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【水曜日のしかけ#15】『社長が言ったから』はNG
水曜日はマネジメントに関する「7秒しかけ」を紹介していきます。
社長の想いや考え方をベースに決まった事を、上司が自分の言葉でメンバーに伝え納得してもらうことは極めて重要なことです。
そこで、今回の7秒しかけは「『社長が言ったから』はNG」を紹介します。
上司が『社長が言ったから』とメンバーに言ってしまうと上司のリーダーシップや決断力が疑われます。
更に『社長が言ったから』と言うとメンバーのモチベーションは下がりますし、何回も言うとメンバーからの信頼も無くなります。
今回のしかけはすごくシンプルですが、これを実践してるかしていないかで上司力は大きく変わります。
実践しない人は、「上司力が低い」どころか会社にとってネガティブな存在にもなりかねません。
ぜひ、上司を目指す方や現在上司の方は一度読んでもらいたい話です。
0 7秒しかけとは(1度読んだ方は読み飛ばしてください)
「7秒しかけ」とはしかけ研究家白潟敏朗と白潟総研のコンサルティング経験・ノウハウをベースに、次に示す習慣化の4つの技術を活用し開発したしかけです。
① 小さな行動から始める
~ 小さすぎてばかばかしいと思う行動が習慣になる(小さな習慣) ~
小さい行動はすぐに生活に取り入れることができ、やがて自然と大きく成長していきます。小さいことから始めれば、時間的な負担を気にせず大きな変化への第1歩を踏み出すことができます。
② If thenプランニング(もしXだったらYをする)
~ 「◯◯した時に□□する」で実行率アップ ~
簡単にいうと「もし○○だったら△△する」と決めておくだけです。
人間の脳は『XならY』という文章を記憶しやすく、無意識にそれに従って行動できるようになるようです。発動タイミングを決めてしまう、これが習慣化のポイントです。
【If-Thenプランニングの例】
・ 帰りに電車にのったら、明日見る動画の1行ゴールを書く
・ 行きの電車にのったら、ロジカルシンキング動画を1本見る
・ お風呂に入る前に、腕立て5回する
・ 先輩・上司に声をかけられたら、メモ帳を出す
できたら、自分を褒めましょう「よくできた!」
③ 20秒ルール
~ 始めるまでにかかる時間を20秒短くする ~
何かを始めるまでの手間を20秒短縮すると、20秒分の手間のかからなさが、頭によぎる「面倒くさい」を遠ざけ、「気がついたらやっていた」という達成感につながります。
20秒以内にすぐにやれるように準備することが大事!
④ マジックナンバー4
~ 週4回以上の実践で習慣化しやすい ~
習慣化の4つの技術に加え、最近流行りの行動経済学も活用しています。
特にナッジ理論「行動科学に基づいた小さなきっかけで人々の意思決定に影響を与え、行動変容を促す手法・戦略」を活かすことで、より簡単に実行できる工夫をしたしかけです。
具体的には1秒から7秒で実行でき小さな成功により少しだけ自信がつき、気がつけば習慣になっている、そのような効果のあるしかけです。7秒以内で実行できるので「7秒しかけ」と呼んでいます。
1 「『社長が言ったから』はNG」とは
上司の皆さん、メンバーへ伝えにくいことや嫌がることを伝達する時に
『社長が言ったから』って言ったことありますか?
『白潟さん、私はメンバーにそれを言ったことはありません』
素晴らしいですね、ここまで読んでもらいありがとうございます。
『白潟さん、私はたまに言っちゃう時あります』
そうですか、それは残念ですね。
でも、言いたくなる気持ちは共感できます。
『社長が言ったから』とメンバーに言えば説得力ありますもんね。
『そうなんですよ、メンバーに文句は言われないと思うんです』
そうですね、でもデメリットもあると思いませんか?
『デメリットですか?』
はい、『社長が言ったから』と言ったらメンバーがどんな気持ちになるかを考えるとデメリットがみえてきませんか?
『うぅーん、なんだろう?もしかしたら私のリーダーシップや決断力が
疑われるのかな?』
それはありますね、上司が自らの判断や責任を明確にせず全てを社長の意志に帰することで、上司のリーダーシップや決断力が疑われますね。
更に『社長が言ったから』と言うとメンバーのモチベーションは下がりますし、何回も言うとメンバーからの信頼も無くなります。
なので、上司は社長の想いと考え方を深く理解したうえで、自分の言葉でメンバーに語るべきです。
もちろん、そこで社長の想いと考え方にずれた話はしてはいけません。
もし、すれているのであればもう一度社長の考えを聴き社長とじっくり意見交換した方がいいでしょう。
それでも、ズレている場合は上司を降りた方がいいかもしれません。
『白潟さん、『社長が言ったから』を言ってはいけない理由はよく理解できたけど、メンバーに嫌われるのがいやな自分もいます』
嫌われるのが嫌な気持ちは多くの人が持っているものですね。
社長からマネジメント力を評価されマネジャーに昇進したのですから、まずは自分に自信をもちましょう。
つぎの4つのポイントを踏まえメンバーとコミュニケーションを取ることでメンバーから嫌われることはないでしょう。
① 「説明」でなく「質問」
② 「聞いてもらう」でなく「考えさせる」
③ 「理解」でなく「腹落ち」
④ 「諦め」でなく「相談」
① 「説明」でなく「質問」
社長が決めたことをメンバーに説明するのではなく、質問しましょう。
例えば
『全社で1on1をやることになりました。1on1とは上司とメンバーの1対1の面談のことで、メンバーの成長のためにやります。・・・』
という、一方的な説明ではなく
『1on1って何のことだかイメージわく?』
『全社で1on1をやるねらいって何だと思う』
のように質問しながらメンバーとコミュニケーションを取ります。
② 「聞いてもらう」でなく「考えさせる」
①を実践すると、メンバーは上司からの話しを一方的に「聞いてる」でなく「考える」ようになります。
なので、質問は「Yes/No」という形での回答を求めるクローズドクエスチョンではなく、メンバーが自由に回答できるオープンクエスチョンを多用します。
③ 「理解」でなく「腹落ち」
②の実践でメンバーは考え始めます。
そこで、メンバーの答えに寄り添いながら質問を続けていくと、メンバーの理解が深まり気づくと腹落ちしているでしょう。
全社で決まった1on1推進に反対するメンバーと上司のやりとりをみてください。
上司:『1on1って何のことだかイメージわく?』
田中:『1on1なんで、1対1ですか?』
上司:『そうだね、私とみんなとの1対1の面談のことです』
田中:『マネジャーとの1対1の面談ですか? どのくらいの頻度でやるんですか?』
上司:『1週間に1回です』
田中:『えぇーー!そんなにやるんですか? やる必要ありますか?』
上司:『田中さんは、どう思うの?』
田中:『私は、そこまでやらなくてもいいと思います』
上司:『どうして、そう思ったの?』
田中:『はい、マネジャーとは日頃からコミュニケーション取ってるんで、いまさら週次で1on1しなくてもいいかなと思いました』
上司:『そっか、そう考えたんだ、意見ありがとう。少し話題かえるね、
田中さんは、全社で1on1をやるねらいって何だと思う』
田中:『ねらいですか? なんなんですかね・・・』
上司:『ごめん、じゃあ質問変えるね。 田中さんは現状、自分のイメージ通りに成長できてると思う?』
田中:『いや、まだまだ足りないです』
上司:『そっか足りないと思ってるんだね、私の田中さんへの成長サポートはどう感じてる? ぶっちゃけていいよ』
田中:『マネジャーの成長サポートですか、日頃からアドバイスもらってますが、私の足りない点や何をすればもっと成長するのか、このあたりの指導はもう少ししてもらいたいです』
上司:『十分な指導ができてなくてごめんね。実は、今回社長が全社で1on1を推進していくねらいはメンバーの成長、すなわち田中さんの成長なんだよ』
田中:『私の成長ですか!』
上司:『そう、先ほど田中さんが意見をくれたように全社的にマネジャーのメンバー成長サポートが十分でないという課題があるんだ』
田中:『そうなんですね』
上司:『そこで、社長は忙しいマネジャーに変革を促すために、あえて週次1on1を推進する意思決定をしたんだ』
田中:『なるほど、社長のおもいは理解できましたし、週次でやるこころも腹落ちしました。マネジャー、私の1on1よろしくお願い致します』
上司:『納得してくれてありがとう。田中さんの1on1はしっかりやるね』
田中:『ありがとうございます。でもマネジャー、メンバー4人への1on1大変ですね』
上司:『うん、大変だけど、仕事のやり方を改革し効率をあげ、田中さんたちにも今まで以上に仕事を任せ、1on1の時間を確保していくよ』
田中:『かしこまりました。私ももっと任せてもらえるよう頑張ります』
いかがでしょうか?
こんな感じで、メンバーの答えに寄り添いながら質問を続けていくと、メンバーの理解が深まり気づくと腹落ちしています。
このようなやり取りでコミュニケーション取れば嫌われることは少ないかと思います。
④ 「諦め」でなく「相談」
先ほどの田中さんの会話例はスムーズに腹落ちまでもっていけましたが、
メンバーによっては
・ 自分の成長サポートはいらない/成長したくない等の理由で納得しない
・ 上司のマネジメントに疑問があり反対し続ける
等が原因で、腹落ちしないこともあります。
そんな時は説得を「諦めるの」ではなく「上司/社長に相談」しましょう。
相談しメンバーへの対応方針を決め対応していきましょう。
メンバーへ伝えにくいことや嫌がることを伝達する時に「『社長が言ったから』はNG」です。ぜひ、自分の言葉で語っていきましょう。
2 アンカー(「『社長が言ったから』はNG」を思い出させるきっかけ)
「『社長が言ったから』はNG」は事前に準備をし実践しましょう。
3 今すぐ準備しましょう
準備しなくても実践できる上司は、今すぐ実践しましょう。
そうでない上司は「『社長が言ったから』はNG」を実践するには
次の準備が必要です。今すぐ準備しましょう!
① 4回以上の実践状況のチェックシート作成
前述したマジックナンバー4(週4回以上の実践で習慣化しやすい)を実践する準備です。準備の例を次に示します。週4回も実践する機会はないと思いますが、まずは4回実践しましょう。
・ 「XXさんに「『社長が言ったから』はNG」と4枚のふせんに書く
(実践したらふせんをすてる!)
・ 1枚のふせんに「『社長が言ったから』はNG」と4回のチェック欄を書く(実践したらレチェックをいれる、4回チェックしたらすてる!)
② ①のチェックシートを手帳に貼る、またはパソコンに貼る
4 いつから実践しますか?
「『社長が言ったから』はNG」いつから実践しますか?
実践したいと思った方は今ここで実践時期を決めましょう!
・ 次の経営会議の後から
・ 次々回の経営会議の後から
・ 上期/下期の経営会議の後から
決めた実践時期を手帳やカレンダーに書き込みましょう。
「『社長が言ったから』はNG」実践と記入した付箋を手帳やパソコンに
貼ってもいいです。
7秒しかけ「『社長が言ったから』はNG」の紹介は以上でおひらきです。
皆さんの社長の想い・考え方を伝える力UPを心から願っております。
実践したらX(Twitter)への投稿、またはNoteへコメントしてもらえたら嬉しいです!
今日も、「日刊7秒しかけ」を読んでくれてありがとうございます。
「『社長が言ったから』はNG」の7秒しかけを気に入ってもらえたら、
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それでは、また明日!