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【金曜日のしかけ#6】脳みそ丸見え経営会議
すみません!「日刊7秒しかけ」なのですが
毎週金曜日は「7秒しかけ」ではなく、フツーの会社の「すごいしかけ」を紹介します。
フツーの会社の「すごいしかけ」とは、GoogleやAmazon等の一流企業が実践しているしかけではなく、隣の優良な中小ベンチャー企業にしかけ研究家白潟がインタビューさせてもらい発見したしかけです。
第6弾の「すごいしかけ」は「脳みそ丸見え経営会議」です。
社長、すみません!
脳みそ丸見えってイメージわきますか?
『みんなの考えが見えてしまうってこと?』
はい、まさにその通りです。
経営会議に参加する社長と経営幹部の考えている事や思っている事が、参加者全員に明確にわかってしまうということです。
「脳みそ」と言う言葉が不快なおもいをさせてしまったらごめんなさい。
一般的な経営会議では参加者全員が考えていること全てを発言することは難しいです。色々な原因が想定されます。
・ 時間的制約があり全員が発言できない
・ 社長の前で経営幹部は発言しにくい
(例:これ言ったら社長から叱られる、未熟だと思われる)
・ 発言するリスクやデメリットを踏まえ発言を控える
(例:こんなこと言ったらXX部長の評価がさがる、目をつけられる)
ところが、今回の「脳みそ丸見え経営会議」ではそれが可能になります。
なんと、「1枚のスプレッドシート」で出来てしまいます。
それでは詳しく紹介していきます。
1 脳みそ丸見え経営会議の内容
「脳みそ丸見え経営会議」の概要を示します。
① 準備するもの
・ 経営会議のテーマと参加者を記入したスプレッドシート
まずは、左の1列に経営会議のテーマ(議題)を記入します。
つぎに、上の1行に経営会議の参加者を記入します。
![](https://assets.st-note.com/img/1706622126951-SoWjEdTzwP.png?width=1200)
② スプレッドシートを活用するタイミング
・ 全員の意見をベースに議論したいテーマのとき
このスプレッドシートへの記入タイムは経営会議中に何度設けてもいいのですが、おおよそ2時間の会議で1~3回が目安です。
また、1度の記入タイムはシンキングタイムと合わせて10~15分とします。
(テーマに合わせて調整すればいいかと思います。)
時間が来たら全員の記入が終わったことを確認し、一斉にエンターキーを押します。
(記入タイム中は記入が終わってもエンターキーを押してはいけません。記入した内容がスプレッドシートに表示されてしまうので。)
③ スプレッドシート入力後の発言の順番
スプレッドシートに一斉にエンターキーを押した後の発言の順番をどうするかは社長が議論を進めたい方向で決めます。
例えば、次のような議論の進め方です
・ 少数意見の経営幹部から発言させ、多数派と議論させる
・ ぶっ飛んだ意見の経営幹部から発言させ、周りの感想をきき議論する
・ スプレッドシートの記入量が少ない経営幹部に発言させ、社長が質問しその経営幹部の意見を引き出す
・ 社長と真逆の意見の経営幹部から発言させ、社長と議論する
このような準備・進め方で実施します。
「脳みそ丸見え経営会議」いかがでしたでしょうか?
シンプルですよね。
気に入っていただけたら、ぜひ実施してみてください。
2 このしかけのすごいところ
このしかけのすごいところは次の4つです。
① 発言/意思表示から逃げられない
経営会議は会社の重要な意思決定をする会議です。意思決定を間違えたら会社が傾くリスクもあります。
そのような経営会議において経営幹部は自分の見解を述べ、他の経営幹部と真剣に議論しなくてはいけません。
ある意味、自分の実力をさらけ出さなければいけない緊張の場です。
だからこそ、「自分の未熟さを隠したい」「反論されて惨めな思いをしたくない」等と発言を控えてしまうかもしれません。
そのような経営幹部は経営会議に参加する資格はありません。
そこで、スプレッドシートに一斉に自分の意見を記入させることで、自ずと全員が自身の考えを表明するようになります。
② 人の意見に同調できない(=経営幹部の脳みそ丸見え)
経営幹部として、忖度を抜きに主張すべきは主張してほしい。
これはどこの社長でも常々思っていることじゃないでしょうか。
しかし、実際には経営会議に参加している全員が自分の考えをストレートに表明する、なんてことは滅多にないです。(そんな会社があったらすごい!)
ややもすると、社長やNO2の意見に同調しがちです(同調効果)。
同調効果(同調現象)とは、無意識に自分の考えや行動を、周囲に合わせて同調してしまう心理効果のことです。
そして、この同調効果は、非常に強い効力があると知られており、例え周囲の意見が間違えているとわかっている場合でも、それに倣ってしまうのです。
スプレッドシートを使ったこのしかけの方法では、仕様上他の人の意見を参考にしてから自分の意見を述べることができません。
(スプレッドシートは同時編集が可能ですが、記入中はエンターキーを押すまで内容が他の人からは見えません)
経営幹部全員が人の意見をカンニングすることなく発言し、それを一斉に見ることができます。
それがこのしかけの一番秀逸なポイントだと思います。
ドラッカーも著書マネジメントで「意見の相違を重視する」と述べています。
ある案だけが正しく、その他の案はすべて間違っていると考えてはならない。自分は正しく、他の人は間違っていると考えてもならな い。
なぜ他の者は意見が違うのかを明らかにすることからスタートしなければならない。
明らかに間違った結論に達している者がいても、 それは、何か自分と違う現実を見、自分と違う問題に関心を持っているからに違いないと考えなければならない。
自分とちがう他の人の意見を聴き、なぜちがうのかを明らかにし考えることが重要だと言っています。「脳みそ丸見え経営会議」では、その実現ができるのです。
③ お互いのことを深く理解できる
社長は、スプレッドシートに一斉に記入された経営幹部の意見を見ることで経営幹部一人ひとりのことが把握できます。
もちろん、経営幹部もお互いの理解を深めることができます。
・ 何を考えているのか?
・ 考え方や考える時の癖
・ 該当テーマについてどう受け止めているのか?
・ 該当テーマに関する知識・経験・ノウハウ・こだわり
社長は経営幹部との1on1、個別ミーティング、またはサシ飲み等で彼らのことを理解していると思います。
ただ、特定の経営テーマについての考え方や意見は「脳みそ丸見え経営会議」だけで知ることができます。
④ 経営幹部の育成や指導、評価にも活用出来る
経営の意思決定でどれだけパフォーマンスを発揮するのか。
これは経営幹部としての重要な役割の一つです。
言い換えるとスプレッドシートに記入した内容は幹部の実力を反映しているとも言えます。
その内容をもとに社長が「もっと経営チームとして全社最適視点が欲しい」「せっかく鋭い戦略眼があるのだから普段からもっと積極的に提案してほしい」とそれぞれの経営幹部に対して指導、提案をすることも可能でしょう。
また、社長目線だけでなく経営幹部同士でお互いの脳みそが一目で分かるというのもポイントです。
実力のある幹部と見比べて自身の成長課題に気づけたり、評価の低い幹部の隠れた実力を認めるきっかけにもなるでしょう。
記入したスプレッドシートを保存しておくことで、以前の見解と最近の意見のちがいに気づけ社長が経営幹部の成長を実感することもできますし、経営幹部も自身で変化に気づけたりもします。
3 自社に導入する際の工夫
すごいしかけ「脳みそ丸見え経営会議」はいかがでしたでしょうか?
気に入って頂けたら、ぜひ皆さんの経営会議で導入してみてください。
ただ、自社に導入する際は次の点に留意した方がいいでしょう。
・ 初めの段階は、意見がでやすいテーマから始めてもいい
・ スプレッドシートで実施出来ない場合は、容易にできる「〇×プレート」、少し難易度が高まる「ふせん」、「方眼紙」、「白紙」等で代替しましょう。
・ 初めの段階は、社長・NO2等の重役だけがスプレッドシートを記入してもいい(イメージがわき慣れてきたら取締役・部長も記入する)
・ スプレッドシートにテーマを記入するのは事前ではなく都度でもいい
最後に、このしかけはシンプルで秀逸なので「経営会議以外の会議でも実施したい!」と思われるかもしれません。
ただ、正直に言って経営会議以外での実施はおすすめできません。
「全員の実力差が如実に表れてしまう」というのは、信頼のできる経営幹部同士以外ではデメリットになってしまうことに注意が必要です。
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すごいしかけ「脳みそ丸見え経営会議」を実践されている会社は、本社が東京飯田橋にある「個人と企業にイノベーションの力を与える」をビジョンに掲げている株式会社イノーバ様です!
溢れる教養の持ち主、宗像社長が経営されておられる会社です。
現在、3つの事業を展開されています。
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今日も、「日刊7秒しかけ」を読んでくれてありがとうございます。
それでは、また来週!