【月曜日のしかけ#15】1秒Q『他には?』
月曜日は仕事力大全の基礎に関する「7秒しかけ」を紹介していきます。
今回から新シリーズ「1秒Q」を始めます。
1秒Qとは、短い1秒の質問で5つの効果を得るための質問手法です。
① 相手のおもいや考え、感情を聴きだしてあげる
② 相手の考えを整理してあげる
③ 相手に新しい視点を得てもらう
④ 相手の興味や関心を理解し、相手との信頼関係を築く
⑤ 相手に喜んでもらい満足してもらう
今回は、1秒Q『他には?』を紹介します。
この質問をすることで、話す想定がなかった話まで相手が話してもらえるので相手はとても喜びますし満足します。
更に、たくさんの話を聴いてきくれたあなたのことを好きになってくれるでしょう。
それでは、1秒Q『他には?』紹介していきます。
0 7秒しかけとは(1度読んだ方は読み飛ばしてください)
「7秒しかけ」とはしかけ研究家白潟敏朗と白潟総研のコンサルティング経験・ノウハウをベースに、次に示す習慣化の4つの技術を活用し開発したしかけです。
① 小さな行動から始める
~ 小さすぎてばかばかしいと思う行動が習慣になる(小さな習慣) ~
② If thenプランニング(もしXだったらYをする)
~ 「◯◯した時に□□する」で実行率アップ ~
【If-Thenプランニングの例】
・ 帰りに電車にのったら、明日見る動画の1行ゴールを書く
・ 行きの電車にのったら、ロジカルシンキング動画を1本見る
・ お風呂に入る前に、腕立て5回する
・ 先輩・上司に声をかけられたら、メモ帳を出す
できたら、自分を褒めましょう「よくできた!」
③ 20秒ルール
~ 始めるまでにかかる時間を20秒短くする ~
何かを始めるまでの手間を20秒短縮すると、20秒分の手間のかからなさが、頭によぎる「面倒くさい」を遠ざけ、「気がついたらやっていた」という達成感につながります。
20秒以内にすぐにやれるように準備することが大事!
④ マジックナンバー4
~ 週4回以上の実践で習慣化しやすい ~
習慣化の4つの技術に加え、最近流行りの行動経済学も活用しています。
特にナッジ理論「行動科学に基づいた小さなきっかけで人々の意思決定に影響を与え、行動変容を促す手法・戦略」を活かすことで、より簡単に実行できる工夫をしたしかけです。
具体的には1秒から7秒で実行でき小さな成功により少しだけ自信がつき、気がつけば習慣になっている、そのような効果のあるしかけです。7秒以内で実行できるので「7秒しかけ」と呼んでいます。
1 1秒Q『他には?』とは
突然ですが、次の同僚同士の会話のシーンを読んでください。
田中:『最近、なんか成長できてないんだ、この前も・・・』
自分:『(途中で遮り自分が話しだす)自分も成長できてないって感じる、今回の仕事でもいい成果がでなくてへこんでるよ』
田中:『…(途中で遮られ話を始められたので、話す気になれない)』
自分:『この前どうしたんだっけ?』
田中:『いや、もういいよ』
自分:『…』
田中さんの話を遮り、自分が話し始めています。
これは絶対やってはいけない聴き方です。
田中さんは不快に感じ相手のことを嫌いになったかもしれません。
さてここで、途中で遮らずに7秒しかけ「忍法オウム返し」を活用してみましょう。
田中:『最近、なんか成長できてないんだ、この前もいい仕事ができず落ち込んじゃった』
自分:『そう、落ち込んじゃったんだ』
(しばし沈黙)
田中:『昨日、上司にも『田中さん、最近伸び悩んでるね!』って言われてしまいかなりへこんだよ』
自分:『そっか、かなりへこんだんだ』
(しばし沈黙)
田中:『これではいけないと思い、気持ちを切り替え本を読もうと思っているんだ!』
自分:『なるほど、読書はいいね』
田中:『ありがとう!読書頑張るよ!』
自分:『そうだね』
ここで会話は終わりです。
「忍法オウム返し」は相手の話をしっかり聴いてるメッセージになるし、その後沈黙することで相手は他の話をしてくれる効果があります。
ただ、それ以上に相手のおもいや考えを聴きだすことはできないかもです。
もちろん、相手が話し好きの方であればたくさん話をするでしょう。
それでは、ここで1秒Q『他には?』を活用してみます。
(会話の途中から始まります)
田中:『これではいけないと思い、気持ちを切り替え本を読もうと思っているんだ!』
自分:『なるほど、読書はいいね! 他には?』
(田中さんが考え始めたので、しばし沈黙)
田中:『他には、本を読んだ後に学びをまとめ翌日から実践しようと思ってるんだ』
自分:『へー!、それはすごい効果的だね!めちゃくちゃいいじゃん』
田中:『ありがとう!』
自分:『他には?』
田中:『実践して上手くいったことは、みんなに共有しようかな?』
自分:『それまた、すごくいいね!私にも共有して』
田中:『了解、上手くいったらだけどね』
自分:『うん、田中さん、なんか元気な表情になってきたよ!私も本を読んで田中さんと意見交換していくよ、お互い成長していこう!』
田中:『うん、そうだね、お互い頑張ろう!今日は色々と聴いてくれて本当にありがとう!おかげで元気になってきた』
自分:『いえいえ、こちらこそ』
ここまでいかがでしたでしょうか?
冒頭の途中で話しを遮ったシーンだと田中さんは自身のおもいが語れずへこんだままです。
7秒しかけ「忍法オウム返し」を活用したシーンだと、田中さんが少し元気になり読書をする計画ができました。
聴く力の大切さが理解してもらえたのではないでしょうか?
「忍法オウム返し」に加え、1秒Q『他には?』を活用すると田中さんの考えてることやアイデアがいくつか浮かび整理されました。
その結果、読書 ⇒ 学びのまとめ ⇒ 学びの実践 ⇒ 成功事例の共有という成長プランができあがり、田中さんが元気になり成長できそうな感じになりました。
このように、1秒Q『他には?』を有効活用してもらうと、
① 相手のおもいや考えを聴きだしてあげる
② 相手の考えを整理してあげる
ことができます。
加えて、
③ 相手の興味や関心を理解し、相手との信頼関係を築ける
④ 相手に喜んでもらい満足してもらえる
も実現できます。
たかが短い質問1秒Q『他には?』ですが、意外と効果は絶大です。
効果絶大のしかけなんですが、留意点が3つあります。
① 「詰問調」ではなく「やさしくゆっくり」問いかける
そうすることで相手も答えやすくなると思います。
②何回も『他には?』と質問する場合は、表現を少し変える
『他には?』と何回も質問すると、質問が単調になるので相手のおもいや考え方を聴きだしにくくなります。
次のような表現も活用してください
『他にあるかな?』、『他にもあります?』、『他はどうです?』、『まだあったりしますか?』、『まだでます?』
③ 初回の『他には?』でいい回答やアイデアがでない場合は、その次に『他には?』と質問しない方がいい(相手がズレていることが、より明確になってしまう)
そのような場合は『他には?』ではなく、『なるほど、そういう考えもあるね、別の切り口で一緒に考えてみよっか』等の質問で会話の流れを変えた方がいいです。
ぜひ、皆さんの質問レパートリーに1秒Q『他には?』を加えてください。
2 アンカー(1秒Q『他には?』を思い出させるきっかけ)
きっかけがなくてもできる方は1秒Q『他には?』を実践してください。
実践するのに不安がある方は、人すなわち「メンバー」をきっかけにしましょう。
★ XXさんが声をかけてきた!
〇〇さんが話し始めた ⇒ 1秒Q『他には?』を実践する
さて、きっかけを誰にしますか?
全メンバーの中から次の条件にあてはまるメンバーを選んでください。
・ よく声をかけてくれる
・ コミュニケーションを取りやすい
・ 聴いてあげると喜びそう
・ 質問してあげると喜びそう
3 今すぐ準備しましょう
準備しなくても1秒Q『他には?』を実践できそうな方は今すぐ実践しましょう。
準備した方が実践しやすい方は今すぐ準備しましょう!
① 週4回以上の実践状況のチェックシート作成
前述したマジックナンバー4(週4回以上の実践で習慣化しやすい)を実践する準備です。準備の例を次に示します。
・ 「XXさんに1秒Q『他には?』と4枚のふせんに書く
(実践したらふせんをすてる!)
・ 1枚のふせんに1秒Q『他には?』
と4回のチェック欄を書く
(実践したらレチェックをいれる、4回チェックしたらすてる!)
② ①のチェックシートを手帳に貼る、またはパソコンに貼る
4 いつから実践しますか?
1秒Q『他には?』いつから実践しますか?
実践したいと思った方は今ここで実践時期を決めましょう!
・ 今から
・ 明日から
・ 明後日から
・ 来週の月曜日から
決めた実践時期を手帳やカレンダーに書き込みましょう。
1秒Q『他には?』実践と記入した付箋を手帳やパソコンに
貼ってもいいです。
1秒Q『他には?』の紹介は以上でおひらきです。
皆さんが聴き上手になられ、話し手に喜ばれることを心から願っております。
実践したらX(Twitter)への投稿、またはNoteへコメントしてもらえたら嬉しいです!
今日も、「日刊7秒しかけ」を読んでくれてありがとうございます。
1秒Q『他には?』の7秒しかけを気に入ってもらえたら、「日刊7秒しかけマガジン」のフォロー頂けると嬉しいです!
それでは、また明日!