
キムチチゲ+キムチの食べ合わせから見える韓国の文化
韓国料理屋さんや韓国の現地でご飯屋さんに行くと必ず出てくる「キムチ」。
韓国=キムチのイメージも強いのではないだろうか。実際ご飯屋さんに行くと、お漬物のセルフバーのようなところがあり、そこにキムチやカクトゥギ(大根のキムチ)、タンムジ(たくあん)が置いてあることがよくある。
先日、夫とキムチチゲのお店に行ったところ、席につくやいなやテーブルの上に置かれたのは白いご飯と「キムチ」。
え?私たち今からキムチチゲ食べるんだよね…?
と思ったのは私だけだったようで、夫はキムチチゲが来るまでキムチとご飯を一緒に食べたりしている。
「ねえ、私たち今からキムチチゲ食べるのになんで付け合わせまでキムチが出てくるの?」と聞いたところ、
「うーん…まあ基本だからじゃない??」
基本?誰の基本??例えばお寿司食べてる時に付け合わせでお刺身食べないでしょ??と思ったけどなんとなく伝わらない気がして言うのをやめた。
そういえば、同居している義母は食卓にキムチが置いてないと必ず「キムチ食べないの?」と聞いてくる。別に私たちは毎回キムチを食べるわけではないので出さない時もある。「食べません」と答えても最低2回は聞いてくる。笑食べたかったら自分で出しなよと思いはするものの、でも親世代の人たちはとりあえず食卓にはキムチがあって当たり前らしい。
ということをうっすら思い出し、私はキムチチゲをおかずにキムチは食べないね〜なんて思っていたのだけど、ふと私の母から「韓国の最近の若い人ってキムチ食べないんだってね〜」と見ていたテレビ番組の大量のスクリーンショットが送られてきたことも思い出した。
それを思い出して母が送ってきたスクリーンショットを見てみたのだけど、たしかに今の若い人と親世代の人とでは、キムチだけじゃなくて食全体に対する考えが全然違うなと改めて思ったので、noteにまとめてみる。
この番組は今話題のフジテレビの「おったまげワールド」という番組で、2024年4月に放送されたものらしい。
まず、若い人のキムチ離れについて。韓国では冒頭でも述べたようにキムチのイメージが強いものの食べる量としては減少しているらしい。

理由は様々。「そもそも味が好きじゃない」「食感が苦手」などなど。

この時点でまずびっくり。あんなに国民食のイメージが強かったのに。日本人がお漬物を食べなくなるのと同じなのかな??
ちょっと前に周りで無印のぬか床使って浅漬け作るのブームにはなってたけど。(お漬物苦手でブームに乗っかれなかった女)
しかし、キムチから離れるのには違った理由もあるらしく。
キムチといえば「キムジャン」と言って、11月の最後の週あたりから12月の初めの週にかけて、2日間にわたって1年分のキムチを漬ける文化がある。このキムジャンは2013年にユネスコの世界無形文化遺産に登録されている。人によっては白菜がもっと甘い方がいいからと12月半ばなどのもう少し遅めに漬ける人もいるみたい。
ただこの「キムジャン」、とんでもない肉体労働なのだ。
こういうのは都市よりも田舎の方がもっと顕著で、田舎に親戚が集まり朝からとんでもない量と大きさの白菜を割って塩漬けにするまでが1日目。洗ってしぼり、ヤンニョムを作り、ヤンニョムを塗り込み、ツボに入れていくまでが2日目。
この過酷さを知っている若い女性たちは、キムジャンはしたくないと考えるそう。



というのも、韓国でも日本と同じく女性の社会進出が進んだのもここ最近2〜30年の話。昔に比べて仕事にプライベートにと忙しくなった女性たちは、せっかくのお休みの日に田舎まで数時間もかけて行って、肉体労働のキムチ作りをして、帰る頃にはもうクタクタで明日からまた仕事…というのがしんどいと感じるらしい。日本人ですらこのしんどさは想像に難くない。
そして3枚目の方も話している通り、韓国の親世代の人は「買って食べること」を良しとしない人が多い。こちらの義母も例に漏れずそう。買って食べること=体に悪いものが入っている、私の家族は手作りのものしか食べない、という考えがあるらしい。
正直窮屈な考えだな〜とは思う。作るものは作って、買うものは買って、とどこかで区切りをつけないと共働きでは生活が成り立たないから。若い人たちだって手作りのものの方が美味しいし体にいいことは十分わかっていると思う。こう思うのも時代の違いなのかな〜と思ったり。
とここで番組内ではあるお家のキムジャンに密着する。
そこではお義母さんとお嫁さん、その他親戚の女性たちが集まってキムジャンをするというもの。そこで流れた会話がこちら。




このお嫁さんはキムジャン初参加だったらしく、ヤンニョムの野菜の切り方からダメ出しされてた…わかる、わかるよ…😭😭
ここの家もそうだけど、お義母さんってなんでこう嫁への対抗心?みたいなのがあるのかしら…「私が知ってる息子はそうではない!」みたいな。結構多い気がする。やっぱり嫁に取られる気がするからこういう話になるのかな🙃
と話はそれたけど、ここのお義母さんのように「作ったものが1番」と考える親世代の人が多いのに対し、ここまでしんどい思いして時間がなくなるよりは、そんなに食べないなら買った方が早いし安いんじゃない?と考える若い世代の人たち。
生活の違いなど要因が単純ではないので、この差が埋まるのはかなり難しい気がしている。

このお嫁さんは最後はキムジャンをした上でやっぱり自分はこれからも買うと言っているのだけど、ここまで大変な思いをして作ったキムチなら、もし食卓に出されたらおいしく食べようかなぁという気持ちになる。しかも普通に美味しいしね!
ただしキムチチゲやキムチ炒飯の付け合わせではなく、普通のご飯の付け合わせとして私は食べたい。笑
今日はキムチの食べ合わせから派生してキムジャンから見える韓国の世代間による考え方の違いについて触れたnoteとなりました!
気になる方はキムジャンで検索してもらえると、どんなふうにキムチが作られるのか、写真付きで見られてより一層わかりやすいのではないかなと思います🙂↕️
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