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【水曜日のしかけ#46】オキテ違反から叱る

水曜日は上司のマネジメントに関する「7秒しかけ」を紹介していきます。

メンバーが怠慢・手抜き・不誠実な言動をした場合は、上司が叱る必要があります。

ただ、最近は職場でのパワーハラスメント防止が強く求められる時代になり上司がメンバーを叱る難易度が高まっています。

「心理的安全性」を重視した職場環境づくりも求められており、叱ることによってメンバーが委縮するのを恐れ上司は叱りにくくなっています。

加えて、メンバーを叱ることが苦手な上司もいるでしょう。

そんな

・メンバーを叱りにくいと感じている上司
・メンバーを叱れない上司

に提案したい7秒しかけが「オキテ違反から叱る」です。

文字通りオキテ/ルール違反をしたメンバーを叱ることから始めてはどうでしょうか?

というしかけです。

既に実践している上司は、ぜひ継続してください。
ここまで読んでもらいありがとうございます。

まだ実践していない上司は、ぜひ読み進めてください。


0 7秒しかけとは(1度読んだ方は読み飛ばしてください)

7秒しかけ」とはしかけ研究家白潟敏朗と白潟総研のコンサルティング経験・ノウハウをベースに、次に示す習慣化の4つの技術を活用し開発したしかけです。

① 小さな行動から始める
~ 小さすぎてばかばかしいと思う行動が習慣になる(小さな習慣) ~

小さい行動はすぐに生活に取り入れることができ、やがて自然と大きく成長していきます。小さいことから始めれば、時間的な負担を気にせず大きな変化への第1歩を踏み出すことができます。

『習慣超大全/BJ・フォッグ (ダイヤモンド社)』

② If thenプランニング(もしXだったらYをする)
~ 「◯◯した時に□□する」で実行率アップ ~ 

簡単にいうと「もし○○だったら△△する」と決めておくだけです。
人間の脳は『XならY』という文章を記憶しやすく、無意識にそれに従って行動できるようになるようです。発動タイミングを決めてしまう、これが習慣化のポイントです。

『やり抜く人の9つの習慣/H・ハルバーソン著(ディスカヴァー・トゥエンティワン)』

【If-Thenプランニングの例】
・ 帰りに電車にのったら、明日見る動画の1行ゴールを書く
・ 行きの電車にのったら、ロジカルシンキング動画を1本見る
・ お風呂に入る前に、腕立て5回する
・ 先輩・上司に声をかけられたら、メモ帳を出す
できたら、自分を褒めましょう「よくできた!」

③ 20秒ルール
~ 始めるまでにかかる時間を20秒短くする ~
何かを始めるまでの手間を20秒短縮すると、20秒分の手間のかからなさが、頭によぎる「面倒くさい」を遠ざけ、「気がついたらやっていた」という達成感につながります。

20秒以内にすぐにやれるように準備することが大事!
④ マジックナンバー4
~ 週4回以上の実践で習慣化しやすい ~
習慣化の4つの技術に加え、最近流行りの行動経済学も活用しています。

特にナッジ理論「行動科学に基づいた小さなきっかけで人々の意思決定に影響を与え、行動変容を促す手法・戦略」を活かすことで、より簡単に実行できる工夫をしたしかけです。

具体的には1秒から7秒で実行でき小さな成功により少しだけ自信がつき、気がつけば習慣になっている、そのような効果のあるしかけです。7秒以内で実行できるので「7秒しかけ」と呼んでいます。

1 「オキテ違反から叱る」とは

突然ですが、上司の皆さん、チーム全員が守るべきオキテ/ルールを文書化していますか?

『白潟さん、うちは文書化していません』

不文律みたないなものはあるかもしれませんが、明確に文書化しているチームは少ないかなと思います。

・チームミーティングに数分遅れて参加する
・相手に聞こえる声で挨拶をしない
・ネガティブな発言が多い

メンバーがこのような言動をすると、周りのメンバーは不快な気持ちになり、ひどい場合はモチベーションが下がります。

『ミーティングに遅刻しないでください』
『挨拶が聞こえないんだけど…』
『ネガティブな発言やめてもらえる』

等と注意することもできません。

チーム全員が守るべき言動を全員で決め、ルール化/オキテ化し文書化することで規律のあるモチベーションを下げないチームがつくれます。

そして、その文書化したオキテ/ルールを破ったメンバーを上司が叱ります


全員で守ろうと決めたオキテ/ルールなので、上司が叱ることに抵抗を感じるメンバーはいませんし上司も叱りやすいです。

これが7秒しかけ「オキテ違反から叱る」です。


オキテ/ルールのつくり方は簡単です。

チームメンバー全員で次の手順で30分くらいのミーティングをします。

① 上司が全員に問いかける
・『みんなで守ったほうがいいルールって何があるかな?』

② ひとりずつ順番にひとつだけ答えていく
・回答を書記係がホワイトボードに書いていく

(例)
・チームミーティングには3分前に集合する
・明るい元気な声で挨拶する
・帰社時に全員に声をかける
・ネガティブな発言をしない

③ ②を2周から3周続ける
・回答を書記係がホワイトボードに追記していく

④ 全員で投票し3つのルール/オキテを決める
・いいと思うルール/オキテに手を上げ、得票数が多い順に3つのルール/オキテを決める

⑤ 3つのルール/オキテを守らなかった時のペナルティを決める
・上記②から④の要領で1回守らなかった時のペナルティと2回守らなかった時のペナルティを決める

(例)
・朝一番にみんなの机をふく
・1日電話当番をする
・1週間郵便物受け取りをする
・1週間オフィスのゴミ回収をする

決まったイメージを次の画像に示します。

決まったルール/オキテとペナルティのイメージ

いかがでしょうか?

チーム全員で守るべきルール/オキテの文書化ができたら運用開始です。

違反者がでたら上司が叱ります。

『田中さん、ミーティング開始直前に来たらダメですよ』
『佐藤さん、挨拶が聞こえないですよ』

こんな感じで注意しましょう。

それが叱るステップ①になります。

『白潟さん、これならパワハラも気にせず簡単にできそうだね』

はい、ありがとうございます。

まずはオキテ/ルール違反から叱ることで、叱る上司も叱られるメンバーも叱るにことに慣れ、オキテ/ルール違反以外でも叱れるようになっていきます。

気にいってもらえたら、ぜひ「オキテ違反から叱る」を実践してください。

2 アンカー(「オキテ違反から叱る」を思い出させるきっかけ)

オキテ違反から叱る」は今すぐ準備で実践しましょう。

3 今すぐ準備しましょう

オキテ違反から叱る」を実践するには次の準備が必要です。
今すぐ準備しましょう!

① ルール/オキテとペナルティをみんなでつくる
全員でチームミーティングをし守るべき「ルール/オキテ」と「ペナルティ」をつくります。

【作成手順】
1 上司が全員に問いかける
2 ひとりずつ順番にひとつだけ答えていく
3 2を2周から3周続ける
4 全員で投票し3つのルール/オキテを決める
5 3つのルール/オキテを守らなかった時のペナルティを2つ決める

② ①をみんなが見えるところ(壁等)に掲示する

③ 週4回以上の実践状況のチェックシート作成
前述したマジックナンバー4(週4回以上の実践で習慣化しやすい)を実践する準備です。週4回も実践しないかもですが、準備の例を次に示します。

・ 「XXさんに「オキテ違反から叱る」と4枚のふせんに書く
(実践したらふせんをすてる!)

・ 1枚のふせんに「オキテ違反から叱る」と4回のチェック欄を書く
(実践したらレチェックをいれる、4回チェックしたらすてる!)

④ ③のチェックシートを手帳に貼る、またはパソコンに貼る

4 いつから実践しますか?

オキテ違反から叱る」いつから実践しますか?
実践したいと思った方は今ここで実践時期を決めましょう!

・ 今日から
・ 明日から
・ 来週の月曜日から
・ 来月の月初日から

決めた実践時期を手帳やカレンダーに書き込んでください。
オキテ違反から叱る」実践と記入した付箋を手帳やパソコンに貼ってもいいです。 

オキテ違反から叱る」の紹介は以上でおひらきです。
皆さんのミーティングの生産性が向上することを心から願っております。

今日も、「日刊7秒しかけ」を読んでくれてありがとうございます。

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それでは、また明日!

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