いまさらながら「人を動かす」を読んだ話-その3
前回のおはなし
なお、前々回のおはなし
人を動かす3原則、人に好かれる6原則、人を説得する12原則をまとめました。今回は最後のパート、「人を変える9原則」をまとめます。
人を変える9原則
まずはほめる
まずは相手をほめておくのは、歯医者が局部麻酔をするのに似ている。もちろん、あとでガリガリやられるけど、麻酔はその痛みを消してくれる。
人を変える原則1:まずはほめる。
遠まわしに注意を与える
人の気持ちや態度を変えようとする場合、ほんの一言の違いが、成功と失敗の分かれ目になることがある。「しかし」ではなく「そして」をうまく使う。「しかし」という言葉で、今までの言葉が本心だったのかどうか疑ってしまうもの。結局は批判するための前置きに過ぎなかったようにすら思えてしまい、狙いが失敗してしまうこともある。
遠まわしに注意を与える方法は、直接批判されることに強く反発する神経質な人たちに驚くほど効果がある。
人を変える原則2:遠まわしに注意を与える。
自分の過ちを話す
人に小言を言う場合、謙虚な態度で、自分は決して完全でなく、失敗も多いがと前置きして、それから間違いを注意してやると、相手はそれほど不愉快な思いをせずに済むもの。
人を変える原則3:まず自分の誤りを話ししたあと相手に注意する。
命令をしない
おしつけがましい命令はあとにしこりを残す。たとえそれが、明らかな誤りを正すためであっても。
人を変える原則4:命令をせず、意見を求める。
顔をつぶさない
自分の気持ちを通すために、他人の感情を踏みにじっていく。相手の自尊心などは全く考えない。そうではなく、一言二言思いやりのある言葉をかけ、相手の心情を理解してやれば、その方がはるかにうまくいく。
サンテグジュペリは次のように書いている。「相手の自己評価傷つけ、自己嫌悪におちいらせるようなことを言ったり、したりする権利は私にはない。大切なことは、相手を私がどう評価するかではなくて、相手が自分自身をどう評価するかである。相手の人間としての尊厳を傷つけることは犯罪なのだ。」
人を変える原則5:命令をせず、意見を求める。
わずかなことでもほめる
人間は、他人から評価され、認められたい願望があり、そのためにはどんなことでもする。だが、心のこもらないうわべだけのお世辞には、反発を覚える。人を変えようとして、相手の心の中に隠された宝物の存在に気づかせることができたら、単にその人を変えるだけでなく、別人誕生させることすらできる。
哲学者ウイリアム・ジェイムスの言葉「我々の持つ可能性に比べると、現実の我々は、まだその半分の完成度にも達していない。我々は、肉体的・精神的資質のごく一部分しか活用していないのだ。概して言えば、人間は自分の限界よりも、ずっとせまい範囲内で生きているにすぎず、いろいろな能力を
使いこなせないままに放置しているのである」
批判によって人間はしぼみ、励ましによって花開く。
人を変える原則6:わずかなことでも惜しみなく心からほめる。
期待をかける
上司がすでに確立された定評を努力目標として示した場合、部下としては過去の仕事に匹敵する仕事をやって見せようと努力する。一度悪評がたったら浮かばれないものだか、逆に好評が立った場合はどうだろうか?
人を変える原則7:期待をかける。
激励をする
相手の能力をこちらは信じているのだと知らせてやる。そうすれば相手は自分の優秀さを示そうと懸命に頑張る。
人を変える原則8:激励して、能力に自信を持たせる。
喜んで協力させる
人を変える必要が生じた場合、次の事項を考えてみるべき。
誠実であれ。守れない約束はするな。自分の利益は忘れ、相手の利益だけ考えよ。
相手に期待する協力は何か、明確に把握せよ。
相手の身になれ。相手の真の望みは何か?
あなたに協力すれば相手にどんな利益があるあ?
望み通りの利益を相手に与えよ。
人に物を頼む場合、その頼みが相手の利益にもなると気づくように話せ。
ただ、これで相手から良い反応が期待できると考えるのは単純すぎる。成功する可能性を高める原則である。
人を変える原則9:喜んで協力させる。
まとめ
読んでまとめて感じたこと
相手がいるということ
そりゃそうだ。「人」を動かすであって、相手がいる。自分ではない他者がいる。その相手をどうするか。相手をどう動かすか。
自分1人で実現できることなんてほとんどなく、相手を動かして自分のためにどう動いてもらうかということ。
同じであって違う
それが相手。同じ部分を共振させて、違う部分を干渉して平坦にする、ずらして位相を合わせる。違うことを避けるのではなく、違うことを認めてそれをどうするか。違うから怒ったり、避けたりすれば何の意味もない。
誠実であること
「お世辞は意味がない」「心の底から」という話が本書でたびたび出てくる。嘘や、いやいやでは何の意味がない。