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東京の夜道で思うこと

私は夜の東京が好きだ。
深夜の東京って、やっと息ができる感じがする。

東京の夜と言っても、歌舞伎町とか夜の街ではないし、都心の夜景や夜の首都高なんていうドラマチックな夜のことでもない。
昼にはあんなに人が沢山いたのに、0時を過ぎてからは誰も居なくなるような場所や住宅街を歩くと、少しだけ生きてていいと思える。

ひとりで歩くのは危険なんてわかっているけど、昼間の殺伐とした何かの存在に気圧されて生きてる身からすれば、夜の方が安心して歩ける。
屈強そうな人間だったら、この最高な夜道を好きなだけ散歩できるのにな。屈強に生きれたらそんな必要もないのかな。

田舎の夜とは違う魅力がある。田舎の夜は星が見える以外特に魅力はない。田舎の夜は野生動物なのか風なのか、茂みでガサガサいってて恐怖を感じる。

夜の海が好きっていうロマンチストがいるが、実際の夜の海ってめちゃくちゃ怖い。真っ暗でただ波の音がする。飲み込まれそう。
前に船に乗った際、真夜中の甲板に出た、あれは本当に怖かったな。電車のホームの何倍もの引力で、吸い込まれそうになる魅力がある。それが怖い。
ここで落ちて死んでも誰も気づかないんだろうなと。

東京の夜はいい。イヤホンで好きな曲をガンガンにかけて、好きな歩調で、永遠に歩きたい。時々くるくる回りながら、踊っちゃってもいいんじゃないかとさえ思う。
夜が明けないで欲しい。 社不にとって夜の東京は、唯一外が気持ちいいと感じられる時間だ。普段は居場所なんて無いけど、この時だけは歩いていいんだ思える。

夜の東京でしか生きられない人間は、たぶん私だけではない。

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