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改めて考える認知行動療法-カウンセラー資格学習中での観点から

最近上級心理カウンセラー資格の勉強で認知行動療法を勉強した。精神科デイケアで再三習った内容である。
とある精神科デイケアでそれらを勉強していて認知行動療法への盲信をしていた時期はあった。
しかし、今ではちょっと疑問だ。
認知行動療法はそもそもベースがゼロだとすごく内容が難しいし入り口が大変な気がする。コラム法を理解し、書くということのできる人もいたけどそれが当たり前みたいには思わない方がいい。たしかに有効とは言われる認知行動療法。でもデメリットはないわけじゃない。
認知行動療法といっても個別でやる方法、集団認知行動療法があるが、我々が接する機会が高いのは集団認知行動療法である。個別だと費用が高いし、やっているところも少ない。だが、集団認知行動療法はさまざまな精神科デイで講義化されていることが多い。ただこの講義というのも限界があると主治医に言われたことがある。
私は以前、精神科デイで集団認知行動療法を受けて調子が悪くなることがあった。それは、精神科デイによって行い方の違いもある。
私のいた精神科デイAでは患者さん一人の非機能的な認知のパターンの例を発表して認知行動療法を行うパターンの講義で、個人的な悩みとそのバックグラウンドを共有したせいで自分がダメージを与えられることが度々あった。また、一人の発表に対し、数人の患者の考え方や意見を向けることのできる状況は怖いと何年か受けるうちに思いはじめてAへの通所はやめた。それももう何年前か。
認知行動療法の難しさ、重みを考えたら私は万能ですぐ効くという期待をできる療法という見方はできないと個人的には思う。かなり長期的にやり込んで効果が見えるかどうかも人によって違う。それに単なるリラックスや精神疾患の心身の症状緩和は認知行動療法じゃなくてももちろん十分にできるわけで、認知行動療法を受けるようにやたら患者に推奨していた精神科デイAの意向は今更ながら不審に感じる。単にお金儲けのための意向だとは思うが。

軽いリラックスやリフレッシュの目的ならむしろ認知行動療法みたいな頭の凝り固まりそうな疲れる作業はおすすめしない。(私は5年ほど認知行動療法をしていてあまり良くないと感じたので。)
また、認知行動療法は精神科デイスタッフや医師・臨床心理士(カウンセラー)に確認してもらい一緒に行う方がベストな答えに行き着くもので、一人で行うと機能的な認知の基準がわからないうえに悶々とする結果になることもある。集団認知行動療法でなら一人ではしないというメリットはあるがその場の話はその場だけでというルールが守られていないと何かと不安である。かなり状態のいい人しかできないし、そういう方も時間や心の余裕がないとできないところは根本的なデメリットだ。
私はうつで起床困難になった経験が何度もある。そういった極限の状態では何の処置もしようがないのは現実。結局のところ精神科デイケアで毎日通えて認知行動療法プログラムへの参加意欲がある人でないと認知行動療法の有用性がないし、また繰り返し参加した経験からいうと受けたらすぐに効果が出るものではない。誰しも認知というのは偏るし、その偏りが全部悪いわけではない。しかし、自分にとってよくない認知や行動があるのであればそれらはよくしたいよね、というのが認知行動療法のあり方だと思う。認知行動療法の講義を新しいものかのように宣ってデイケアの集客をするのは結構だが、せっかく認知行動療法をするのならデイケアの利用者が参加しやすいような雰囲気づくりやどんな場面で認知行動療法を使うのが現実的かということをきちんと教えていただきたいものだ。

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