【すごいしかけ#47】48か月離職率ゼロの人事制度
すみません!「日刊7秒しかけ」なのですが
毎週金曜日は「7秒しかけ」ではなく、フツーの会社の「すごいしかけ」を紹介します。
フツーの会社の「すごいしかけ」とは、GoogleやAmazon等の一流企業が実践しているしかけではなく、隣の優良な中小ベンチャー企業にしかけ研究家白潟がインタビューさせてもらい発見したしかけです。
第47弾の「すごいしかけ」は榮澤社長の「48か月離職率ゼロの人事制度」です。
榮澤社長の会社はSESの事業が主力で、離職率が3割なんてこともざらにある業種です。
しかし、そんな業界でも驚異の低離職率を誇る秘訣を紹介します。
業界に関係なく、離職率に悩む社長に参考にしてもらえたら嬉しいです。
1 「48か月離職率ゼロの人事制度」の内容
48か月離職率ゼロの人事制度とは、「月次アンケート」と「単価評価制度」です。
まずは「月次アンケート」を紹介します。
毎月社員にはアンケートで、「今の仕事を継続したいか」などの仕事に対する要望や「最近の体調/メンタルの調子」また「マイブーム」「好きな歌手」などのプライベートなことまでたくさんの質問に回答してもらいます。
現場から上がってきた要望、小さな不満、違和感を経営陣が吸い上げて解決することで、「社員の声に経営陣が本気に向き合ってくれる」という信頼を獲得しています。
いい頻度で「継続したくない」と正直なフィードバックをもらえるので、ちゃんと環境改善に取り組むことができています。
さらには、定常的に社員の素直な声を吸い上げているので経営判断が現場感と大きく乖離することもありませんし、何か大きな問題が起きる前に小さな不満を小さく解消し続けられるのです。
※残りのアンケート回答は日ごろのマネジメントや社内イベントの企画に役立てられます。
次に「単価評価制度」を紹介します。
SES事業部のメンバーに限り、単価評価で売上の70%を給与に分配しています。
もちろん、全社の福利厚生の手当は70%に含まず上乗せしての支給です。
そして、単価もマージン率も社員に全て公開しています。
自分の人月単価を知らないエンジニアが多い中、エンジニアには月にどれくらいの単価の仕事をしていて、そのうちどれくらいが給与として還元されているのかまで、全て包み隠さず伝えています。
だからこそ、不満もほとんど出ません。
自分のスキルが高くなり、仕事を極めれば極めるほど明確に給料が上がっていくというわけです。
給料を上げたいときには、不満を言ったり変に社内政治に取り組んだりするのではなく、適切な方向に努力してくれます。
二つの仕組みが上手くいっているのは、エンジニアの努力や正直なフィードバックのおかげというのももちろんですが、営業メンバーの存在も欠かせません。
SES事業部の営業メンバーは4人。営業だけではなくエンジニアのマネジメントも行っています。
さらにすごいのが、キャリア相談を受けてその中から出てきたエンジニアの「やりたい仕事」を優先して案件をとって来てくれます。
協力会社さんともかなり繋がりが深いので、案件を請け負ってアサインしてくれています。
エンジニアにとって営業メンバーは、キャリア相談ができてやりたい仕事をとって来てくれる最強の存在。
こんな最強の味方がいるSES事業部なので離職率0が継続できています。
2 このしかけのすごいところ
・退職リスクヒヤリハットになっている
「1件の大きなリスク」を「たくさんの小さな解決」で予防する。
この考え方は、ハインリッヒの法則に通ずるものがあります。
重大な揉め事や退職の申し出があってから対策するのではなく、日ごろの些細な不満を1つずつ解決することでそもそも離職に至りそうなリスクを減らすことができているのです。
・アンケートに素直に自分の不満を書いてくれる
そもそも、アンケートを実施しただけで社員が素直に本音を話してくれるとは限りません。
「ネガティブなことを回答したら人事評価に影響するのではないか」
「あとで上司に詰められたら面倒だからお茶を濁しておこう」
こんな風に形骸化してしまうリスクもある施策です。
しかし榮澤社長の会社では、このアンケートの趣旨を繰り返し社員に伝えて毎月アンケート結果に経営陣が真摯に向き合ってきた実績を積むことで、社員が素直にアンケートに答えてくれるだけの信頼関係を築いているのです。
3 自社に導入する際の工夫・注意点
・安請け合いは事故の元
いくら離職率を下げたいといっても、アンケートに書かれた不満をなんでもかんでも解決することが正しいとは限りません。
他の社員との不公平を生んでもいけませんし、どれだけ言われても解決できないこともあります。
重要なのは、経営陣がその声に真摯に向き合い信頼関係を築くことです。
簡単に「必ず解決する」と口約束をして、期待を裏切るようなことがあればこのしかけは離職率低下どころか離職理由にもなり得ます。
・「月次アンケート」と「単価評価制度」だけで離職率が低いわけではない
そもそも榮澤社長の会社では、業界内でも比較的高水準の待遇と働く環境が用意されています。
また、アンケート以外でも社員と社長が直接対面してコミュニケーションを取れるランチ1on1なども実施されています。
これらの素地があって初めて社長と社員の関係性ができあがっていたことも、このアンケートの成功に大きく影響しているでしょう。
※以前、全社員との1on1ランチについてはすごいしかけ記事として取り上げさせていただきました。
4 すごいしかけの会社はコチラ!
すごいしかけ「48か月離職率ゼロの人事制度」を実践されている会社は、本社が東京都中央区にある「Inspire the value.」をビジョンに掲げている株式会社リゾームです!
桃李成蹊な榮澤社長が経営されておられる会社です。
現在、3つの事業を展開されています。「
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それでは、また来週!