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【水曜日のしかけ#34】『〇〇さんにも教えといて』
水曜日は上司のマネジメントに関する「7秒しかけ」を紹介していきます。
今回、紹介する7秒しかけは『〇〇さんにも教えといて』です。
どんなしかけかイメージわきますか?
『白潟さん、はい、わきますよ。自分があるメンバーに指導したことを、そのメンバーから他のメンバーにも教えてもらうよう頼む、そんなしかけですよね?』
はい、正解です!
すみません、読んで字のごとくでした。
ちなみに、上司の皆さんはメンバーに『〇〇さんにも教えといて』と言ったことありますか?
『はい、私はよく使います。効果のあるしかけですよね』
素晴らしい!ナイス共有です。
チームのナレッジマネジメント最高ですね!
ここまで読んでもらいありがとうございます。
残念ながら、まだ活用してない上司はぜひ読み進めてください。
0 7秒しかけとは(1度読んだ方は読み飛ばしてください)
「7秒しかけ」とはしかけ研究家白潟敏朗と白潟総研のコンサルティング経験・ノウハウをベースに、次に示す習慣化の4つの技術を活用し開発したしかけです。
① 小さな行動から始める
~ 小さすぎてばかばかしいと思う行動が習慣になる(小さな習慣) ~
小さい行動はすぐに生活に取り入れることができ、やがて自然と大きく成長していきます。小さいことから始めれば、時間的な負担を気にせず大きな変化への第1歩を踏み出すことができます。
② If thenプランニング(もしXだったらYをする)
~ 「◯◯した時に□□する」で実行率アップ ~
簡単にいうと「もし○○だったら△△する」と決めておくだけです。
人間の脳は『XならY』という文章を記憶しやすく、無意識にそれに従って行動できるようになるようです。発動タイミングを決めてしまう、これが習慣化のポイントです。
【If-Thenプランニングの例】
・ 帰りに電車にのったら、明日見る動画の1行ゴールを書く
・ 行きの電車にのったら、ロジカルシンキング動画を1本見る
・ お風呂に入る前に、腕立て5回する
・ 先輩・上司に声をかけられたら、メモ帳を出す
できたら、自分を褒めましょう「よくできた!」
③ 20秒ルール
~ 始めるまでにかかる時間を20秒短くする ~
何かを始めるまでの手間を20秒短縮すると、20秒分の手間のかからなさが、頭によぎる「面倒くさい」を遠ざけ、「気がついたらやっていた」という達成感につながります。
20秒以内にすぐにやれるように準備することが大事!
④ マジックナンバー4
~ 週4回以上の実践で習慣化しやすい ~
習慣化の4つの技術に加え、最近流行りの行動経済学も活用しています。
特にナッジ理論「行動科学に基づいた小さなきっかけで人々の意思決定に影響を与え、行動変容を促す手法・戦略」を活かすことで、より簡単に実行できる工夫をしたしかけです。
具体的には1秒から7秒で実行でき小さな成功により少しだけ自信がつき、気がつけば習慣になっている、そのような効果のあるしかけです。7秒以内で実行できるので「7秒しかけ」と呼んでいます。
1 『〇〇さんにも教えといて』とは
突然ですが、上司と田中さんの1on1シーンを読んでください。
田中:『マネジャー、ひとつ相談してもいいですか?』
上司:『もちろん、喜んで!』
田中:『実は、全タスクの納期遵守を目標に仕事してるんですが、なかなか達成できず悩んでいます』
上司:『そっか、目標達成できず悩んでるのか』
田中:『はい、どうしても納期遅れのタスクが発生してしまいます』
上司:『そう、それはどんなタスクなの?』
田中:『所要日数が3日以上の長いタスクで納期に遅れます』
上司:『どうして、長いタスクで遅れるの?』
(しばし沈黙、田中さん沈思黙考)
田中:『長いタスクも納期は常に意識し仕事してるんですが…』
上司:『納期は意識してるんだ、意識するのは納期だけでいいのかな?』
(しばし沈黙、田中さん沈思黙考)
田中:『うーーん、納期だけだと長いタスクは納期遅めなのでどうしても優先度を下げてしまいます。あ!そっか、納期だけだとダメなんだ』
上司:『解決策が見えてきたようだね、納期以外に何を意識する必要があるのかな?』
田中:『取り掛かる時期ですかね?』
上司:『そうだね、いわゆる「着手日」だよね』
田中:『マネジャー、たしかにそうですね。納期から所要日数で逆算し「着手日」を設定し、「着手日」順に仕事していけばいいんですね』
上司:『田中さん、どうやらまた一つ仕事の進め方スキルが習得できたようだね』
田中:『マネジャー、コーチングして頂きありがとうございます、今後、優先度は「納期」に加え「着手日」も意識し決めていきます』
上司:『いえいえ、とんでもない。田中さん、山田さんも納期で悩んでいたので山田さんにも教えといて』
田中:『はい、山田さんにも教えときます』
上司:『よろしくお願い致します』
いかがでしたでしょうか?
こんな感じで7秒しかけ『〇〇さんにも教えといて』を活用します。
そうすると、メンバーに指導したことをメンバーが他のメンバーに教えることでナレッジの共有ができます。
『メンバー全員に教えといて』
にセリフを変えるとチームメンバー全員にナレッジシェアができます。
更に、『〇〇さんにも教えといて』を依頼し他のメンバーに教えた人には、習得したスキルの定着効果が高まります。
アメリカ国立訓練研究所の学習方法と平均学習定着率の関係「ラーニングピラミッド」によると、他人に教えることが最も定着率が高くなり、なんと90%の学習定着率になります。
![](https://assets.st-note.com/img/1723780055262-zqoBVn2Hwg.png?width=1200)
メンバーに『〇〇さんにも教えといて』と依頼し、実施してくれたかどうか不安な場合は『○○さんに教えてくれた?』とチェックしましょう。
『〇〇さんにも教えといて』に加え、他のメンバーに『〇〇さんに聞いてみて』と伝え教えさせるのもおススメです。
チームのナレッジシェアに有効で、メンバー育成効果も高いしかけですが、ひとつだけ留意点があります。
教える人の指示を間違えないようにしてください。
次のような指示はメンバーが教えにくくなるのでしないほうがいいかもしれません。
・新人に対し先輩に教えといて
・若手に対し年上の人に教えといて
・人間関係が構築できていない人に教えといて
7秒しかけ『〇〇さんにも教えといて』気にいってもらえたら、ぜひ活用してください。
2 アンカー(『〇〇さんにも教えといて』を思い出させるきっかけ)
きっかけがなくても『〇〇さんにも教えといて』実践できる上司は、今すぐ実践しましょう。
きっかけがあった方が『〇〇さんにも教えといて』を実践しやすい上司は
「メンバー」をきっかけにしましょう。
次の条件に合うメンバーをきっかけにしてください。
・話しかけやすい
・成長意欲がある
・人に教えることが好き
3 今すぐ準備しましょう
準備しなくても実践できる上司は、今すぐ実践しましょう。
そうでない上司は『〇〇さんにも教えといて』を実践するには
次の準備が必要です。今すぐ準備しましょう!
① 週4回以上の実践状況のチェックシート作成
前述したマジックナンバー4(週4回以上の実践で習慣化しやすい)を実践する準備です。週4回も実践しないかもですが、準備の例を次に示します。
・ 「XXさんに『〇〇さんにも教えといて』」と4枚のふせんに書く
(実践したらふせんをすてる!)
・ 1枚のふせんに『〇〇さんにも教えといて』と4回のチェック欄を書く(実践したらレチェックをいれる、4回チェックしたらすてる!)
② ①のチェックシートを手帳に貼る、またはパソコンに貼る
4 いつから実践しますか?
『〇〇さんにも教えといて』いつから実践しますか?
実践したいと思った方は今ここで実践時期を決めましょう!
・ 今から
・ 明日から
・ 来週の月曜日から
決めた実践時期を手帳やカレンダーに書き込みましょう。
『〇〇さんにも教えといて』実践と記入した付箋を手帳やパソコンに
貼ってもいいです。
『〇〇さんにも教えといて』の紹介は以上でおひらきです。
皆さんのナレッジマネジメント力と部下育成力UPを心から願っております。
実践したらX(Twitter)への投稿、またはNoteへコメントしてもらえたら嬉しいです!
今日も、「日刊7秒しかけ」を読んでくれてありがとうございます。
『〇〇さんにも教えといて』の7秒しかけを気に入ってもらえたら、
「日刊7秒しかけマガジン」のフォロー頂けると嬉しいです!
それでは、また明日!