ジビエ食材としてのヤクシカを知って欲しい。
ここにもコロナの影響が。
こんなことで、大切な事業が立ち行かなくなるのは悔しいですね。
多分、日本中、世界中にこんなことたくさんあるんだろうけれど、僕は屋久島に関わったものとして発信せずには居られませんでした。
というわけで、今日はヤクシカの話。
ヤクシカに気をつけろ
私が屋久島に赴任した10年ほど前。同僚の先生からこんなことを聞きました。
「ヤクシカには気を付けろ。」
どうやら、その同僚は危うくヤクシカを、車で轢いてしまうところだったらしいのです。
仕事が長引き、夜道を車で走っていたところ、不意に車道に飛び出す影があり、慌てて急ブレーキ。なんとか轢かずにすんだのだけれど、ヤクシカの方も光にびっくりするのか、硬直して立ち尽くしてしまうよう。だから気をつけるんだよ、と、その先生は教えてくださいました。
屋久島について、すでにヤクザルの方は何度か目にしていたのだが、ヤクシカはまだ見かけていなかったときでした。
その後、自分も帰りが遅くなったとき、車のライトで光るヤクシカの目を正面に見て、何度かハッとしたことがありました。
確かに、そこに立ち止まるので、こちらが減速しなければ確実に轢いてしまうところです。話を聞いていて助かりました。
害獣としてのヤクシカ
昔はヤクシカも人里で見かけることなど滅多になかったらしいのですが、私がいた頃は、その食害によって害獣指定されているほどでした。
なぜなら、屋久島にはヤクシカを捕食する動物がいないからです。昔は、人がその役割を担っていたのでしょう。しかし、私たちの生活様式が変化して、共存のバランスが崩れたことで、ヤクシカが増えすぎてしまったのです。
そうなると、木の新芽まで食べ尽くしてしまい、森が育たなくなります。食糧がないので、徐々に人里まで降りてきて、農作物を荒らすようになります。
「人2万、サル2万、鹿2万」という言葉があるくらい、昔から共存してきた鹿が、害獣とされてしまうことになってしまいました。
私が、屋久島に行った頃、鉄砲注意の看板もたまに見かけることがありました。計画狩猟をして、頭数の適正化をしていたのですね。でも、その鹿は、廃棄をするしかなかったと聞いています。これは、シカとずっと共存してきた屋久島にとって、必要だとは思いながら、やりきれない思いがあったに違いありません。
食材としてのヤクシカ
ヤクシカが手に入ったよと、新鮮なうちに振る舞っていただいたこともあります。
ジビエは、下処理が命だそうです。いただいた鹿肉は、鹿猟のプロの猟師さんが、さっと下処理をされていたので、臭みもなく、とても美味しくいただきました。(あえて、この臭みがいいのよとか言って、臭みのある鹿ナベを食べさせてもらったこともありますが、そっちは流石に独特の風味でした笑)
屋久島の特産品として売り出せば、絶対需要あるよなーとか、無責任なことを考えたりもしましたが、実際に、そんなヤクシカの肉を、屋久島の新しい資源とするプロジェクトが始まったのです。
ジビエ事業を応援したい!
私は、その頃すでに屋久島を離れ、次の任地に赴いていたのですが、風のうわさでその話を聞き、素敵な取り組みだなーと、応援をしていました。
それが、まさか、今回のコロナによる影響を受けているとは…!
屋久島の友人から、観光客の減少など多少は聞いていましたが、頭の中で結びついていませんでした。
少しでも自分ができること。
そんな思いで、noteに記事を書いた今日でした。
クラウドファンディング、あと3日。
嫁と相談して、鹿肉料理に挑戦してみることにします!