【木曜日のしかけ#35】主従を無くす呼び方
木曜日は経営言動、すなわち社長の言動に関する「7秒しかけ」を紹介していきます。社長の言動は幹部や社員のモチベーション、社長への信頼度に大きな影響を与えます。
突然ですが、社長「主従を無くす呼び方」って何のことだかイメージわきますか?。
『主従をなくす呼び方か? 上司と部下という呼び方のこと?』
たしかに、「上司」と「部下」と言う呼び方は主従関係のニュアンスが含まれますね。
上司が部下を支配し、部下が上司に従うという関係性を社長が重要だと考えるのであれば「上司」と「部下」という呼び方はありかもしれません。
そう考えない社長であれば、「上司」と「部下」でなく「リーダー」と「メンバー」等の呼び方に変えた方がいいでしょう。
今回の7秒しかけ「主従を無くす呼び方」は「上司」と「部下」だけでなく
他にも主従関係がでやすい呼び方も変えてはどうかという提案です。
『白潟さん、パートとかバイト?』
はい、まさにその通りです。
東京ディズニーリゾートではパートやアルバイト職を「キャスト(役者)」と呼び、数え切れないほどの笑顔につながる仕事で活躍してもらってます。
有名なので知ってる社長も多いでしょう。
「パート」「バイト」ではなく「キャスト」のような呼び方をしている会社は、パートやアルバイト職の役割や貢献を尊重している姿勢が明確で素晴らしいです。
おそらく「派遣さん」「紹介スタッフ」「副業の人」「フリ-ランス」「外注」等の呼び方もしていないでしょう。
ここまで読んでもらいありがとうございます。
会社がパートやアルバイト職を支配し、パートやバイトが会社に従うという関係性を社長が重要だと考えるのであれば「パート」「バイト」の呼称を変更する必要はありません。
7秒しかけ「主従を無くす呼び方」は余計なお世話でした。
すみません。
主従関係にしたいわけではなく、たまたま「パート」「バイト」と呼んでいる会社の社長はもう少しお付き合いください。
0 7秒しかけとは(1度読んだ方は読み飛ばしてください)
「7秒しかけ」とはしかけ研究家白潟敏朗と白潟総研のコンサルティング経験・ノウハウをベースに、次に示す習慣化の4つの技術を活用し開発したしかけです。
① 小さな行動から始める
~ 小さすぎてばかばかしいと思う行動が習慣になる(小さな習慣) ~
② If thenプランニング(もしXだったらYをする)
~ 「◯◯した時に□□する」で実行率アップ ~
【If-Thenプランニングの例】
・ 帰りに電車にのったら、明日見る動画の1行ゴールを書く
・ 行きの電車にのったら、ロジカルシンキング動画を1本見る
・ お風呂に入る前に、腕立て5回する
・ 先輩・上司に声をかけられたら、メモ帳を出す
できたら、自分を褒めましょう「よくできた!」
③ 20秒ルール
~ 始めるまでにかかる時間を20秒短くする ~
何かを始めるまでの手間を20秒短縮すると、20秒分の手間のかからなさが、頭によぎる「面倒くさい」を遠ざけ、「気がついたらやっていた」という達成感につながります。
20秒以内にすぐにやれるように準備することが大事!
④ マジックナンバー4
~ 週4回以上の実践で習慣化しやすい ~
習慣化の4つの技術に加え、最近流行りの行動経済学も活用しています。
特にナッジ理論「行動科学に基づいた小さなきっかけで人々の意思決定に影響を与え、行動変容を促す手法・戦略」を活かすことで、より簡単に実行できる工夫をしたしかけです。
具体的には1秒から7秒で実行でき小さな成功により少しだけ自信がつき、気がつけば習慣になっている、そのような効果のあるしかけです。7秒以内で実行できるので「7秒しかけ」と呼んでいます。
1 「主従を無くす呼び方」とは
社長、突然ですがパートやアルバイト職の方を「パートさん」「バイト」等と呼ぶとパートやアルバイト職の方はどう感じると思いますか?
『どうなんだろうね、気にしない人もいるとは思うけど、社員との壁を感じる人もいるんじゃないかな?』
そうですよね、私も同感です。
組織内で「パートさん」や「バイト」といった呼び方を使うことには、いくつかのデメリットが考えられます。
これらの呼称は、非正規雇用の従業員を指す場合が多く、次のような問題を引き起こす可能性があります。
① 従業員同士の一体感が弱まる
「パートさん」や「バイト」という呼び方は、正社員との間に階層感を生む可能性があります。
このような区別が強調されると、従業員同士の一体感が弱まりチームワークに悪影響を及ぼすことがあります。
② パートやアルバイト職のモチベーションの低下
「パートさん」や「バイト」という呼び方は、職務や役割の重要性が会社から低く評価されているという印象を与えます。
その結果、パートやアルバイト職のモチベーションが低下し、業務に対する責任感や意欲が減少するかもしれません。
③ 職場内コミュニケーションが無くなる
これらの呼び方が固定化されると、正社員と非正規雇用者の間で心理的な距離が生じ、オープンなコミュニケーションが難しくなることがあります。
これにより、情報の共有が不足し誤解やトラブルが増える可能性があります。
④ 将来の夢が無くなる
「パートさん」や「バイト」という呼び方は、これらの従業員が組織内でのキャリアアップやスキル向上を目指すことを難しくする可能性があります。
呼び方がそのままパートやアルバイト職の将来の可能性を制限することに繋がる恐れがあります。
⑤ 外部への印象が悪化する
組織外部の人々がこれらの呼び方を耳にすると、職場の環境や組織文化に対してネガティブな印象を持つことがあります。
特に、現代の多様性を重視する社会においては、特定の従業員に対する呼称がその組織の価値観を疑わせることもあります。
多くの問題が起こる可能性が高いので、社長
「パートさん」や「バイト」
といったような呼び方を止めてはどうでしょうか?
社長、改めて考えてみましょう。
「うちの社員とパートやアルバイト職に主従関係があるのか?」
ないのであれば、誤解を招く呼び方を変更しましょう。
社長が変更することによるデメリットはありません。
社長の意思決定で前述した5つの問題点は解決できます。
社長、「パートさん」や「バイト」という呼び方を変更しましょう!
参考までに、パートやアルバイト職を戦力として有効に活用している代表的な会社の呼び方をいくつか紹介します。
・クルー :マクドナルド
・キャスト :ディズニーランド
・アソシエイト:スターバックス
・パートナー:ユニクロ
・ナビゲーター:無印良品
・ビューティーアドバイザー:資生堂
・サポーター:ファミリーマート
・フレンド:サイゼリヤ
・メイト:ドン・キホーテ
ちなみに、「パートさん」や「バイト」だけでなく
「派遣さん」「紹介スタッフ」「副業の人」「フリ-ランス」「外注」等の呼び方も併せて変更しましょう。
社長、7秒しかけ「主従を無くす呼び方」ぜひ実践してください。
2 アンカー(「主従を無くす呼び方」を思い出させるきっかけ)
「主従を無くす呼び方」は準備をすれば実践できます。
3 今すぐ準備しましょう
「主従を無くす呼び方」を実践する社長は次の準備をしましょう!
① 新しい呼称を決める
「パートさん」「バイト」「派遣さん」「紹介スタッフ」「副業の人」「フリ-ランス」「外注」の新しい呼び方を決めましょう。
② 変更のねらいの説明
呼称を変更するねらいを社長/管理本部長が全社員へ説明します。
③ 運用開始時期の説明
新しい呼称の運用開始時期を管理本部長/マネジャーが全社員へ説明します
④ 3ヵ月後の経営会議に議題設定
新しい呼称に変更3ヵ月後に、その効果を経営会議で評価します。評価結果が悪ければ呼称を変更しましょう。
4 いつから実践しますか?
「主従を無くす呼び方」いつから実践しますか?
実践したいと思った方は今ここで実践時期を決めましょう!
・来月から
・再来月から
・上期/下期から
・来期から
決めた実践時期を手帳やカレンダーに書き込みましょう。
「主従を無くす呼び方」実践と記入した付箋を手帳やパソコンに
貼ってもいいです。
「主従を無くす呼び方」の紹介は以上でおひらきです。
社長の会社のパートやアルバイト職の更なる活躍を心から願っております。
実践したらX(Twitter)への投稿、またはNoteへコメントしてもらえたら嬉しいです!
今日も、「日刊7秒しかけ」を読んでくれてありがとうございます。
「主従を無くす呼び方」の7秒しかけを気に入ってもらえたら、
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それでは、また明日!明日はフツーの会社のすごいしかけです。