温泉紀行、その-1(珍体験 マラケッシュのハマム)
商売柄、日本の温泉や世界の温泉、入浴文化に興味があります。
モロッコ王国の観光都市 マラケッシュに蒸し風呂ハマムの珍体験!
元々は巡礼者の身体をきれいにしてから神に祈る為にモスクにはハマムはあるそうですが、観光客向けのハマムでなく町の古いお風呂屋さんに行ってきました。
イブサン・ローランはアルジェリアの出身のフランス人。彼はモロッコの地でデザインンのアイデアを練ったといいます。その彼のつくった庭が観光名所になっています。
Jardin Majorelle
そのすぐ近くに古いハマムがあると聞いたのでホテル専属のタクシーで店の前まで行き、娘(義理の娘)に交渉してもらいました。ここのハマムは男女に分かれているので入浴時間は問題がない。あるハマムは男女入れ替え制で時間が合わない事もありますので、ご注意ください。
番台のような入り口で、日本円で約2.000円支払う。二人分の入浴料とマッサージ&アカスリ代。そしてオリーブでつくったマッサージオイルとアカスリ用のグローブが付く。
中には入ると、怪しげな現地人が3人・・・異質な奴らが来たぞ!というような眼で我々を見る。彼らがアカスリ人!
カウンターのような場所があり、中の人がバスタオルを広げて、ここに脱いだモノを置けという。息子と二人、パンツ一丁になり約200円の保管料を支払う。
確か・・・娘に「レンタルパンツはないか!?」と聞かしたはずだが・・・・パンツはない。ハマムではパンツ着用が常識というのは知っている。
しかたなく受付でパンツ姿になって、ハマムの中に入ると、立て横5m×8mぐらいの部屋があった。その部屋は壁2方にベンチが設けられていた。
さらに中には入ると、ほんのり温い部屋になっている。ここは立て横8mぐらいあり、真ん中の半分の部分は仕切られている。我々以外に客はいない。床と壁はタイルで出来ていて、壁にはパイプがむき出しではわされている。
そして3つ目部屋は、もう少し温度が高く・・・30度ぐらいかな。やはり8m四方の部屋がある。
ここに座れ!と指さす。 パンツが濡れないように乾いた所に座ったが、彼らは大きなバケツに湯を汲んで来て、我々の頭から湯を掛けた! あーこれで帰りはパンツを履かないでズボンをはかなくてはいけない・・・・
そして横になって寝ていろという。
有馬山叢 御所別墅のサーマルルームが38℃位に設定してあるので、床は38℃位だが室内は30℃強だと思う。天井は蒲鉾状でてっぺんに通気口が二か所開いていた。
天井を見ながら今後どうなるのか想像した。考えてみれば今まで男性にアカスリをしてもらった事は二度有る。天井を見ながら思い出した。
一度は香港で、古典的な風呂とマッサージを体験しに行った時。
スッポンポンで浴槽に入ろうとすると、煮しめた様なパンツを穿いたガリガリのおっちゃんが、僕の腕を掴んで横にあるタイル張りのベットに寝かせた。どのようなアカスリだったか覚えていないが、一番印象に残っているのは、イチモツを掴まれ、その裏側のアカスリをされた事だった。強烈な印象!
ドイツのバーデンバーデンの古典的な浴場がフレードリッヒ・スパ。ここで入浴料を払うと、12か所ぐらいの浴場があり、順番にまわって行く。まず最初はシャワーを浴びて、高温の蒸風呂へ・・・その後シャワーだったかな? それが済むと香港のおっちゃんとは全く逆の、これぞゲルマン民族というような男に腕を掴まれ、ベットに乗せられる。
アカスリというより表皮剥がしというような力の入ったこすり方をされる。
いずれも二度と体験したくないが、今回またこのようなハマムで男性にアカスリをしてもらう道を選んだ。もともとがMなのか、怖いもの見たさなのか自分でもわからない。
処刑人から呼び出しがかかった。我々二人は真ん中の部屋に移動した。
うつぶせに寝さされ、肩からゆっくりとオイルが塗られて行く・・・何となくこのオイル煙草のヤニのような匂いがする。
肩からだんだん下に、半尻状態でオイルを塗られる。今度は足元からパンツの中に手を入れて、腿の付け根まで・・・
そして上向きになり、腕からオイルを塗って行く。時々柔軟体操のように腕を押したり、ねじったりする。足も同様。
さすが男性。位置情報はきっちり捉えている。アジアの女性マッサージ師のように、間違ってそっと触れて「スペシャル・マッサージ?」と聞くような事はない。
最後座ると頭にこのオイルを掛けて・・・ヘッドマッサージ。
しかしこのオイル少し目にしみる。汗と混じって少しひりひりした。
マッサージが終わって座ると、頭から湯をバケツで翔けてくれる。・・・これが終わるとアカスリになる。
まずはうつぶせから・・・そして上向きへ・・・・なんやら「スパゲッティー」と言っている。昼に知り合いのイタリアンがあるからそこへ誘導しようとしているのかな?
・・・と思っていると、頭を向けて見ろという あ! なるほどスパゲッティー。垢がスパゲッティーの太さに丸めてあった。
アカスリが終わり、今度は冷たい水を何杯も頭からかけられた。温もった後には冷たい水で身体を冷やすのはクナイプ療法や世界の温泉療法に共通している。
ほっと気持ちが良くなった。 ・・・しかしパンツがびしょびしょ
脱衣場でどうしようかと悩んでいると「こうするのさ!」というようにバスタオルを巻いてパンツを脱ぐ動作をする。そんな事で悩んでいない。パンツがないのが問題なのだ。
結局、パンツをもらったビニール袋に入れて、パンツをはかずにズボンをはく事にした。
また一生の思い出が出来た。記念に写真を撮る際、持っていた小銭・・・300円をチップに払って、パチリ!
※行ったのは2010年7月です。