日記と音楽体験 まふまふさんはいいぞ

 一ヶ月くらい前に急に金髪になっていたバイト先の人、今日見たら黒髪に戻っていた。彼の夏は終わったんだな、と思った。

排水溝が咳き込む度に
世界は少し沈んでいく

 自転車での帰り道、雨がすごすぎてなぜか都々逸ができていた。

 ありがとう、ありがとう……。

 初手の静かに激しい栞。本のページを捲るような優しい声でどうしてあの盛り上がりが産み出せるのか。

 苦しみと怒りが指先に至るまで全身に溢れ出していたサクリファイス。激しいサビからシームレスに「硝煙」の切ない高音に繋げられるの本当プロ。

 いろんな曲の間奏やアウトロに入る「ああ」とか「Ah」とか。曲によって祈りだったり魂の叫びだったりする、言葉ですらない悲鳴が美しくて愛。

 音楽を聴く、ってすごく受動的な娯楽だけど、あの人の声は私を画面に引き込んで、私主体の「体験」に変えてくれる。全部の音を余さず受け取りたくて、体は緊張しっぱなしで苦しかった。ほんとうは今も苦しい。

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