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【7秒しかけ マネジメント編#48】1秒フィードバック『ミス3件から2件になったね』

木曜日はマネジメントに関する「7秒しかけ」を紹介していきます。

今回は、上司の皆さんが日頃から実践しているメンバーへのフィードバック力が更に向上する7秒しかけです。

その名も1秒フィードバック!今回で第11弾です。

7秒しかけの中でも特に簡単即効果を期待できるしかけです。

突然ですが、上司の皆さんに質問です。

スキルが低い未熟なメンバーが一生懸命仕事をしていたにも関わらず、先週ミス3件・今週ミス2件と2週連続でミスした場合どのようなフィードバックをしますか?

何回ミスすれば気が済むの?
等と叱る上司がいるかもしれません。

メンバーが手抜きや怠慢で連続ミスをした場合はそれもありだと思います。

ただ、今回のように未熟なメンバーが一生懸命仕事しながらミスをした場合は別のフィードバックの方が有効です。

今週もミスがあったか!なかなかゼロにならないね!

等とフィードバックするのが一般的だと思います。

メンバーとの信頼関係ができていて、ストレートなネガティブフィードバックが有効なメンバーにはありだと思います。


今回紹介したい1秒フィードバック

ミス3件から2件になったね

です。

えー!そんなフィードバックでいいの?

と思われた上司は、ぜひ読み進めてください。


0 7秒しかけとは(1度読んだ方は読み飛ばしてください)

7秒しかけ」とはしかけ研究家白潟敏朗と白潟総研のコンサルティング経験・ノウハウをベースに、次に示す習慣化の4つの技術を活用し開発したしかけです。

① 小さな行動から始める
~ 小さすぎてばかばかしいと思う行動が習慣になる(小さな習慣) ~

小さい行動はすぐに生活に取り入れることができ、やがて自然と大きく成長していきます。小さいことから始めれば、時間的な負担を気にせず大きな変化への第1歩を踏み出すことができます。

『習慣超大全/BJ・フォッグ (ダイヤモンド社)』

② If thenプランニング(もしXだったらYをする)
~ 「◯◯した時に□□する」で実行率アップ ~ 

簡単にいうと「もし○○だったら△△する」と決めておくだけです。
人間の脳は『XならY』という文章を記憶しやすく、無意識にそれに従って行動できるようになるようです。発動タイミングを決めてしまう、これが習慣化のポイントです。

『やり抜く人の9つの習慣/H・ハルバーソン著(ディスカヴァー・トゥエンティワン)』

【If-Thenプランニングの例】
・ 帰りに電車にのったら、明日見る動画の1行ゴールを書く
・ 行きの電車にのったら、ロジカルシンキング動画を1本見る
・ お風呂に入る前に、腕立て5回する
・ 先輩・上司に声をかけられたら、メモ帳を出す
できたら、自分を褒めましょう「よくできた!」

③ 20秒ルール
~ 始めるまでにかかる時間を20秒短くする ~
何かを始めるまでの手間を20秒短縮すると、20秒分の手間のかからなさが、頭によぎる「面倒くさい」を遠ざけ、「気がついたらやっていた」という達成感につながります。

20秒以内にすぐにやれるように準備することが大事!

④ マジックナンバー4
~ 週4回以上の実践で習慣化しやすい ~
習慣化の4つの技術に加え、最近流行りの行動経済学も活用しています。

特にナッジ理論「行動科学に基づいた小さなきっかけで人々の意思決定に影響を与え、行動変容を促す手法・戦略」を活かすことで、より簡単に実行できる工夫をしたしかけです。

具体的には1秒から7秒で実行でき小さな成功により少しだけ自信がつき、気がつけば習慣になっている、そのような効果のあるしかけです。7秒以内で実行できるので「7秒しかけ」と呼んでいます。

1 1秒フィードバック『ミス3件から2件になったね』とは

まずは、こちらの上司とメンバーの対話を読んでください。

上司:『佐藤さん、今週のミス何件だったの?』
佐藤:『申し訳ございません。2件でした』

上司:今週もミスがあったか!なかなかゼロにならないね!
佐藤:『申し訳ございません…』

上司:『どうすればミスはゼロになるかな?』
佐藤:『はぁ、一生懸命やってるのですが…』

上司:『一生懸命やっててもミスはダメだよ』
佐藤:『はい、申し訳ございません』

上司からミスが1件減った努力は全く認められてないので、佐藤さんはミスの再発防止策を考える気になれてないようです。

もちろん、この対話でミスゼロの取り組み案を考えるメンバーもいるかもしれません。

引き続き、こちらの対話を見てください。

上司:『佐藤さん、今週のミス何件だったの?』
佐藤:『申し訳ございません。2件でした』

上司:『そっか、ミス3件から2件になったね

佐藤:『はい、1件だけですが減りました。でも、まだゼロではないので来
    週はゼロ目指して頑張ります』

上司:『どうすればミスゼロになりそう?』
佐藤:『はい、まずはミスの原因から分析してみます』

上司:『そうだね、ひとりで分析できそう?』

佐藤:『はい、まずは自分で考えてみます。わからなくなったらマネジャー
    の力を借ります』

上司:『了解しました。原因が把握できたら声をかけてください』
佐藤:『はい』

いかがでしょうか?

佐藤さんは上司の『ミス3件から2件になったね』のフィードバックで、上司から小さな成果を認められたと思ったのでしょう。

上司は認めたと言うよりも「事実の伝達」をしただけです。

実は、上司からの事実の伝達は意外と効果があります。

・5日かかっていた仕事が3日になったね
(標準は2日)

・xxxxができるようになったね
(みんなができる仕事がxxxx)

手抜きや怠慢で成果が出ていない場合には叱るが有効です。

そうでない場合には、過去<現在の事実だけをメンバーに伝えます。

そうすると、メンバーは上司から認められたと思ってくれ、良くなるための努力をする方向にいきます。

1秒フィードバック『ミス3件から2件になったね』は、褒めたり認めたりすることが得意でない上司にもオススメしたいしかけです。

メンバーに過去より良くなった現在の事実を伝えると、メンバーは上司から認められた/ほめられたと感じてくれ喜びます。

それを見て、上司は少しずつメンバーを認めていけるようになっていきます。

気にいってもらえたら、1秒フィードバック『ミス3件から2件になったね』ぜひ活用してください。

2 アンカー(『ミス3件から2件になったね』を思い出させるきっかけ)

きっかけがなくてもメンバーにフィードバックできる方は
ミス3件から2件になったね』を実践してください。

実践するのに不安がある方は、人すなわち「メンバー」をきっかけにしましょう。

★ 〇〇さんが先週より今週の方が改善が見られた!
⇒ 
ミス3件から2件になったねとフィードバックする

さて、誰なら一番フィードバックしやすいですか?
全メンバーの中から次の条件にあてはまるメンバーを選んでください。

・ フィードバックしやすい
・ まじめで努力家
・ 考える力が弱い
・ フィードバックを素直にきく

3 今すぐ準備しましょう

ミス3件から2件になったね』を実践するには次の準備が必要です。
今すぐ準備しましょう!

① 週4回以上の実践状況のチェックシート作成
前述したマジックナンバー4(週4回以上の実践で習慣化しやすい)を実践する準備です。週4回は実践しないかもですが、準備の例を次に示します。

・ 「XXさんに『ミス3件から2件になったね』」と4枚のふせんに書く
(実践したらふせんをすてる!)

・ 1枚のふせんに『ミス3件から2件になったね』と4回のチェック欄を書く
(実践したらレチェックをいれる、4回チェックしたらすてる!)

② ①のチェックシートを手帳に貼る、またはパソコンに貼る

4 いつから実践しますか?

ミス3件から2件になったね』いつから実践しますか?
実践したいと思った方は今ここで実践時期を決めましょう!

・今日から
・明日から
・来週の月曜日から

決めた実践時期を手帳やカレンダーに書き込みましょう。
ミス3件から2件になったね』実践と記入した付箋を手帳やパソコンに貼ってもいいです。 

1秒フィードバック『ミス3件から2件になったね』の紹介は以上でおひらきです。皆さんのフィードバック力UPを心から願っております。

実践したらX(Twitter)への投稿、またはNoteへコメントしてもらえたら嬉しいです!

今日も、「7秒しかけ マネジメント編」を読んでくれてありがとうございます。

1秒フィードバック『ミス3件から2件になったね』の7秒しかけを気に入ってもらえたら、「7秒しかけ マネジメント編マガジン」のフォロー頂けると嬉しいです!

それでは、また来週!!




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