【金曜日のしかけ#32】プラチナ企業への道
すみません!「日刊7秒しかけ」なのですが
毎週金曜日は「7秒しかけ」ではなく、フツーの会社の「すごいしかけ」を紹介します。
フツーの会社の「すごいしかけ」とは、GoogleやAmazon等の一流企業が実践しているしかけではなく、隣の優良な中小ベンチャー企業にしかけ研究家白潟がインタビューさせてもらい発見したしかけです。
この記事ではネームバリューや業界特性ではなくすごいしかけや社長の工夫をニュートラルに読んでもらいたいので会社名は最後に紹介します。
ただ、気になるかと思いますので、しかけの実践者の名前だけは先に公開したいと思います。
第32弾の「すごいしかけ」は林社長の「プラチナ企業への道」です。
このすごいしかけは、一言でいうとホワイト企業目指してちゃいけない!!というものです。
”ゆるブラック”という言葉を聞いたことはありますか?
ただホワイトなだけな会社って、成長環境も仕事のやりがいもなくて逆に「ゆるすぎてもはやブラック企業だよね」という流行語です。
もはや「ホワイト企業(働きやすい企業)」になるだけでは足りないということです。
次の画像を見てください。
働きやすさだけの「ホワイト企業」ではなく、働きやすさと働きがいの両立した「プラチナ企業」を目指すのが紹介するすごいしかけです。
1 「プラチナ企業への道」の内容
昭和の時代は頑張ればほとんどの方が豊かになれました。その希望がモーレツ企業で昼夜問わず働く社員の「働きがい」でもありました。
この昭和的発想は平成の世に変質し「働きやすさ」を尊重するホワイト企業に脚光が当たり始めました。
その副作用で企業と社員の関係は淡泊になってきたし、成長環境も仕事のやりがいもない「ゆるブラック」という言葉が流行るほどになってきました。
このような時代背景を踏まえ、林社長はホワイト企業ではつまらないと考え、働きがいと働きやすさを両立した「プラチナ企業」へ進化する決意を「プラチナ企業宣言」にまとめ全社員に発表しました。
林社長は、「プラチナ企業宣言」を出す前から社是「サービスを通じユーザーに愛され信用・信頼を得ることが最大の目的である」と経営理念を掲げそれらを体現するために必死に経営をしています。
加えて、社員にも社是と経営理念を徹底的に浸透させ日々体現してもらっています。
社是と経営理念の体現をベースに「プラチナ企業」を目指すために林社長が実践している具体的な取り組みを、日本経済新聞が提唱している3つのポイント別に紹介します。
もちろん、進化を始めたばかりの取り組みなのでまだまだ十分ではありません。次期中期3か年計画の完了時期(2028年10月)である4年後に「プラチナ企業」に進化できるよう毎年継続的に取り組んでいく予定のようです。
【ポイント1 老若男女が生き生きと働ける】
・社員がチャレンジしたい仕事をやってもらう
1年に1回自己申告シートを作成し本人の希望を聞き人事異動に反映させる制度に加え、半年に1回の全社キックオフミーティングで本人のチャレンジしたい内容をアピールしてもらい人事異動の希望に添えるような仕組みもあります。
アイデアコンテストで自身がやりたい事業・サービスのアイデアを考え、経営陣にプレゼンし承認されれば新規事業や新商品開発にチャレンジできるしかけもあります。
・とことん任せる
社長が幹部に任せ、幹部がメンバーに任せることを徹底的に実践しています。任せられることで社員は難易度の高い仕事にチャレンジし成長できます。
任せる時のポイントは意味と目的だけを伝え、やり方は教えず好きにやってもらうことです。
・新しい組織「Advanced Technology Development」の設置
最先端の技術を各事業部で活用できるよう、日々AI・ブロックチェーン等の最新技術を収集/研究し現場にフィードバックする部門を設置し、各事業部での事業開発支援をしています。
・幹部候補生だけの新卒採用
毎年10人以上の新卒採用をしてきたが、今年から幹部候補生だけの厳選した採用に変更しています。新入社員には幹部を目指し入社後様々なチャレンジをし生き生きと働いてもらいます。
・褒められ制度
社是である「ユーザーに愛され信用・信頼を得る」が実践できているかどうかを社員が直接確かめるため褒められ制度を運用しています。
一般的に"お客様の声"は現場ではなくマーケティング担当者や営業担当者がお客様にインタビュー・収集し社内外に共有しています。
褒められ制度では、現場でお客様から褒められたことを現場の担当者がそのままメモをとり褒められシートにまとめ全社に共有しています。
毎月10件~20件ほどお客様から愛された声を収集でき、半期に一度、全社会議で発表し表彰されます。
次の画像にお客様から褒められた声を示します。
・リファラル採用/アルムナイ採用の積極的推進
直近2年間の中途採用のうち5割以上がリファラル採用経由です。また、アルムナイ採用でも過去2年で4人の社員が戻ってきています。
※アルムナイとは、会社の退職者(OB・OG)のことで
リファラル採用やアルムナイの活発度合いは、会社がどれだけ社員に好かれ働きがいを感じているかを如実に表しています。
・オープンオフィス
社員だけでなく、日々支えてくれている家族を会社のイベントに招待しています。
「パパ/ママってこんなお仕事してるんだよ」と会社や仕事を理解・応援してもらう取り組みです。
先日のファミリーオープンでは、新オフィス開所という会社の新しい一歩を社員だけでなくその配偶者と子供にも実感してもらうために、
オフィスの上階にある「OMO5東京五反田by星野リゾート」宿泊費用を会社が全額補助しました。
その時のアンケート結果を次の画像に共有します。社員にも家族にもとても喜んでもらえたようです。
【ポイント2 会社と社員の目指す方向が一致している】
前述した通りですが社是「サービスを通じユーザーに愛され信用・信頼を得ることが最大の目的である」と経営理念を全社員に浸透させ体現しています。
社是に加え経営理念の2つ
・独自の製品・技術・サービスを生む出せる会社にする
・時流の変化に敏速に対応できる会社にする
この2つの経営理念は社員が日々仕事をしていく上でのゴールになっており年2回実施する全社セミナー等の経営理念浸透の活動を通じ会社と社員の目指す方向を一致させています。
【ポイント3 働く場所や時間を問わない柔軟な労働環境が整備されている】
・フルリモート
2016年からリモートワークを解禁し、2020年には完全にリモートワークで業務を完結できる仕組みをリリースしました。
2022年テレワーク推進賞で「奨励賞」を受賞しています。
https://japan-telework.or.jp/associationactivities/suishin/2021report/)
・残業30時間アラート
長時間残業を防ぐため、月当たり30時間以上残業すると経営陣にアラートが上がります。アラートが発生した社員には上司が都度指導し30時間以上働かせないようにしています。
もちろん、勝負所などでしっかり仕事をしたい人には残業してもらっています。全社員の月間平均残業時間は10時間未満です。
2 このしかけのすごいところ
・林社長の本気度
林社長が「ホワイト企業」ではつまらないと考え「プラチナ企業」へ進化する決意を「プラチナ企業宣言」にまとめ全社員に発表し、本気で「プラチナ企業」を目指し変革を推進しています。
・社是・経営理念の体現が「プラチナ企業」への進化
社是「サービスを通じユーザーに愛され、信用・信頼を得ることが最大の目的である」は、社員が生き生きと働けることを実現できる大きな指針になっています。
次の7つが経営理念-基本的な理念ですが、社員が生き生きと働け、働く場所や時間を問わない柔軟な労働環境を整備できる指針になっています。
・社会的に信頼され、貢献する会社にする。
・独自の製品・技術・サービスを生み出せる会社にする。
・時流の変化に敏速に対応できる会社にする。
・会社の成長が社員の幸福につながる会社にする。
・同業他社と比べ、常に上位にランクされる会社にする。
・業界に於いて、より高収益・高賃金の会社にする。
・社員のレベルアップが会社の成長につながる会社にする。
3 自社に導入する際の工夫・注意点
・社長が本気でなければ実施しない方が良い
社長が自身のプライド充足や憧れだけで「プラチナ企業」へ進化する変革をすると、制度や仕組みが形骸化した形だけの「プラチナ企業」になってしまいます。
社員が働きやすさを感じ働きがいを持ってもらう会社になることは一朝一夕には実現できません。中途半端な気持ちで取り組まない方がいいでしょう。
・短期で実現できると考えず長期で変革していく
前述した通り働きやすさと働きがいの両立は一朝一夕には実現できません。5年から10年くらい時間をかけ取り組む覚悟で推進していきましょう。
4 すごいしかけの会社はコチラ!
すごいしかけ「プラチナ企業への道」を実践されている会社は、本社が東京都品川区にある「サービスを通じユーザーに愛され、信用・信頼を得ることが最大の目的である」を社是に掲げている東京システムハウス株式会社です!
威風堂々とした林社長が経営している会社です。
現在、7つの事業を展開されています。
今日も、「日刊7秒しかけ」を読んでくれてありがとうございます。
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それでは、また来週!