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日記:5月14日,ここで働いていてよかったと思う話

美容院に行った

もしかしたら髪の毛が抜ける治療しないといけないかもしれないんですよね,だから少しずつ慣れていこうかと,まずは長めのショートからと思って

と言ったら美容師さんが なるほどそういうことですね と色々考えてくれて コンフィデンスマンのダー子ちゃんみたいな髪型にしてくれた。

私は12月にこちらに越してきて
それから3か月散髪しなかった

なんだろうね,私
ほんとに人見知りなんだよね,たぶん
柔軟性はあるのかないのか
よくわからないけど
なんか全然コントロール効かない状況だとしても
最後までコントローラー握って放したくないみたいなとこあるんだよね

何の話だろう
まあいい,とにかく,歯科医も散髪も,実家に戻ったときに行こうと思ってたんだけど,歯が痛くなって,がんも分かって

あ,ダメだ,こっちでやらなきゃ,行ったり来たりできる余裕はもうないぞ
みたいな気持ちになって

それで歯医者探して,美容院も探して,ついでに初めてひとりでお寿司やも行ったりして

自分でこっちでの猫地図を拡げはじめたというわけ
それで,どうなったかというと
本当に,ひとりで猫地図を拡げるってなかなか楽しいことだったんだよね
私は私で,誰の何でもない
ひとりで札幌に越してきて,研究者で,心理士で,女性で,歯が痛い,がんだけど元気な私なんだよね

その,何にもそれ以上の意味付けをされない自分でうろうろしはじめたというのがですね,自分には,なんだか快適で

どういうことかよくわからないけど,
わたしは歯が痛くなることや,がんが出現することをきっかけに
私は何かのふりをするのをやめて
自分らしく居られるようになってきたのではないかという気が,さいきんしてるんだよね

仕事については
私,この仕事すきだなあと思うの,何でなのかなと思うけど
コーホート研究って,多くの人の人生に伴走するようなところがあって
研究に携わるみんなにも人生があって
人間が人間のことを調べている,それも一期一会であれば,その場での役割というのは「研究者」と「参加者」に固定されやすいけど
そうではなく,どちらも長期にわたるからね
「研究者」も「参加者」も,それらの立場を越えて,
どちらも人生の途上をいきてる人間だということが
ふいに感じられる瞬間が,けっこうある

それ感じると私は泣きそうになるの,
つまり感動するんだよね

だから私この仕事多分すごく好きだなと思ってる
ここで働いていて良かったと思ってるよ

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