閑話
そうです。せっかくなので横道にそれちゃいましょう。例えば昨日の事とかどうでしょうか。疲労が齎す弛緩と精神の過緊張がチクチクとしていました。
やはり、芯が崩れると、どうにも張りが失われて、ばたんと倒れてしまうようです。日をおいて、ようやく体が吊り上げられて、立てたような気がしますが。
おっと、そういえば貴方もいつぞやの時、体の奥から憎悪を抑えきることができないくらいに緩んでいました。アレはなかなか愉快でしたね。
かぶりを降って災いを降ろす禍津日のように、留めるところを知らないで当たり散らしていました。あれもまた、つまるところ疲労によるところがあるのではないでしょうか。
不思議なことに、どこまでの心と体がずるずるとつながって、やりたくもないようなことが突拍子もなくぱらついて散らばりやがる。
まぁ、食って眠れば、忘れるような小さな狂乱から、魂を持つものは逃れることができないらしい。
え?いやいや、その話はやめましょうよ、このまま話の渦に飲み込まれて、本題に戻れなくなるかもしれないじゃないですか。いやですよ?戻しどころを見失って、あっちへふらふら、こっちへふらふら。
いいですか?確かに、こうやって、それっぽい話を、それっぽいように、馬鹿みたいにダラダラ話すのは楽しいですが、それでも!私たちはこなさなきゃいけない責務と言ったものがあるんですよ?とは言え、逸れた話を切り出したのは他ならぬ私に違いないのですが!
できることなら、私だって、話を元に戻すと言うのは気が重いです。今こうしているように、私達二人、お気楽に珈琲でも啜って、静かに穏やかに、時間を過ごしたいものですが、覚悟を決めなくては行けない瞬間が訪れるわけですね。
はぁ、本当に気が重い。ーーそういえば、向かいの商店街の和菓子屋さんが今期間限定の商品を出しているようです、がぁ……。そんな目をしないでくださいよ。私が本質やらいいかっこしいしたのは謝りますけど、やだなぁ。
わかりました、わかりましたよ。それじゃお話しましょか。来週の宴会の一発芸を何にするか、決めちゃいましょう。