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クレームと青白い怒りと その3

すっかり終わらせた気になっていた連作記事を見つけた。あとちょっとでもあるし、最後の話が自分の中で最前の対応だったと思っているので、この記事を終わらせよう。実際ものすごいクレームと対峙した場合、こういう対処で当たりが弱まったりする………読んだ方の参考になればいいなと


その頃私自身よく分からない立ち位置で、PCサポートもやりつつ、でも販売もきちんとしろと…………まあつまりどっちつかずな立場だ。もう1人おじさん(今の私より下だったが、明らかに老けてた)のサポート係はいたのだが、正直かなりポンコツあんまり当てにはできないと感じていた


とある平日の夜だったと思う。お客さんもほとんど居らず、店員も含め人の数はかなり少なかった。私は当時店の端っこにあったサポート所(?)で何かをしてた(気がする)。そこにずんずんと近づく人の姿…………普通の男性だったのだが、迷いなく進んでくる姿になんとなくヤバさを感じていた


その男性はサポートまでやってきたので、私から挨拶をし問いかけた。するとその方はこう言った

こちらの店は
誠意ある対応はしてくれないのか

と。その顔を見た時、こりゃマズイ!そう感じた。この方確実に怒髪天を衝くほど怒ってる、が!それは中に渦巻いてて冷静さも同時に持っている。こういう時が一番人は危ない。それこそセル戦の時の悟飯みたいなものだ

スーパーサイヤ人じゃないから
こんなに金色の光は出てなかったが
内面の青白い炎は見えた(気がする)


「これは対応ミスったら大変なことになる…………」と咄嗟に思い、先方ときちんと向き合いお話を聞いてみた。もう詳しい内容までは覚えていない(というか内容はもはや大事じゃなかった)が、クレームがやたらデカくなっていたのだ


はじめはちょっとしたことだったのだが、おじさんサポートが思いっきり対応を間違えた。聞いていて内心で「なんてことしやがる!」と思ったのは覚えてるから、相当なやらかしだったのは間違いない


そしてあなたじゃ話にならないから、と上の者との話を要求。出てきたのは当時のPCフロア長だった。この人も実は問題ありな人で、販売員として優れているのは間違いないのだが、普段は無口(上の立場では致命的)なこともあり上司としては3流以下だった。もちろんトラブル対応も上手くない。そして…………今回も思いっきりやらかしてくれた。2段階目のブースターに点火してるのだ。もうこの時点で頭を抱えるしかない…………


当然だが大気圏を突破しそうな怒りのまま、またしてもあなたじゃ話にならないから、と更に上の者を要求し、出てきたのが2人いる副店長のうちの1人だった。これがまた問題ありきな人で(って何人そんな人がいるのだか………)めちゃくちゃ怒る&責める人で口調もキツく、まあ仕事面では本当にしんどい人。もちろんトラブル対応もやっぱり上手くなく、突き放すような物言いで3段階目のブースターまで点火!!

遠くから見てる分にはいいが
この爆発に巻き込まれるのは困る
というか大ピンチだ


もう聞いてるこっちが恥ずかしい。というか私も華麗に(?)キレたのだ

全てうちの者達の問題です!
大変申し訳ありません
とても許せるものではありません!

こんなお上品にではなかった
思いっきり何度も頭は下げた

当然その方に向けたものではないのだが、私が本気で怒っているのはわかったはずだ。多少(いやだいぶ?)の罵倒も含め、対処した3人のとんでもなさに、その方と同調した。もうけちょんけちょんに言い倒し、結果としての店の比例を詫びた


そう、もちろん怒ったのは本気なのだが、半分以上は完全な打算である。本当にただただ一緒に怒ってるだけじゃ対処しようがない。ある意味時間稼ぎでもあり、その間にどうすべきなのか、考える時間でもあった


と同時に、怒ってることをあえて誇張(なのかは怪しい。本気成分はたっぷりあった)して相手の怒りを一時的にしろ超えること………それにより、その方の怒りを少しでも沈めることが急務だったのだ。共感された感情はそれだけでも落ち着きをみせたりする。しかも自分より怒ってる相手を前にすれば、自ずと怒れなくなってくる


そして十分以上怒りが収まってきてるのを(横目で)確認し、次のステップへ。全て我々の責任なので、今さらながら適切な対応をさせて欲しい、そう伝えることだ。抽象的、というか感情的な問題から、現実的な問題へと切り替えて少しでも傷を小さくする。これもクレームのクローズ作業としては当然と言える


問題は私が全て決められない、ということにもある。実際はなんとかできなくもなかったが、それだと自分の成績にも直結してしまう。先にも言ったとおりで、販売員でもあった私にはこんな他人が起こしたクレームを解決して、自分が貧乏くじを引くのは真っ平だ。もちろん上にお任せするのがいい



ただ、その日のトップはその副店長だった(ハズ)。このまま上に話を持って行けるわけがない。なので、翌日出社のもう1人の副店長にお願いすることにした。私とはツーカーでやってる人ではあったので、ここは安心感がある。持つべきものは頼りになる上司だ


で、その方にはこう伝えた。すぐに対応したいのだが、平社員の私には権限がないので、今回は別の上司が翌日対応すること、そしてこの事は社員としてだけじゃなく、個人としても私が責任を持つことをお約束する、と


結果…………

その人は笑顔で帰って行った……



ここまで綺麗に処理したクレームもない………というかね、そもそも大きくし過ぎなんだよ!!こんな簡単な問題を何故悪化させるのか、全く意味がわからない。こういう上が起こしたクレームとか、かなり多かった。全く何のために上司がいるのかとも思うが、適材適所は難しい、という事だろう


まあ私も若い頃、他の会社でいろいろとやらかした。そういう意味では失敗はやむ無し、なんだが…………若造のミスと責任ある立場のミスって意味が違うよなぁ。個人的には良い思い出(やってる時はたまらないが)ではあるが、またやりたいかと言えば…………意外と嫌じゃない。だってさ………

自分の責任じゃないから!
謝ってもなーんも感じないからね


それこそ頭下げるっても、自分に非がないならなんてことはない。プライドに固執する人がいるのもわかるが………自分の事でも謝罪してなんとかなるならしちゃった方がいい。ほとんどの事は詫びてしまえば終わるんだから


教訓としては…………

損して得取れ!!

まあ大抵損しちゃいないから
得のほうが遥かにデカイので気にしない事だ

かな〜


[完]

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