【7秒しかけ マネジメント編＃49】1秒コーチング『ゴールはなんだっけ？』
木曜日はマネジメントに関する「7秒しかけ」を紹介していきます。
コーチングスキルを身につけたい方はたくさんいますが、マスターするのはそれなりに大変です。
そこで、今回は1秒コーチング！第14弾を紹介します。
突然ですが、メンバーがやりたいことを上司に提案し、その提案がズレていた時に上司の皆さんならどうフィードバックしますか？
『私なら、それズレてるんじゃない？とフィードバックします』
なるほど、直接指摘する感じですね。
メンバーとの信頼関係ができていて、ストレートなネガティブフィードバックが有効なメンバーにはありだと思います。
『私は、それ今やるべき？と問いかけます』
ナイスコーチングですね。メンバーは今やるべきかをじっくり考えてくれそうです。
今回上司の皆さんに、もうひとつコーチングのセリフを紹介しいたいです。
おススメしたい1秒コーチングとは
『ゴールはなんだっけ？』
です。
既に活用している方は、ぜひ継続してください。
ここまで読んでもらいありがとうございます。
まだ活用していない方は、ぜひ読み進めてください。
０ ７秒しかけとは（１度読んだ方は読み飛ばしてください）
「7秒しかけ」とはしかけ研究家白潟敏朗と白潟総研のコンサルティング経験・ノウハウをベースに、次に示す習慣化の４つの技術を活用し開発したしかけです。
① 小さな行動から始める
～ 小さすぎてばかばかしいと思う行動が習慣になる（小さな習慣） ～
小さい行動はすぐに生活に取り入れることができ、やがて自然と大きく成長していきます。小さいことから始めれば、時間的な負担を気にせず大きな変化への第1歩を踏み出すことができます。
② If thenプランニング（もしXだったらYをする）
～ 「◯◯した時に□□する」で実行率アップ ～
簡単にいうと「もし○○だったら△△する」と決めておくだけです。
人間の脳は『XならY』という文章を記憶しやすく、無意識にそれに従って行動できるようになるようです。発動タイミングを決めてしまう、これが習慣化のポイントです。
【If-Thenプランニングの例】
・ 帰りに電車にのったら、明日見る動画の1行ゴールを書く
・ 行きの電車にのったら、ロジカルシンキング動画を1本見る
・ お風呂に入る前に、腕立て5回する
・ 先輩・上司に声をかけられたら、メモ帳を出す
できたら、自分を褒めましょう「よくできた！」
③ 20秒ルール
～ 始めるまでにかかる時間を20秒短くする ～
何かを始めるまでの手間を20秒短縮すると、20秒分の手間のかからなさが、頭によぎる「面倒くさい」を遠ざけ、「気がついたらやっていた」という達成感につながります。
20秒以内にすぐにやれるように準備することが大事！
④ マジックナンバー４
～ 週４回以上の実践で習慣化しやすい ～
習慣化の４つの技術に加え、最近流行りの行動経済学も活用しています。
特にナッジ理論「行動科学に基づいた小さなきっかけで人々の意思決定に影響を与え、行動変容を促す手法・戦略」を活かすことで、より簡単に実行できる工夫をしたしかけです。
具体的には1秒から7秒で実行でき小さな成功により少しだけ自信がつき、気がつけば習慣になっている、そのような効果のあるしかけです。7秒以内で実行できるので「7秒しかけ」と呼んでいます。
１ 1秒コーチング『ゴールはなんだっけ？』とは
まずは、上司と田中さんの1on1での対話を読んでください。
上司：『田中さん、最近考えていることを教えて？』
田中：『はい、実はチームビルディングに興味があり本を読み勉強しています』
上司：『ほー！チームビルディングか！すごいね』
田中：『いえいえ、なんかやってみたいんですよね？』
上司：『そっか、やってみたいのか？』
田中：『はい』
上司：『ちなみに、それ今やるべき？』
田中：『うーん、どうでしょうか』
（田中さん、沈思黙考、上司は沈黙）
田中：『今ではないかもしれませんが、学んでおきたいんです』
上司：『今学びたいんだ』
田中：『はい』
上司：『チームビルディングを学ぶ前に、他に学び実践することがあるのでは？』
田中：『そうですね、かしこまりました』
上司：『わかってくれてありがとう』
いかがでしょうか？
上司はナイスコーチングをし田中さんにチームビルディングを学ぶことが時期尚早だと気づかせることができました。
ただ、次へのアクションの方向性が決まっていません。
つぎに、上司と田中さんの1on1での対話を読んでください。
上司：『田中さん、最近考えていることを教えて？』
田中：『はい、実はチームビルディングに興味があり本を読み勉強しています』
上司：『ほー！チームビルディングか！すごいね』
田中：『いえいえ、なんかやってみたいんですよね？』
上司：『そっか、やってみたいのか？』
田中：『はい』
上司：『ちなみに、田中さんのゴールはなんだっけ？』
田中：『私のゴールですか？』
（田中さん、沈思黙考、上司は沈黙）
1分経過
上司：『田中さん、作業してるから、ゆっくり考えて』
田中：『ありがとうございます』
（田中さん、沈思黙考、上司は沈黙）
田中：『マネジャー、私にとってのゴールはグレード2（2等級）への昇格です』
上司：『グレード2への昇格か？』
田中：『はい、私も2年目なのでそろそろグレード2へ昇格したいです』
上司：『いいゴールだね！全力でサポートするよ』
田中：『ありがとうございます』
上司：『ところで、グレード2の昇格要件知ってる？』
田中：『はい、知ってます』
上司：『昇格要件にチームビルディングってあったっけ？』
田中：『いや、なかったと思います』
（上司は沈黙）
田中：『マネジャー、すみませんでした。グレード2に昇格するためにチームビルディングは必要ないです』
上司：『そうだね時期尚早だね。グレード4で必要になる要件だもんね』
田中：『はい、自分の興味本位でやりたいことを考えてしまいました』
上司：『そうか、自分で気づけて良かったね。これからは、グレード2の昇
格要件にある項目をマスターしていこう』
田中：『はい、頑張ります！ご指導よろしくお願い致します！』
上司：『もちろん、共に頑張ろう！』
いかがでしたでしょうか？
1秒コーチング『ゴールはなんだっけ？』により、田中さんに成長のゴールを認識させグレード２へ昇格する方向で努力することが決まりました。
メンバーのやりたいことが良くないと気づかせるだけなら『今やるべき？』が有効です。
やりたいことが良くないと気づかせ、本来目指すべき方向を認識させたい場合は『ゴールはなんだっけ？』がフィットします。
メンバーをどう気づかせるかで使い分けをするのがベストです。
1秒コーチング『ゴールはなんだっけ？』気にいってもらえたら、ぜひ実践してください。
２ アンカー（『ゴールはなんだっけ？』を思い出させるきっかけ）
きっかけがなくても『ゴールはなんだっけ？』実践できる上司は、今すぐ実践しましょう。
きっかけがあった方が『ゴールはなんだっけ？』を実践しやすい上司は「メンバー」をきっかけにしましょう。
次の条件に合うメンバーをきっかけにしてください。
・ 人間関係ができている
・ 考える力が弱い
・ コミュニケーション取りやすい
３ 今すぐ準備しましょう
準備しなくても実践できる上司は、今すぐ実践しましょう。
そうでない上司は『ゴールはなんだっけ？』を実践するには
次の準備が必要です。今すぐ準備しましょう！
① 週４回以上の実践状況のチェックシート作成
前述したマジックナンバー４（週４回以上の実践で習慣化しやすい）を実践する準備です。週4回も実践しないかもですが、準備の例を次に示します。
・ 「XXさんに『ゴールはなんだっけ？』と4枚のふせんに書く
（実践したらふせんをすてる！）
・ 1枚のふせんに『ゴールはなんだっけ？』と4回のチェック欄を書く
（実践したらレチェックをいれる、4回チェックしたらすてる！）
② ①のチェックシートを手帳に貼る、またはパソコンに貼る
４ いつから実践しますか？
『ゴールはなんだっけ？』いつから実践しますか？
実践したいと思った方は今ここで実践時期を決めましょう！
・ 今から
・ 明日から
・ 来週の月曜日から
決めた実践時期を手帳やカレンダーに書き込みましょう。
『ゴールはなんだっけ？』実践と記入した付箋を手帳やパソコンに
貼ってもいいです。
1秒コーチング『ゴールはなんだっけ？』の紹介は以上でおひらきです。皆さんのコーチング力アップを心から願っております。
実践したらＸ（Twitter）への投稿、またはNoteへコメントしてもらえたら嬉しいです！
今日も、「7秒しかけ マネジメント編」を読んでくれてありがとうございます。
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