的でしょう。
しかし、混色によってお互いの
純粋な輝きは失われます。
お互いの色を取り入れることによって、
自分の色が変化するからです。
その代わり、調和が手に入ります。
一見、混色で濁ったように見える色が
原色や純色を美しく際立たせてくれるのです。
若い頃の原色や純色、
大人になって生まれた
ハーフトーン
そのどれもが、登場人物によって生み出された彩り。
赤と青のエスキース
美しい作品でした。
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