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【水曜日のしかけ#41】『終わったら、提案して』

水曜日は上司のマネジメントに関する「7秒しかけ」を紹介していきます。

突然ですが、上司の皆さんに質問です。

メンバーがやりたくない仕事をやってもらう時ってどのような指示をしてますか?

『白潟さん、悩ましい問いかけですね。 ごめん、やりたくないと思うけどお願いしてもいいかな? こんな感じで指示してます』

なるほど、謝罪スタートですね!
ひとつのやり方ですね。

『私は、この仕事しっかりやってくれたら、次はやりたい仕事をお願いするからよろしくお願い致します! こんな指示をしてます』

仕事の報酬は仕事!という考え方ですね。
とてもいい方法です。

ただ、やりたい仕事がない場合はチャレンジになりますね。


上司の皆さん、まさか『大事な課の仕事なんだから文句言わずにやってください』と指示をしている上司はいないですよね。

やりたくない仕事をやらされ感いっぱいでやってもらうと、
労働衛生学のデータでは生産性は1/3、疲れは3倍になるそうです。

ミスは増えるし納期も送れる、そしてメンバーは疲れる。
いいことはひとつもありません。

もちろん、誰かがやらなくてはいけない仕事なので犠牲者はでてしまいます。

そんな犠牲者をださないためにも一工夫が必要になってきます。

メンバーがやりたくない仕事をやってもらう時に、上司の皆さんにおススメしたいのが

7秒しかけ『終わったら、提案して』です!

『どんな感じで使えばいいの?』
早速、紹介していきます。


0 7秒しかけとは(1度読んだ方は読み飛ばしてください)

7秒しかけ」とはしかけ研究家白潟敏朗と白潟総研のコンサルティング経験・ノウハウをベースに、次に示す習慣化の4つの技術を活用し開発したしかけです。

① 小さな行動から始める
~ 小さすぎてばかばかしいと思う行動が習慣になる(小さな習慣) ~

小さい行動はすぐに生活に取り入れることができ、やがて自然と大きく成長していきます。小さいことから始めれば、時間的な負担を気にせず大きな変化への第1歩を踏み出すことができます。

『習慣超大全/BJ・フォッグ (ダイヤモンド社)』

② If thenプランニング(もしXだったらYをする)
~ 「◯◯した時に□□する」で実行率アップ ~ 

簡単にいうと「もし○○だったら△△する」と決めておくだけです。
人間の脳は『XならY』という文章を記憶しやすく、無意識にそれに従って行動できるようになるようです。発動タイミングを決めてしまう、これが習慣化のポイントです。

『やり抜く人の9つの習慣/H・ハルバーソン著(ディスカヴァー・トゥエンティワン)』

【If-Thenプランニングの例】
・ 帰りに電車にのったら、明日見る動画の1行ゴールを書く
・ 行きの電車にのったら、ロジカルシンキング動画を1本見る
・ お風呂に入る前に、腕立て5回する
・ 先輩・上司に声をかけられたら、メモ帳を出す
できたら、自分を褒めましょう「よくできた!」

③ 20秒ルール
~ 始めるまでにかかる時間を20秒短くする ~
何かを始めるまでの手間を20秒短縮すると、20秒分の手間のかからなさが、頭によぎる「面倒くさい」を遠ざけ、「気がついたらやっていた」という達成感につながります。

20秒以内にすぐにやれるように準備することが大事!

④ マジックナンバー4
~ 週4回以上の実践で習慣化しやすい ~
習慣化の4つの技術に加え、最近流行りの行動経済学も活用しています。

特にナッジ理論「行動科学に基づいた小さなきっかけで人々の意思決定に影響を与え、行動変容を促す手法・戦略」を活かすことで、より簡単に実行できる工夫をしたしかけです。

具体的には1秒から7秒で実行でき小さな成功により少しだけ自信がつき、気がつけば習慣になっている、そのような効果のあるしかけです。7秒以内で実行できるので「7秒しかけ」と呼んでいます。

1 『終わったら、提案して』とは

上司の皆さん、心理学者エドガー・シャインの「Will・Can・Must」の「3つの輪」を知っていますか?

次の画像を見てください。

上司がメンバーに依頼する仕事はMust(やるべき仕事)です。

Must(やるべき仕事)以外をやりたくなるメンバーもいるかもしれませんが、Will(やりたい仕事)だけをメンバーに与えてはいけません

一方、Must(やるべき仕事)でメンバーがCan(できる仕事)でかつWill(やりたい仕事)ではない場合、メンバーのモチベーションは下がります

冒頭に紹介した大事な仕事だけどメンバーがやりたくない仕事です。(上の画像の赤色(工夫)部分)

その仕事をメンバーがやりたい仕事にもっていくのが上司の腕の見せ所になります。

ただ、それは簡単なことではありません。

上司に、一工夫が必要になります。

例えば、お客様と接点をもてる仕事であれば、

お客様の喜びの声を集めて、みんなで共有すれば『私のサービス/うちのプロダクトこんなにお客様に喜ばれているんだ!明日も仕事頑張ろう!』になってくれます。

テレマのようなやりたくない仕事であればゲーミフィケーションを活用するのもひとつです。

ゲーミフィケーションとは、英語の「gamification」から来たもので、日本語では「ゲーム化」と訳されることもあります。

ゲームを本来の目的としないサービス等にゲーム要素を応用することで、利用者の意欲の向上やロイヤリティーの強化を図ることを言います。

ゲーミフィケーションとは?/JAPAN CONVENTION SERVICES,INC

例:ゲーム感覚を取り入れる
 ・1人でなく複数人でやり競争させる
 ・小さな達成感を与え、賞品・賞金をだす
 ・罰ゲームもいれる


他の工夫として提案したいのが

7秒しかけ『終わったら、提案して』です。


具体的な活用シーンを読んでください。

上司:『田中さん、XXの仕事お願いしてもいいかな?』
田中:『え!XXの仕事ですか(やりたくない表情)…?』

上司:『あまりやりたくない仕事かもしれないけど、この仕事終わったら、提案してもらえないかな?

田中:『え! 提案ですか?』

上司:『うん、仕事の進め方ややり方の改善案、やる必要性のない仕事の提案等どんどん私に提案してもらいたいんだよね』

田中:『かしこまりました。XXの仕事頑張ります!』
上司:『よろしくお願いしますね』

いかがでしょうか?
こんな感じで活用してもらいたいです。

『白潟さん、仕事の進め方ややり方、不要な仕事の提案ができると思うとメンバーも少しやる気になりますね』

そうなんです。

自らの意思で進め方ややり方を決定できることにもつながります。

自律性が満たされるので、自己決定理論によりモチベーションも高くなります。

自己決定理論とは、1985年にアメリカの心理学者であるエドワード・デシとリチャード・ライアンが提唱した動機づけ理論です。

人に指摘されて行動する(非自己決定)ところから、自発的に行動する(自己決定)に至るまでの道筋が、研究によって明らかにされています

デシとライアンは論文の中で、「自律性、有能性、関連性の3つの心理的欲求が満たされれば、モチベーションとパフォーマンス、精神的健康(=ウェルビーイング)が向上し、何らかの阻害要因があれば、モチベーションと幸福感が低下する」と記しています。

自律性とは、「誰からも強制されたものではなく、自らを律しながら主体的に行動していること。行動開始から終了まで、自らの意思で決定できる状態」を指します。

他の人に頼らないという意味ではなく、目的達成のために、自分で他者にサポートを求めることも自律性と捉えられています。

やりたくない仕事がWill(やりたい仕事)、上の画像の青色部分に変わります。

気にいってもらえたら、ぜひ『終わったら、提案して』を活用してください。

2 アンカー(『終わったら、提案して』を思い出させるきっかけ)

きっかけがなくても『終わったら、提案して』実践できる上司は、今すぐ実践しましょう。

きっかけがあった方が『終わったら、提案して』を実践しやすい上司は
メンバー」をきっかけにしましょう。

次の条件に合うメンバーをきっかけにしてください。

・話しかけやすい
・成長意欲がある
・改善が好き

3 今すぐ準備しましょう

準備しなくても実践できる上司は、今すぐ実践しましょう。

そうでない上司は『終わったら、提案して』を実践するには
次の準備が必要です。今すぐ準備しましょう!

① 週4回以上の実践状況のチェックシート作成
前述したマジックナンバー4(週4回以上の実践で習慣化しやすい)を実践する準備です。週4回も実践しないかもですが、準備の例を次に示します。

・ 「XXさんに『終わったら、提案して』」と4枚のふせんに書く
(実践したらふせんをすてる!)

・ 1枚のふせんに『終わったら、提案して』と4回のチェック欄を書く(実践したらレチェックをいれる、4回チェックしたらすてる!)

② ①のチェックシートを手帳に貼る、またはパソコンに貼る

4 いつから実践しますか?

終わったら、提案して』いつから実践しますか?
実践したいと思った方は今ここで実践時期を決めましょう!

・ 今から
・ 明日から
・ 来週の月曜日から

決めた実践時期を手帳やカレンダーに書き込みましょう。

終わったら、提案して』実践と記入した付箋を手帳やパソコンに
貼ってもいいです。 

終わったら、提案して』の紹介は以上でおひらきです。
皆さんの仕事を与える力UPを心から願っております。

実践したらX(Twitter)への投稿、またはNoteへコメントしてもらえたら嬉しいです!

今日も、「日刊7秒しかけ」を読んでくれてありがとうございます。

終わったら、提案しての7秒しかけを気に入ってもらえたら、
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それでは、また明日!

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