クィアさ溢れる6人組「パンダドラゴン」に、幸せな生き方のヒントを見た
パンダドラゴン。
ふざけた名前の男性アイドルグループに夢中になるとは思わなかった。
彼らのことを知ったのは1ヶ月ほど前。YouTubeにサジェストされた新曲動画を、なんらかの理由でクリックしたのがきっかけだった。なんでクリックしたのかはもう覚えていない。
所見の時は、意地が悪い目線で見ていた。
「なんだこの化粧が濃いメンバーは?」
「アイドルにしては太りすぎてない?」
など。今思えば、私の中にある男性アイドルに対する不健康な価値観があぶり出された瞬間なのかもしれない。
この曲のMVを見た後に、彼らが更新しつづける企画動画を面白半分に見始めた。そうすると、メンバー一人ひとりの個性が見えてきて、一気に魅力的に感じ始めた。これらの動画を見てほしい。
むむ。
なんだか予感はしていたけど、彼らはどうやらクィアな雰囲気があるぞ、ということがわかった。
この雰囲気は、世間的にもてはやされているBLみたいなものとも少し違う。どちらかというと新宿二丁目界隈のコミュニケーションに近いやつではないか。まずはそう感じた。
でも、いろんな動画をあさっていくと、そこにとどまらない魅力があることに気づき始めた。
メンバーの中で、一番クィアさを感じるのが、たいがちゃんだ。
いわゆる美容男子。近年ではメイクもバッチリしている。2〜3年前までは、歌声やメイクも「おとこらしさ」があるとされる範疇でとどめられていたようだが、現在はそこから解き放たれているような印象がある。
公式YouTubeチャンネルで配信されている企画動画では、彼がいなければ笑いが成立しないものも多々散見される。彼がすごいのは、単に注目されたいからとか、面白くしたいからとか、そういう理由ではなく、純粋な自己表現としてクィアなキャラクターを担っているところだ。
企画動画内の発言には機知に富んだものも多い。それが計算や準備によって成り立っているものではなく、あくまで普段通りの振る舞いから感じさせられるところにすごさを感じてしまうのだ。
パフォーマンスでも、長い手足をいかして全力で踊っているのが印象的だ。モーニング娘。における牧野真莉愛のごとく、ビューティー担当ながら全力でパフォーマンスに挑んでいる。素晴らしいと思う。
他のメンバーも自然体で、それぞれの個性を発揮している。
小姑みたいな意地の悪さを垣間見せながらも、抜群のパフォーマンス力で見るものを魅了する「ぱっち」。
「本体」である黒縁眼鏡が抜群に似合う優男で、歌う声こそイケボで安定しているけど、テンションが上がると「おばあちゃん」のようなしゃべり方になってしまう「なるき」。
ピンク担当、最年少であどけなさが残るビジュアルの「なぎ」。
メンバーの中では一番「ノンケっぽい」緑担当の「あづ」。
自称「漢らしい担当」だけども、クールなお顔立ちと垣間見える陰キャっぽさとのギャップが個人的なツボな「ようた」。
個性豊か過ぎる面々だが、共通しているのはリズム感の良さ。
ダンスレッスン動画を見て、これはなかなかいいぞと思ったほどだった。
何者なんだ、と調べてみると
モーニング娘。のダンスカバーグループとして活動しつづけるうちに人気を集めて、武道館などで公演できるほどになった「MeseMoa.」というグループの弟分だったのだ。ベテランのハロオタなら観たことがあるだろう、あのグループの仲間だったのだ。
なるほど…
通りで、パンダドラゴンの曲にハロプロっぽさを感じるわけだ。
この辺なんて完全にBerryz工房だし…
これはいつぞやのBEYOOOOONDS感があったり…
そんなことを知るうちに、私はどんどん彼らに魅了されていった。
なんでそんなに彼らを観たくなるのか。
それはたぶん、彼らが、彼ら自身をまっすぐに表現しているから何だと思う。
男らしいとか、こんな年齢だからとか、そんな価値観に囚われず、自由に自分自身を表現したりしているから、観ていて気持ちがいいんだろうな。
あとは、メンバー同士の仲が良さそうなところ。
たぶん、彼らはどちらかというと「陰キャ」と呼ばれてしまうキャラクター揃いだと思う。世間一般では生きにくいかもだけど、奇跡的に出会えたメンバーたちと運命共同体として、アイドル活動に励む。その関係性に、陰キャゲイである私は、うらやましさすら覚えてしまうのだ。
彼らがすごいのは、きっちり結果を出していること。
これは後から知ったのだけど、Tiktokでバズった楽曲もあるのだ。
彼らの活動を見守りながら、彼らの姿勢からいろいろ学びながら、私も頑張って生きていきたいなーと思う今日この頃です。