海外サッカー編#4 人気スポーツチームを活用したCSR活動
【はじめに】
読者のみなさんこんにちは!
『スポンサー営業マンになりたい素人』です。
今回紹介するスポンサー契約は2019年7月に発表された契約です。その中身について見ていきたいと思います。
2019年7月、トッテナム・ホットスパーFCは、『AIAグループ』と2026-27シーズンまでのスポンサー契約を締結したことを発表しました。
【AIAグループとは?】
香港に本社を置き、アジア・オセアニアで営業している生命保険と金融サービス会社です。
もともとはAIGのアジア部門でした。AIGは06年からマンチェスター・Uのスポンサーでしたが、08年の金融危機の際に米国政府が救済したのを受け、09年で契約は終了しました。一方、経営に問題のなかったAIAはAIGから切り離され、香港を拠点とするアジアを基盤とする保険会社に衣替えをしました。
現在は、アジア太平洋地域の18地域で事業を展開しています。そのポートフォリオには、3,300万を超える個人保険契約と1,600万を超える団体保険契約が含まれています。AIAは極めて優れた成長実績があり、時価総額では世界最大の生命保険会社です。
【トッテナム・ホットスパーFCとは】
イングランドプレミアリーグに所属し、イングランドの首都ロンドン北部をホームタウンとしています。リーグ優勝2回、カップウィナーズC優勝1回、ヨーロッパリーグ優勝2回の経験がある強豪です。2018-19シーズンには、UEFAチャンピオンズリーグでクラブ史上初の決勝進出を果たしました。
現在、アジア最高選手とも言われている韓国代表のソン・フンミン選手が所属していることも有名です。
【契約の内容】
・トッテナムの男子、女子、そしてアカデミーの各チームの胸スポンサー
・アジア地域においてスポーツで健康を促進するプロモーションに協力
・アジア18カ国中7カ国において、チームがアカデミーで独自に確立したサッカープログラムを展開。元選手やチームで実績あるスタッフが常駐して指導。
・2014年から2019年までのユニフォームスポンサー契約をさらに2026-27シーズンまでの8年間延長
・1シーズンあたり4000万ポンド(約54億円)をスポンサー料として受け取ることになり、その総額は3億2000万ポンド(約430億円)となる見込みです。これはプレミアリーグの中で3番目に高額な金額と言われています。
【お互いのメリット】
AIAグループ
・人気スポーツチームを活用しての地域に根付いたCSR活動によって、企業のイメージアップ、好感度に繋がる
・アジア最高選手であるソンフンミン選手が所属しているため、アジア市場での拡大がさらに見込める
・トップチームだけでなく、各カテゴリーでの胸スポンサーをすることで露出機会が多く、広告効果が見込めます。
トッテナム・ホットスパーFC
・莫大なスポンサー費用の獲得(スタジアム建設で負った銀行ローン総額6億3700万ポンドの返済に必要)
・海外でのファン獲得による収入の増大が見込める
・AIAとの活動を通しアジアでの露出を増やすことができる
・Global Principal Partnerとして、AIAとは更なる関係深化とアジア地域でのマーケティング面でのパフォーマンス向上が期待できる
【まとめ】
AIAにとって、このスポンサー契約はブランドのイメージアップ効果は絶大。
アカデミーで独自に確立したサッカープログラムにおいて、公式なコーチ資格を持った元選手や女子U20チームのヘッドコーチを務めたスタッフが、アジアに常駐して同社のために働いています。これらの活動が評価されたこともあり、AIAはアジア保険業界アワードにおいて、『CSR(企業の社会的責任)イニシアチブ・オブ・ザ・イヤー』を受賞しました。
AIAは、2013年に初めてトッテナムのカップ戦ユニフォームの胸スポンサーに就任。その後、2014年にシーズン通しての胸スポンサーとなり、2017年からグローバル・プリンシパル・パートナー(主要パートナー)となっている。
この背景から今回契約を延長したことは、このパートナーシップがAIAにとってかなり満足のいくものであり、効果は大きかったと考えることができます。
また、アジア市場で戦っていく上で、ソンフンミン選手が所属していることも契約延長の後押しになったのではないかと思います。
健康とスポーツにおけるアクティベーションは、今後も注目です。
【引用元】